2019年・第32回東京国際映画祭コンペティション部門で最高賞にあたる東京グランプリを受賞した『わたしの叔父さん』を見ました。田舎で暮らすことの困難さと、人の心の純真さを育てる自然の中の生活の美しさを感じる映画でした。
監督 フラレ・ピーダセン
出演 イェデ・スナゴー、ペーダ・ハンセン・テューセン、
オーレ・キャスパセン、トゥーエ・フリスク・ピーダセン
デンマークの農村で幼い頃に両親を亡くし、体の不自由な叔父と2人で暮らす27歳の女性クリスは、家業である酪農の仕事を手伝いながら日々を穏やかに淡々と過ごしている。そんな彼女には、獣医になるという夢があった。ある時、教会で出会った青年マイクからデートに誘われたクリスは、訪れる変化に戸惑いながらも胸のときめきを隠せない。将来の夢と恋に悩むクリスに気付いた叔父は、姪の幸せを静かに後押しする。
人間には夢があり、ほとんどの人が自分の思い通りにいきたいと思っています。しかし残念ながら自分の思い通りに生きようと思っている人はさまざまな障害が出現します。お金の問題、能力の問題、タイミングの問題、さまざまな困難を克服しないとうまくいきません。そしてさらに家族の問題が生じます。今でも介護が必要な家族などがいて、やりたいことがやれないでいる人は多くいます。
それを不幸だと考えるとやりきれなくなります。とは言え、それを肯定的に受け入れることも厳しい。その現実の中に多くの人が生きているのです。この苦しみを昇華していくことができるのかが、人の大きさなのではないか。そんな風に考えてみました
映像では北欧のどんよりと曇った風景が描かれています。私が生まれ育った土地も冬は晴れることがめったになく、ずっと曇っていました。それを思い出しながら様々なことを考えていました。
人間が生きていくうえでの普遍的なテーマかもしれません。