とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

書評『日本「一発屋」論』(原真人・著)

2016-12-07 08:23:15 | 読書
 最近の安倍晋三総理を見ていると、TPP法案を無理やり通したり、カジノ法案をどさくさで通したりと、危なさが漂っている。外交面ではトランプ氏といち早く接触したり、真珠湾での献花、プーチン大統領との首脳会談など、一見積極的に取り組んでいるようにも見えるが、別の見方をするとあせって手柄をたてようとしているようにも見える。もしかしたらアベノミクスの失敗を覆い隠そうと必死なのではないかという危惧をしている。この本も、そんな不安を煽ってくれる本ではある。

 著者の原真人氏は経済に朝日新聞の論説委員である。反権力的な発言から敵も多いようだ。確かに経済という結果の見えない分野でなんでもかんでも反対されたら気分も悪くなるだろう。しかし、するどいところをついているように思われるので無視することはできないはずだ。

 これまでの経済は発展途上国との経済格差を利用して先進国が裕福になっていただけであり、これからはかつてのような経済成長は望めないと考えたほうがいいのではないかと思う。今回の日銀の金融政策がもし失敗だとすれば、莫大な借金を新たにつくっただけになる。黒田総裁はどう責任をとるのであろうか。いずれにしても経済の崩壊だけはさけなければならないので、冷静な議論をあらゆる場でお願いしたい。

 すでに日本人は金のかからない楽しみを身につけている。経済成長のない社会でも十分生きていけるのではないだろうか。もしそれが無理でも、昔のような経済成長は必要ないと考えてもいいだろう。その意味での議論もあらゆる場でお願いしたい。
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