人気ミステリー作家の伊坂幸太郎さんの新刊単行本「首折り男のための協奏曲」を読み終えました。発行元は新潮社で、2014年1月30日に発行されたばかりです。
ある単行本を購入するために、東京都心の大型書店に行くと、「「首折り男のための協奏曲」の単行本が、文芸書のコーナー付近に平積み展示され、さらに購入の窓口付近にも平積み展示されていて目立ちました。新潮社は伊坂幸太郎さんの新作だけにヒット作になると考えて、初版を大量に印刷したようです。また、書店も売れる本だと考え、派手な展示をしています。
この新刊単行本「首折り男のための協奏曲」は以前に発表した7本の短編小説をまとめたものです。この7本の“関連付け”は初めてです。

一番古い「首折り男の周辺」は2008年4月にオムニバス中篇集「Story Sellers」に掲載され、その後に新潮文庫として販売されています。オムニバスとして、何人かの小説家が書いた短編や中編を集めたものです。つまり、短編「首折り男の周辺」は3回目の登場です。新潮社はこの作品で何回、儲けるつもりなのでしょうか。
「首折り男の周辺」は首を折られた死体が連続して見つかり、“首折り男”という殺人者がいることを知らせます。この小説は、天命を越えたある種の“神の手”がそれぞれの登場人物の運命を変えるという物語です。各登場人物の運命を変えることは、人生を変える努力の部分もありますが、まったくの“神の手”のような奇跡によるものもあり、合理的な因果関係はないようです。
「首折り男の周辺」を含む7つの短編・中編は、登場人物の人生を、天の上から“神”として見る感じのものです。この単行本に収められた奇妙な話が好きかどうかは、個人によってかなり評価が分かれ、伊坂さんの奇妙なテイストが好きかきらいかは、かなり分かれると思います。
全体を通しては、子供などのいじめの話がベースにあるようです。人間は狭い環境に押し込まれると、弱いと思う対象人物を集団でいじめるという話が所々にでてきます。その一方で、そのいじめられる対象となって人物(子供や大人)は、いじめに対抗したり、あるいは抵抗しないで何もしないで流されても、突然、ある種の“正義の味方”が現れて、救ってくれるシーンが出てきます。ある種の“神の手”です。
この“神の手”について、合理的な因果関係を求めると、この短編連作集は面白くないと思います。また例によって、伊坂さんは「目の前に見えるもの・環境も視点を変えるとまったく違う解釈ができる」という視点を何回か提示します。逆にいうと、「視点を変えると解釈は変わるのだ」というテイストは、このころから醸成されていたのかと感じました。
実は、各連作は首折り男やいじめなど、それぞれ関連し、その解釈を与える関連した部分が出てきます。このため、この連作集を2回読みました。関連が分かった部分と、きょとんと感じる部分があります。伊坂さんは、謎解きとして、この連作集を何回も読めといっているようです。
この単行本の出来は、現時点では「中」だと思っています。文体が軽いようで、重い感じがします。
ある単行本を購入するために、東京都心の大型書店に行くと、「「首折り男のための協奏曲」の単行本が、文芸書のコーナー付近に平積み展示され、さらに購入の窓口付近にも平積み展示されていて目立ちました。新潮社は伊坂幸太郎さんの新作だけにヒット作になると考えて、初版を大量に印刷したようです。また、書店も売れる本だと考え、派手な展示をしています。
この新刊単行本「首折り男のための協奏曲」は以前に発表した7本の短編小説をまとめたものです。この7本の“関連付け”は初めてです。

一番古い「首折り男の周辺」は2008年4月にオムニバス中篇集「Story Sellers」に掲載され、その後に新潮文庫として販売されています。オムニバスとして、何人かの小説家が書いた短編や中編を集めたものです。つまり、短編「首折り男の周辺」は3回目の登場です。新潮社はこの作品で何回、儲けるつもりなのでしょうか。
「首折り男の周辺」は首を折られた死体が連続して見つかり、“首折り男”という殺人者がいることを知らせます。この小説は、天命を越えたある種の“神の手”がそれぞれの登場人物の運命を変えるという物語です。各登場人物の運命を変えることは、人生を変える努力の部分もありますが、まったくの“神の手”のような奇跡によるものもあり、合理的な因果関係はないようです。
「首折り男の周辺」を含む7つの短編・中編は、登場人物の人生を、天の上から“神”として見る感じのものです。この単行本に収められた奇妙な話が好きかどうかは、個人によってかなり評価が分かれ、伊坂さんの奇妙なテイストが好きかきらいかは、かなり分かれると思います。
全体を通しては、子供などのいじめの話がベースにあるようです。人間は狭い環境に押し込まれると、弱いと思う対象人物を集団でいじめるという話が所々にでてきます。その一方で、そのいじめられる対象となって人物(子供や大人)は、いじめに対抗したり、あるいは抵抗しないで何もしないで流されても、突然、ある種の“正義の味方”が現れて、救ってくれるシーンが出てきます。ある種の“神の手”です。
この“神の手”について、合理的な因果関係を求めると、この短編連作集は面白くないと思います。また例によって、伊坂さんは「目の前に見えるもの・環境も視点を変えるとまったく違う解釈ができる」という視点を何回か提示します。逆にいうと、「視点を変えると解釈は変わるのだ」というテイストは、このころから醸成されていたのかと感じました。
実は、各連作は首折り男やいじめなど、それぞれ関連し、その解釈を与える関連した部分が出てきます。このため、この連作集を2回読みました。関連が分かった部分と、きょとんと感じる部分があります。伊坂さんは、謎解きとして、この連作集を何回も読めといっているようです。
この単行本の出来は、現時点では「中」だと思っています。文体が軽いようで、重い感じがします。