ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

朝日新聞紙朝刊に掲載された「EU懐疑派 各国で躍進」を拝読しました

2014年05月29日 | 日記
 2014年5月27日に発行された朝日新聞紙朝刊の二面に掲載された、見出し「EU懐疑派 各国で躍進」という記事を拝読しました。

 朝日新聞紙のWeb版である朝日新聞 DIGTALでは、見出し「EU懐疑派、各国で躍進 英仏・ギリシャで第一党へ 欧州議会選」という記事が載っています。



 欧州連合(EU)の欧州議会選挙(定数は751)が5月25日に開票され、EU懐疑派が大きく躍進したと伝えています。この欧州議会選挙は5年に一度、EU加盟国でそれぞれ実施されるものです。有権者約4億人で、議席定数の751を加盟国に人口比で配分されています。

 今回の欧州議会選挙結果では、フランス、英国、ギリシャではEU懐疑派が第一党になり、全体でも合計約30パーセントの議席をうかがう勢いに躍進したそうです。この結果、EU統合の深化・前進にブレーキがかかるおそれが出てきたと伝えます。

 フランスの右翼・国民戦線(FN)の党首は「(EUから)主権を取り戻す一歩を踏み出した」と、選挙結果を受けての記者会見で語ったそうです。同党は「反EU、脱ユーロ、反移民などの政策」を訴えた結果、投票の約25パーセントを確保し、トップになりました。

 仏右翼・国民戦線は、EU加盟国内での人とモノの自由移動によって、フランス国内に移民が多数流れ込み、この移民に仕事を奪われ、失業率がEU加盟国全体で約11パーセントにまで高まり、「移民たちが職を奪っている」と、元々の自国民(地元住民)の不満が高まっていると、昨日のテレビニュースでも伝えていました。この結果、フランスなどでは移民規制強化の政策を求める声が強まっているそうです。

 元々、EUといくらか距離感をおいている英国でも、英国独立党が「脱EU」を国民に訴え、英国のEU離脱を実現しようとしているそうです。

 一方、ギリシャでは急進左翼進歩連合という政党が「ギリシャの財政危機時に実施された財政政策・経済建て直しの緊縮政策はEU他国から押しつけられたもの」と批判し、財政再建政策が国民に犠牲を強いていると主張し、国民の支持を集めているそうです。
 
 2009年に発効した、EUの新しい基本条約の「リスボン条約」は欧州議会の権限を拡大し「加盟国の自由貿易協定(FTA)などの第三国との国際協定の権限をいくらか弱め、自主性を奪った」と、EU懐疑派は訴えています。

 20世紀に欧州は二度の世界大戦を経て、その教訓から欧州統合を進めてきたEU加盟国は、各国の国民の不満を募らせ、政策課題を再度、議論し、場合によってはいくらか中身を修正する必要に迫られています。

 EUという、人類にとっての壮大な実験の行方がどうなるのかを、注視したいものです。