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新テストでの長文記述不採用?

2016-12-03 17:31:27 | 教育
 とても情けないニュースが流れている。そのニュースの内容は次の通りだ。

 センター試験に代わる新テストで国語の記述問題を導入することがここ数年検討されていた。しかし国立大学協会は、センター試験に代わる新テストでの国語の長文記述問題をあきらめ、国立大学の2次試験で、国語を中心に全受験生に高度な長文記述式問題を課す検討を始めたと。新テストが始まる2020年度に合わせた実施を目指すとのこと。国立大2次試験では現在、記述式問題を課しているのは募集人員の約4割にとどまっている。このため国大協では思考力、判断力、表現力をより深く評価する試験への転換が必要と判断したとのことである。

 何が情けないのか。以下の2点。

 1点目。私はセンター試験が日本人の国語力を大きく低下されたと思っている。だから国語力の低下をふせぐために記述式を導入することは大いに賛成である。しかし、現実問題としてセンター試験のような試験で客観性を保ちながら大量の採点を行うのは無理に決まっている。それは誰もが予想していたはずだ。そして批判がなされてきたはずだ。こんな常識的なこともわからずに検討し、混乱させたことがまずは情けない。

 2点目。本来、共通一次が始まったころから2次試験で記述問題を課すことは必須であったはずだ。ところが、2次試験の内容がどんどん軽減化していったのだ。そして国語力が必要がない形にしてしまったのは大学のほうである。だから、本来のように2次試験で国語の記述試験を課すのならば、新テストなんか必要ない。センター試験は2次試験の受験資格試験とし、2次試験で必要な学力を見ればいいだけなのだ。この試験改革の意味が分からなくなったことが情けない。

 そして危惧することが1点。

 大学にはそのような記述式の採点ができる人が本当にいるのかわからない。負担が大きすぎると苦情を言い、結局は10年もしないうちにその試験は消え去る運命だろう。本気で大学を指導できるのかを危惧する。

 とにかく教育改革が形骸化するかどうかはこの入試改革にかかっている。国立大学協会は日本の教育のために本気で検討してほしい。


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