○ 企業間の合併については、当然各国の会社法等で規定していますので、その企業の所在国の会社法の規定によりますね。呼び方もMerger Agreementと言ったり、米国ではPopularなAgreement and Plan of Mergerと言ったり、スペイン・ポルトガル系ではMerger Protocol (合併の正当事由を記載しないといけないので、Protocol and Justification of Mergerの方が、popularでしょうか)と言ったりします。
買収の場合ですが、株主が多い会社のときは、多くの株主と株式譲受契約を何本も結ばないといけない場合もあります。一部の反対株主がいたり法外な価格を要求されたりしたら株式取得もスムーズにできません。反対株主が残存していると経営にも支障をきたします。その場合、新設子会社を作って、その子会社とTarget企業を合併させるTriangular Merger(三角合併で、新設子会社がsurvivingのForwardとその逆のReverseなどあります)の手法により買収を行う場合があります。しかし、重要なことは、勿論買収・合併の目的・意義ですが、合併当事者企業のみならず、合併承認総会で株主の承認をスムーズに取得するには税金問題をクリアーする必要がありますし、合併スキームにも影響します。ということで、今回は合併と税金について記載してみましょう。
○ 企業間の合併で、結構問題になるのは税金ですね。これは日本でも外国でも同じです。
日本での合併の際の課税関係は、①消滅会社の資産・負債が簿価で存続会社に承継できるか、②逆に言いますと存続法人が承継する消滅会社の資産・負債を簿価で承継できるかということと、消滅会社の繰越欠損金の引継ができるかということ、③存続会社の株式を、消滅会社の株式に代わり受け取る消滅会社の株主にみなし配当が計上されるか等ですね。存続会社の株主は、影響はありません。
合併の類型としては、①100%子会社との親子合併、②50%超100%未満の子会社との合併、③第三者と共同事業を営むための合併があります。それぞれ税金の生じない(存続会社が簿価で消滅会社の資産・負債を受入)適格合併と課税関係の生じる非適格合併があります。
詳細は、国税庁のWEBや、監査法人の解説を見ればわかりますね。一般的には、Cash Merger=存続会社の株式を消滅会社の株主に交付する現金合併の場合には、適格合併は認められないですね。
ここでの注意点は、日本では確定決算主義なので財務会計の簿価は、通常税務会計の簿価と同じなのですが、海外では、財務会計の簿価と税務会計の簿価は違う場合があるということですね。
○ 米国企業間の合併でも、やはり課税されるかは大きな問題ですね。特に、株主様の地位の高い米国ですからね。米国では、Internal Revenue CodeのSection 368(a)に該当すれば、組織再編として税金は課税(再編そのものに対する課税)されないようですね。こういった合併は“tax-free” reorganizationと呼ばれています。課税されないというのは、企業再編時の話であり、正確にはtax-freeではなく、(含み益のある場合は通常有利な)課税の繰延Tax-deferralですね(資産が減損しているときはtax-freeの再編を行わない方が良い場合も多い)。
2015年に合併したKraft-Heinzもtax-free合併ですね。Kraftは、Kraft Foodsから分離した上場企業であるKraft Foods Group Inc.ですね。Heinzは、3G CapitalとBerksher Hathawayにより、delisting & went privateされた会社ですね。合併後の会社Kraft Heinzは、旧Kraftの株主が49%を保有、残りの51%をHeinzの株主であった3G CapitalとBerksherが保有しました。3GとBerksherはKraft株主の賛同を得るため、合併にあたって合計100億ドルを追加出資。Kraft株主は$16.5/Shareの特別配当を受け取りました。
Kraft-Heinzの合併で、会社はこんなことを言っていますね。「the subsequent merger and the special cash dividend of $16.50 per share of Kraft common stock received by the holders of record of the issued and outstanding shares of Kraft common stock as of immediately prior to the effective time of the merger (the “special dividend”) relevant to a particular holder and, in particular, may not address U.S. federal income tax considerations applicable to former holders of Kraft common stock subject to special treatment under U.S. Federal income tax law. Former holders of Kraft common stock should also review the discussion under the heading “Material U.S. Federal Income Tax Consequences” in the registration statement filed on Form S-4. The terms “merger” and “subsequent merger” have the respective meanings ascribed to them in the registration statement filed on Form S-4.」
○ 合併には税金はつきものですね。外国では、日本のような確定決算主義を取ってい ない国も多いですね。ですから税務会計は、必ずしも財務会計とはリンクしていません。
IFRSと日本の会計基準の大きな違いは、のれんは償却(amortize)できるかですね。IFRS採用の国では財務会計上は償却できませんが、税金逃れを目的としたものではだめですが、合併に正当事由があれば税務上は暖簾を償却できる場合があります。
やはり、合併を検討する際は、いずれの国でも税金問題は、重要ですね。
買収の場合ですが、株主が多い会社のときは、多くの株主と株式譲受契約を何本も結ばないといけない場合もあります。一部の反対株主がいたり法外な価格を要求されたりしたら株式取得もスムーズにできません。反対株主が残存していると経営にも支障をきたします。その場合、新設子会社を作って、その子会社とTarget企業を合併させるTriangular Merger(三角合併で、新設子会社がsurvivingのForwardとその逆のReverseなどあります)の手法により買収を行う場合があります。しかし、重要なことは、勿論買収・合併の目的・意義ですが、合併当事者企業のみならず、合併承認総会で株主の承認をスムーズに取得するには税金問題をクリアーする必要がありますし、合併スキームにも影響します。ということで、今回は合併と税金について記載してみましょう。
○ 企業間の合併で、結構問題になるのは税金ですね。これは日本でも外国でも同じです。
日本での合併の際の課税関係は、①消滅会社の資産・負債が簿価で存続会社に承継できるか、②逆に言いますと存続法人が承継する消滅会社の資産・負債を簿価で承継できるかということと、消滅会社の繰越欠損金の引継ができるかということ、③存続会社の株式を、消滅会社の株式に代わり受け取る消滅会社の株主にみなし配当が計上されるか等ですね。存続会社の株主は、影響はありません。
合併の類型としては、①100%子会社との親子合併、②50%超100%未満の子会社との合併、③第三者と共同事業を営むための合併があります。それぞれ税金の生じない(存続会社が簿価で消滅会社の資産・負債を受入)適格合併と課税関係の生じる非適格合併があります。
詳細は、国税庁のWEBや、監査法人の解説を見ればわかりますね。一般的には、Cash Merger=存続会社の株式を消滅会社の株主に交付する現金合併の場合には、適格合併は認められないですね。
ここでの注意点は、日本では確定決算主義なので財務会計の簿価は、通常税務会計の簿価と同じなのですが、海外では、財務会計の簿価と税務会計の簿価は違う場合があるということですね。
○ 米国企業間の合併でも、やはり課税されるかは大きな問題ですね。特に、株主様の地位の高い米国ですからね。米国では、Internal Revenue CodeのSection 368(a)に該当すれば、組織再編として税金は課税(再編そのものに対する課税)されないようですね。こういった合併は“tax-free” reorganizationと呼ばれています。課税されないというのは、企業再編時の話であり、正確にはtax-freeではなく、(含み益のある場合は通常有利な)課税の繰延Tax-deferralですね(資産が減損しているときはtax-freeの再編を行わない方が良い場合も多い)。
2015年に合併したKraft-Heinzもtax-free合併ですね。Kraftは、Kraft Foodsから分離した上場企業であるKraft Foods Group Inc.ですね。Heinzは、3G CapitalとBerksher Hathawayにより、delisting & went privateされた会社ですね。合併後の会社Kraft Heinzは、旧Kraftの株主が49%を保有、残りの51%をHeinzの株主であった3G CapitalとBerksherが保有しました。3GとBerksherはKraft株主の賛同を得るため、合併にあたって合計100億ドルを追加出資。Kraft株主は$16.5/Shareの特別配当を受け取りました。
Kraft-Heinzの合併で、会社はこんなことを言っていますね。「the subsequent merger and the special cash dividend of $16.50 per share of Kraft common stock received by the holders of record of the issued and outstanding shares of Kraft common stock as of immediately prior to the effective time of the merger (the “special dividend”) relevant to a particular holder and, in particular, may not address U.S. federal income tax considerations applicable to former holders of Kraft common stock subject to special treatment under U.S. Federal income tax law. Former holders of Kraft common stock should also review the discussion under the heading “Material U.S. Federal Income Tax Consequences” in the registration statement filed on Form S-4. The terms “merger” and “subsequent merger” have the respective meanings ascribed to them in the registration statement filed on Form S-4.」
○ 合併には税金はつきものですね。外国では、日本のような確定決算主義を取ってい ない国も多いですね。ですから税務会計は、必ずしも財務会計とはリンクしていません。
IFRSと日本の会計基準の大きな違いは、のれんは償却(amortize)できるかですね。IFRS採用の国では財務会計上は償却できませんが、税金逃れを目的としたものではだめですが、合併に正当事由があれば税務上は暖簾を償却できる場合があります。
やはり、合併を検討する際は、いずれの国でも税金問題は、重要ですね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます