日本で新型コロナウイルス感染症による死者が欧米主要国に比べて少ないのは、「民度のレベルが違う」から――。麻生太郎財務相が4日の参院財政金融委員会で、独自の説を展開した。そして、この認識が国際的にも「定着しつつある」と説明したという報道があった。国会中継の音声を聞いてみたが、確かに冗談ともとれる形だし、引用的に話しているので、その部分だけを聞けばそれほど目くじらを立てるほどのことではないかもしれない。しかし全体的に聞いてみれば、麻生太郎氏の傲慢さと愚かさがはっきりと見える。こんな人が副総理だということは、日本の民度が低いことを示してしまった。
仮に日本だけが死亡率が低いならば、「日本人の民度の高さ」と言えるかもしれない。しかしすでに多くの人が指摘しているように、東アジア全体が死亡率が低いのである。その理由はまだよくわかっていない。少なくとも日本人の対策がよかったわけではない。事実と麻生氏の結論は結びついていないのだ。
さらに麻生氏は一部の学者が死傷者が増えることを危惧し、強い警告を発していたことをバカにするような発言をしていた。科学的根拠をもとにした警告を愚かだと言い、結果的にうまくいった日本政府の対応を称賛する、日本にはこんな愚かな政治家しかいないのだ。確かに「民度が違う」。
はやく普通レベルの国になりたい。