○ 日本でも三角合併ができるようになりました。三角合併とは、子会社と合併対象会社間の吸収合併のうち、消滅会社の株主に対して存続会社の親会社(親会社の国籍は日本以外でもOK)の株式や金銭を交付する合併をいいますね。また、合併に反対する株主には、株式買取請求権(Appraisal Right)が与えられます。日本における三角合併第1号はシティグループによる日興コーディアルグループの買収ですね。その後、何件かあるようです。
○ 今回の話は、米国企業の買収を、米国に合併のための目的会社(Vehicle)を(買収対象会社と同じ州・会社法で)設立し、その会社と対象企業とを合併させることにより買収する方法についてです。日本企業でも、今は粉飾・上場廃止・救済合併されたアクセスが、Palmsource Inc.という会社を買収するときに、APOLLO MERGER SUB, INC.という買収目的会社を設立し、Palmsourceを存続会社として、即ち逆三角合併(Reverse Triangular Merger)という手法で買収しましたね。買収の為に設立した会社が存続会社(Surviving Company)になる場合は、普通の三角合併(Forward Triangular Merger)ですね。
○ 米国では、この買収目的会社に親会社の自己株式を現物出資する形式で設立されるのが一般的です。ペーパー会社で、資産は親会社の株式のみが多いですね。消滅会社の株主は、存続会社の株式を受け取るのが普通ですが、Forwardの三角合併の場合は、消滅会社の株主は、現物出資された親会社の株式(上場株券)を受け取ります。形式的にみると株式交換と同じですね。しかし、Forward三角合併では、Target Companyは、合併により消滅してしまいます。
○ 三角合併が好まれる理由としては、①買収対象企業を100%買収できる点ですね。即ち、合併反対株主の保有株を、強制的に買収する側の親会社の株式と交換させることができるからですね。合併反対株主といちいち交渉する手間が無くなるというか、そんなことやってられません。また合併反対株主が、ごねてその株主だけに、有利な条件を出すわけには行かないからですね。同一条件でないと公平性・株主平等が無くなります。
100%買収でないと、少数株主権を行使されて、経営の邪魔をされると、経営にも差支えが出てきます。②米国企業にとり、買収目的会社を設立して合併する他の理由としては、自分(親会社)と合併する場合は、親会社の合併承認株主総会での承認が必要ですが、そんなこともしておられないですね。買収目的会社の100%株主は、親会社ですから、手続きが格段に簡便です。また、子会社を合併させることで、Legal Liabilitiesを軽減することもある程度可能になりますね。ただ、子会社合併の承認は、親会社の取締役会だけで決定できないケースも、親会社が上場企業の場合には規制によりあるようです。
○ 逆三角合併もよく行われますね。合併のVehicleとしての子会社を作っておきながら、合併の際に、この子会社を消滅会社にします。なぜでしょうか?これにはいろいろな理由が考えられますね。消滅会社の資産・負債・契約関係は、法律上は承継されるといっても、存続会社は、消滅会社の資産・負債を時価評価して受入記帳をしないといけません。Vehicleなら資産も単純なので、この受入記帳も非常に簡単ですね。それと種々の契約(ライセンス契約等も含む)で、合併の場合には、「契約解除することができる」という条項が入っている場合もあります。また合併だと言っても、消滅会社保有の許認可の承継には手続きが必要な場合があります。その場合、今までの会社が存続会社なら、相手方・当局も契約解除に動かない、許認可の承継手続が不要な場合もあります。しかし、何と言っても便利というか、新設会社ではすぐに出来ないことがあります。それは従業員関係の福利厚生ですね。例えば、IRC401kの確定拠出年金制度です。この制度は、会社が設計して年金受託運営会社と契約、運用の種類・選択等の従業員への説明会開催、会社のMatching Contribution(これが税法上損金処理できる)も説明する必要があります。こういった年金制度立ち上げには、普通は1年かかります。合併Vehicleの会社には、この制度がありません。従い、逆三角合併の方が良いのですね。
○ 今回の話は、米国企業の買収を、米国に合併のための目的会社(Vehicle)を(買収対象会社と同じ州・会社法で)設立し、その会社と対象企業とを合併させることにより買収する方法についてです。日本企業でも、今は粉飾・上場廃止・救済合併されたアクセスが、Palmsource Inc.という会社を買収するときに、APOLLO MERGER SUB, INC.という買収目的会社を設立し、Palmsourceを存続会社として、即ち逆三角合併(Reverse Triangular Merger)という手法で買収しましたね。買収の為に設立した会社が存続会社(Surviving Company)になる場合は、普通の三角合併(Forward Triangular Merger)ですね。
○ 米国では、この買収目的会社に親会社の自己株式を現物出資する形式で設立されるのが一般的です。ペーパー会社で、資産は親会社の株式のみが多いですね。消滅会社の株主は、存続会社の株式を受け取るのが普通ですが、Forwardの三角合併の場合は、消滅会社の株主は、現物出資された親会社の株式(上場株券)を受け取ります。形式的にみると株式交換と同じですね。しかし、Forward三角合併では、Target Companyは、合併により消滅してしまいます。
○ 三角合併が好まれる理由としては、①買収対象企業を100%買収できる点ですね。即ち、合併反対株主の保有株を、強制的に買収する側の親会社の株式と交換させることができるからですね。合併反対株主といちいち交渉する手間が無くなるというか、そんなことやってられません。また合併反対株主が、ごねてその株主だけに、有利な条件を出すわけには行かないからですね。同一条件でないと公平性・株主平等が無くなります。
100%買収でないと、少数株主権を行使されて、経営の邪魔をされると、経営にも差支えが出てきます。②米国企業にとり、買収目的会社を設立して合併する他の理由としては、自分(親会社)と合併する場合は、親会社の合併承認株主総会での承認が必要ですが、そんなこともしておられないですね。買収目的会社の100%株主は、親会社ですから、手続きが格段に簡便です。また、子会社を合併させることで、Legal Liabilitiesを軽減することもある程度可能になりますね。ただ、子会社合併の承認は、親会社の取締役会だけで決定できないケースも、親会社が上場企業の場合には規制によりあるようです。
○ 逆三角合併もよく行われますね。合併のVehicleとしての子会社を作っておきながら、合併の際に、この子会社を消滅会社にします。なぜでしょうか?これにはいろいろな理由が考えられますね。消滅会社の資産・負債・契約関係は、法律上は承継されるといっても、存続会社は、消滅会社の資産・負債を時価評価して受入記帳をしないといけません。Vehicleなら資産も単純なので、この受入記帳も非常に簡単ですね。それと種々の契約(ライセンス契約等も含む)で、合併の場合には、「契約解除することができる」という条項が入っている場合もあります。また合併だと言っても、消滅会社保有の許認可の承継には手続きが必要な場合があります。その場合、今までの会社が存続会社なら、相手方・当局も契約解除に動かない、許認可の承継手続が不要な場合もあります。しかし、何と言っても便利というか、新設会社ではすぐに出来ないことがあります。それは従業員関係の福利厚生ですね。例えば、IRC401kの確定拠出年金制度です。この制度は、会社が設計して年金受託運営会社と契約、運用の種類・選択等の従業員への説明会開催、会社のMatching Contribution(これが税法上損金処理できる)も説明する必要があります。こういった年金制度立ち上げには、普通は1年かかります。合併Vehicleの会社には、この制度がありません。従い、逆三角合併の方が良いのですね。
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