映画『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』を見ました。
映画『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』を見ました。私の大好きな映画に『ラスト・ワルツ』があります。この映画は「ザ・バンド」の解散コンサートの記録映画です。すばらしい解散コンサートでした。あのコンサートの裏の事情が分かってくる映画です。ロックの時代の世代の人間にとって、あの時代の意味を知ると言う意味でも貴重なドキュメンタリーでした。
監督はダニエル・ロアーという人ですが、製作総指揮に『ラスト・ワルツ』の監督でもあるスコセッシの名前があり、しかも映画の中でも何度もインタビューで出てきます。おそらくスコセッシが作りたかった映画なのだろうと思います。
「ザ・バンド」が売れ始めた頃から一部のメンバーが麻薬に侵され始めました。そのため関係がうまくいかなくなり。ロビーロバートソンが解散しようとしたという事情が見えてきます。その最後の祭りが「ラスト・ワルツ」コンサートでした。映画ではかつて仲が良く、家族のように暮らしていたメンバーの心が離れていく姿が語られていきます。解散の後は、麻薬に侵されたメンバーは他のメンバーのことを恨みながら早逝します。あの時代のロックスターのせつない生き方が胸をうちます。
ロックはショービジネスとなり、音楽というよりも経済になってしまいます。その中で心を壊していくミュージシャンが多くいました。ロックはグローバル時代の象徴となります。その大きさのために自分を見失うミュージシャンが生まれます。時代に翻弄されてしまうのです。一方では純粋な音楽がゆがんでいく危機を感じるミュージシャンもいました。分裂する音楽界が見えてきます。
これが私が生きた時代でもあり、自分を見つめなおす映画でもありました。