ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

日本経済新聞紙の解説「シリーズ検証 流通革命50年の興亡」を拝読しました

2014年05月05日 | 日記
 2014年4月27日の日本経済新聞紙朝刊の中面に掲載された「日曜に考える」の中の「シリーズ検証 流通革命50年の興亡 4」を拝見しました。

 また一週間前の解説記事を取り上げることには、恐縮しております。

 「シリーズ検証 流通革命50年の興亡」の今回分は「セブンを追え 影に商社」という見出しで、1999年末に財務内容が悪化していたダイエーが子会社のコンビニエンスストア事業を展開する子会社のローソンを売却することを決めた経緯を説明しています。

 日本経済新聞紙のWeb版の日本経済新聞の電子版の見出しです。



 この「セブン」とは当然、コンビニエンスストア事業のトップ企業のセブン-イレブンジャパンのことです。

 子会社ローソンは売却額が約2000億円との見通しを巡って、実質的には三菱商事と丸紅の二つの商社が買収案件として争ったという経緯を解説します。

 元々、ダイエーと包括契約していた丸紅が有利ではとの観測が流れました。しかし、実際には関連会社に食品卸の菱食(現在は三菱食品)を傘下に持つ三菱商事が約1700億円で、ローソン株の約20パーセントを取得し、経営権を握りました。

 さらに、この二年前にはやはり経営不振だった西友が子会社のファミリーマートの株30パーセント分を、商社の伊藤忠に売却しています。

 国際的な事業を得意とする商社がコンビニ事業会社を傘下に収めているのは、現在「コンビニ市場、10兆円目前」と巨大な市場に成長しているからです。商社にとって、粗利益率が約30パーセントを越える点が魅力的だったからと解説します。

 元々、米国で生まれて育ったコンビニエンス事業は、セブン-イレブンジャパンが中身を進化させ、逆に本家の米国企業を買収し、日本版コンビニ商売を確立させます。

 日本のコンビニ店舗は、おにぎりや弁当、サンドイッチなどの“生鮮食品”を販売しています。売れた分だけ、一定の時間単位で商品を補充する優れたPOS(ポイント・オブ・セールス)などのIT(情報技術)を駆使して、売り場面積が限られたコンビニ商店を運営しています。

 お菓子や清涼飲料水、ビールなどの新製品は、コンビニ店舗の棚を占拠し続ける売れ行きでないと、店頭から当該商品が自然に消えていきます。こうした厳しい“弱肉強食”環境で、食品メーカーは生き延びています。日本独自の商習慣ともいえます。

 このため、各コンビニエンス事業を展開する会社は、熾烈(しれつ)な食品開発を続けています。

 最近、コンビニ店舗は万が一の大震災の時には、食品や飲料水の非常時の供給元という社会インフラストラクチャーとして、存在意義を高めています。

 さらに、“限界集落”と呼ばれる地方の非市街地では、高齢者に食品や日用品を宅配する拠点としても、社会インフラストラクチャー化しています。

 その割には、コンビニ店舗のオーナーは収益確保に苦心している比率が高いとうわさされています。その実態はよく分かりません。

 実は、この「シリーズ検証 流通革命50年の興亡 4」を拝読した理由は、その囲み記事に大ベストセラーの「流通革命」の著者である林周二さん(東京大学名誉教授)のコメントが載っていたからです。その囲みの最後に「智恵はどこから生まれてくるのかを解説する本を書いている」と記述されています。発行が楽しみな単行本(?)です。