まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

法令順守を謳う企業

2016-03-01 20:51:03 | 企業一般
○ 多くの会社で、基本理念と行動基準等を制定しています。基本理念としては3-5条ぐらいでしょうか。その下位規則として行動基準がありますね。企業により重点の置き方などは異なりますが、多くの企業で法令順守をうたっています。Panasonicでは、まず、綱領があり、信条があり、その下の事業活動の推進のところに法令の順守の規定があります。一方、味の素では、基本原則を定めて、「国内外の法令」、「行動規範」及びそれらの精神を遵守し、公正、公平、透明、簡素を基本として、信頼される味の素グループを目指します。」と言っています。

○ まあ、別に法令順守を謳うのは結構なことですが、どうも肝心なことを忘れていませんかと言いたいですね。

1) こういった行動基準は、経営トップが議論を重ね、取締役会決議で制定します。従い、経営トップが、率先垂範して順守しないといけませんね。トップが守っていないと、下には浸透しません。空言で白々しく聞こえますし、バカバカしくて守りませんね。
海外の子会社等を経験したうえで本社役員になった人もいるでしょう。その国の会社法には、年4回取締役会を開く義務が規定されていても、そもそもそういった法令は知らないし、会社のガバナンス等も行っていない人も多いですね。自分が、法令順守していなかった人が、いきなり法令順守を言い出すわけですね。

2) 会社のホームページで、自社の理念・信条・行動基準を謳っている会社は多いですが、どれだけ社員に浸透しているか不明ですね。特に、長々と10-15も行動規範と定めている会社の普通の従業員は、パンフレット配られているけど、机にしまってそれっきりですね。まあせいぜい3つぐらいでしょうね。覚えられるのは、それで十分ですね。
行動基準を、いっぱい定めても浸透しないということです。経営陣の力みすぎですね。

3) 法令は、必ずしも肝心なことを伝えている訳ではないことを理解していないですね。
例えば、独禁法では、「私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。」とは書いていますが、これだけでは何をして良いか悪いかは不明です。ガイドライン等を見ないとわからないですね。価格カルテル等は独禁法が禁止していますが、日本では、独禁法違反にならないように、お互いのマーケットや価格は尊重した方がいいでしょう。やりすぎはいけませんが。これが、日本で1億2千万人以上の人が食べていく原理なのですから。
法律が、肝心なことを伝えていない例を分かりやすく言いましょう。刑法235条は、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定されています。盗んだものは懲役に処すると記載されていますが、刑法には「盗んではいけません」とは記載されていないのですね。これは、法律なんかよりもっと大事なことがあるということですね。

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