○ なかなか複雑な構造になってきましたね。4/25の日経新聞では主要株主は以下との事。
スパークス(23.98%)・フィデリティ(12.61%)及びどうもスパークスに同調しそうな株主として他にゴールドマンサックス(4.31%)モルガンスタンレー(2.92%)がいます。4社合わせて40.82%ですね。一方、その他有力株主として、みずほコーポレート(9.31%)、足利銀行(5.08%)、三井アセット信託(1.49%)等が記載されていますが、信託業務による保有株式も入っていますから、議決権行使のときに現経営陣に賛同するか不明ですね。
・ 現経営陣の役員選任案(綿貫社長他5名、社外取締役2-3名。但し、浦野・森両氏の重任は反対)が通らない可能性も相当ありそうですね。委任状争奪戦に向けていろいろ準備しないといけませんね。
・ スパークスは、6月の株主総会で、株主提案としてTOB受入派の前社長の浦野氏と前専務の森氏等を役員として選任(重任)し、現社長等の重任には反対の考えの様ですね。
現経営陣にとりスパークスは既に敵対的となっていますね。
・ ペンタックスは、11日に企業価値向上の代替案を提示して、スパークスもこれを見極めたいと意向を表明しています。ペンタックスの代替案も悩ましいですね。他の企業との提携交渉はHOYAとの合意により出来ません。即ちペンタックスの経営資源と相互補完・相乗効果のある資源をもっているHOYA以外の会社との連携の話を今は推進出来ませんからね。またそんな超短時間に出来るものでも有りません。相手の有ることですからね。と言うことだと、自社のみの向上策では限界がありますね。配当金を大幅増配するというのも一つの案ですが、これは企業価値の向上策ではありません。株主は喜びますけどね。
○ 企業価値は誰が向上させる事が出来るのですか?ペンタックスの役職員以外ありません。従業員が汗水たらして働くから企業の価値が向上するのです。事業パートナーの株主なら少しは別ですが、ファイナンシャルインベスターである株主等は、企業価値向上の視点からは何の役にも立ちません。
○ 今回の混迷で、重要なステークホルダーである従業員がどういった意見をもっているのか見えてきませんね。これが重要ですね。ペンタックスの全従業員とか、あるいは全連結会社の管理職以上とか、従業員の賛否を問うのも一案です。従業員の過半数がTOBに反対ならハッキリHOYAにTOB反対を表明することです。日本では、まだまだ従業員が反対しているTOBを行うというのは、広報戦略としてHOYAを「悪者」に出来ます。統合の効果も縮減します。モラルにも影響します。一般株主をより多く見方につけることも少しは可能になるかもしれません。
・ HOYAの代表執行役は1/22のHOYAの決算説明会で、ペンタックスのカメラ事業転売の可能性に言及したと報道されています。統合もする前から、何故こんな無礼な事を言うのですか。配慮がなさすぎます。ペンタックスは日本的経営の日本の企業です。日本の企業合併では、吸収される側への配慮を、例えばお嫁さんを迎え入れる態度で接しないといけません。勿論2-3年後は知りませんが。進駐軍が日本を占領したら、北海道はソ連に売り飛ばすと言ったのですよ。確かに事業ポートフォリオ的にはそうかも知れませんが、そこで働く従業員の事を考えるのが日本の思慮ある経営者です。
・ TOBの賛否を問うたときに、従業員の意見も大きく分かれるかもしれませんね。カメラ事業部等は反対者が大半かもしれません。ライフケア事業等は、HOYAの体力を利用して、海外の有力中堅あるいはベンチャー企業などを買収して成長を加速させる事も出来るかもしれません。
・ 従業員の過半数がTOBに賛成したら、現経営陣としては賛成するしかないですね。しかし、同時にこの統合によって冷や飯を食う部門の人たちを如何に暖かく対応するか、別会社に分割して効率化して生き残りを目指すのか、ペンタックスの経営陣は、大義に基づいてバサッと行う部分と、同時に暖かい配慮も伴ってリストラを行う部分にも目配りをしないといけません。