映画『ニューヨーク親切なロシア料理店』を見ました。DV、格差による貧困、発達障害など現代の社会的な問題を題材に、人と人とのつながりの大切さを描く秀作です。
(あらすじ)
DVに苦しめられている母と子が家を飛び出し、ニューヨーク・マンハッタンに逃げる。無一文の彼女たちはホームレスと同じように、その日暮らしであり、追い詰めらられ、時には盗みなどの犯罪をしながら生活する。そんな時、生きるのが苦手な人たちが集まる心理療法のサークルの人たちと偶然つながりようになり、生きる希望が見えてくる。
監督 ロネ・シェルフィグ
出演 ゾーイ・カザン アンドレア・ライズボロー ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ タハール・ラヒム
行き場のない母子は本当に生きるのに精一杯になり、苦しい状況に追い込まれます。そういう時に、満ち足りている人は助けてくれません。助けてくれるのは苦しみを分かっている人たちです。苦しみのない人生は幸せのように感じられますが、苦しみを経験した人生のほうが人にやさしくなれます。そのやさしさこそが人間にとって必要なものです。人間のよさが描かれている映画です。
社会派映画ですが、その社会的な弱者のつながりによって美しいラブストーリーになっています。とても気持ちのいい終わり方で、心にしみる映画でした。