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開演30分前に着きましたが、すでに前のほうやステージ正面の良い席は埋まっていました
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まず、邦楽囃子奏者の望月太左衛(もちづきたさえ)さんが太鼓の実演でトークイベントに華を添え、10分間の休憩後、いよいよ市川團十郎さんが登壇。「猿若三座と江戸歌舞伎」というお題に限らず、笑いを散りばめつつ、ざっくばらんに歌舞伎にまつわるお話しをされました。
團十郎さんといえば、2004年に急性前骨髄球性白血病を克服し舞台復帰するも、2005年8月に再発。去年の暮れから貧血症状が見られるようになり、今年7月に入院。妹の市川紅梅さんから骨髄を移植する手術を受けました。紅梅さんがO型だったため、初めはかゆみや下痢などの拒絶反応が見られ、投薬治療などを重ねながら輸血を繰り返した結果、團十郎さんは本来のA型からO型の身体に変化。10月13日に退院して現在は静養中の身。
まずは、「障子の桟にたまったホコリが気になって掃除をするようになった。」など、血液型が変わったことで性格まで変わったというネタから。團十郎さんの場合、ねらってもそうでなくてもウケていました
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ホール中段左側の席で、肉眼でもそれなりに見えるのですが、
ちょっと双眼鏡でのぞいてみます。
▼お相手の荒井修さん。團十郎さんとは30年来のお付き合いという浅草・文扇堂四代目店主。知らずに“喋りのプロ”かと思ってしまった
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▼ご存知、十二代目・市川團十郎さん。意外とお元気そう。10月28日の「小唄夜雨会(三越劇場)」出演に次いで、今日は退院後ふたつ目のお仕事。
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▼ズーム・イン
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最も印象に残ったのは、江戸時代の複雑な通貨の話でした。
「三貨制度」と呼ばれる制度で、金貨、銀貨、銅貨と材質ごとに違う単位を用いて銭勘定をします。金貨は甲州の武田信玄が用いた「両」という単位をそのまま踏襲し、一両=四分=十六朱という四進数的な計数貨幣。銀貨は匁(=3.75g)という重さを単位とした計量貨幣、銅貨は一個=一文という計数貨幣でした。銅貨はつまり「銭」です。
公の相場では、
金一両=銀五十匁(元禄以降は六十匁)=銭四貫文(4,000文)
金(江戸)・銀(上方)・銭(庶民)と使い分けられ、重さを単位とする「銀」を用いていた上方の芝居は銀が懐に入っている(ことを意識した)「重い」芝居になる、という。こういう話を知れば知るほど、歌舞伎の見方も違ってくるのだろうな、と思いました。
トークイベントはトータル1時間30分の予定。ところが15:30になっても、いっこうに終わる気配がないのです。「そろそろ…」と指示を出す人もいません。「時間押してる
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團十郎さんの本格的な舞台復帰は、来年1月の「新春歌舞伎公演(国立劇場)」です。