ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

東野圭吾さんの新刊「祈りの幕が下りる時」をやっと読み終えました

2014年01月17日 | 
 人気ミステリー作家の東野圭吾さんの新刊単行本「祈りの幕が下りる時」を読み終えました。

 この単行本「祈りの幕が下りる時」は、2013年9月13日に講談社が上梓したものです。約4カ月間も放置していました。

 今回、やっと読み終えた単行本「祈りの幕が下りる時」の表紙をじっくり見ると、「祈りの幕が下りる時」という表紙ロゴがあまり見やすくありません。



 あまたいる東野圭吾ファンは、新刊ということだけで表紙もあまり見ないで買い求めるだろうと考えた表紙デザインだと感じました。東野圭吾ファンとして、「加賀恭一郎シリーズ」の最新刊という理由だけで購入しました。その割には、実際にはなかなか読み出さなかったことになります。

 新刊タイトル「祈りの幕が下りる時」が何を意味かも分からず、読み始めると、止まらなくなりました。ミステリーですが、「加賀恭一郎シリーズ」なので、トリックではなく、話の流れを楽しんで読み続けます。文章の省略の仕方が相変わらずうまいと感じました。

 小説の中身に関わることなので、「加賀恭一郎シリーズ」のファンの方は、これ以降は“中身バラし”を覚悟してお読みください。冒頭の初老の女性が亡くなったエピソードから、死亡したのは加賀恭一郎の実の母であるという衝撃的なエピソードから始まります。

 「加賀恭一郎シリーズ」の第7弾「赤い指」(2009年発行)では、子を盲目的に愛する母を取り上げ、第9弾の「麒麟の翼」(2011年発行)では、加賀恭一郎と父との葛藤が描かれています。父は昔気質の刑事です。どちらも、今回の新刊の物語の布石になっています。

 「加賀恭一郎シリーズ」では一番好きな第8弾「新参者」(2009年発行)で、日本橋署勤務にしたことも布石になっています。本当に深謀遠慮で、東野圭吾さんは次の小説まで考えて、ミステリーを書いているようです。

 結局、この単行本「祈りの幕が下りる時」は2回読みました。一回目は物語を追って、結末を知るために読みました。二回目は、どこにプロフィットの布石を仕込んであるのかを知るために読みました。

 読んでいる時に感じたのは、主人公の「加賀恭一郎」は、テレビ番組や映画の影響で、主人公を演じた阿部寛さんをどうしてもイメージしてしまうことです。

 この単行本の帯の売り文句は「東野圭吾 新たなる代表作」です。前作の「麒麟の翼」で「加賀シリーズ最高傑作」を使ったために、苦心したようです。