KAAT神奈川芸術劇場で『アルトゥロ・ウィの興隆』を見ました。攻めまくる舞台で、すごさに圧倒されました。
脚本:ベルトルト・ブレヒト
演出:白井晃
音楽・演奏:オーサカ=モノレール(MC グリーンウール:中田亮)
振付:Ruu
美術:二村周作
衣裳:伊藤佐智子
照明:齋藤茂男
音響:井上正弘
ヘアメイク:稲垣亮弐
映像:栗山聡之
アクション:渥美博
演出助手:渡邊千穂
舞台監督:福沢諭志
プロダクション・マネージャー:平井徹
技術監督:堀内真人
制作:笠原健一 重田知子 佐々木裕子
出演:草彅剛、松尾諭、渡部豪太、中山祐一朗、細見大輔、粟野史浩、関秀人、有川マコト、深沢敦、那須佐代子、春海四方、小川ゲン、古木将也、小椋毅、チョウヨンホ、林浩太郎、Ruu(振付)、Namimonroe(中央)、FUMI(くるくる黒髪)、神保悟志、小林勝也、古谷一行
ブレヒトが1941年に亡命先のフィンランドで執筆した作品。ヒトラーがどれだけ卑怯な方法で権力を握っていったかを描く作品。しかし内容的な直接性が避けられ、舞台をアメリカのシカゴに移し、ヒトラーがアルトゥルウィという名前のギャングとして登場している。今回、この芝居ではジェームスブラウンのファンクミュージックの生演奏とともに演じられ、スタイリッシュに進行していく。
草彅剛がいい。セリフもいいし、歌やダンスも決まっている。だからこそ草彅剛のファンが熱狂を作り出します。しかしこの芝居のテーマは「熱狂がナチスを作った。」というものです。計算されたこの異化効果に驚かされます。
内容的にも、現在の安倍政権やアメリカのトランプ政権のように、平気でうそをつき、自分の主張を通していく強引さも通じることが多く、攻めている舞台でした。
歴史に残る舞台です。