現在でも上演される作品『シラノドベルジェラック』は1895年に初演されています。その『シラノドベルジェラック』がどのようにして生まれたのかを描いた作品。ドタバタの喜劇的な展開でありながら、最後は感動させてもらえる作品です。演劇と映画が二条構造になっていて共鳴するように感じられる作品で、演劇のよさも味わうこともできます。
監督 アレクシス・ミシャリク
キャスト トマ・ソリベレ オリビエ・グルメ マティルド・セニエ トム・レーブ
最初ストーリー展開が早くついていけない部分があります。誰が誰だかわからないまま置いてけぼりにされながらも必死に食らいついていくとやっと上演のシーンになります。そうなれば、ほぼお決まりのパターンになるので一息つきます。つまり、前半はちょっと厳しい映画でした。
しかし上演にいたってからは、劇の進行に合わせて人々がされに動き始め、それが演劇の進行をさらにおもしろくしていくことになります。三谷幸喜の『ショーマストゴーオン』を思い出させるような展開です。
そしてラストシーンの劇中のリアルな大きな木の下のシーンにいたり、現実と演劇が融合していきます。ドタバタが終わった後に、そのドタバタこそが人生だったと感じられ、大きな感動が訪れます。
『シラノドベルジュラック』はナショナルシアターライブで最近上映されたのですが。地方での上映がなく、コロナの影響で東京に見に行くこともできず、見ることができていません。この映画を見て、ぜひ見てみたいと思いました。なんとかコロナがおさまり、そのころどこかの映画館で見ることができたらなと強く思いました。