電通はオリンピックの開催によって巨額の利益を得るはずであった。電通は国内の大きなイベントを仕切っており、大きなイベントであれば経験がものを言うので独占的に電通が手掛けることになる。だからオリンピックを仕切れるのは電通しかなく、オリンピックは電通にとってもとてつもなく大きな事業であった。オリンピックの誘致のために電通が様々な無理を行ったという噂が流れるのも、巨大利権なのだという理由によるものであろう。
しかしオリンピックの開催があやしくなってきた。そのために電通は様々なリスク軽減をおこない始めた。そんな電通にとって一番困るのはオリンピックがなくなることである。だからオリンピックを縮小しながらもなんとか開催できるように、様々な無理な方策をとっているように思える。開会式の演出の混乱もそこに端を発しているということは容易に想像できる。
おそらく身近でオリンピックと関わっている人間にとってはおかしなことの連続なのであろう。だから様々なところから内部告発のような不満があふれている。もはやこの混乱は抑えきれない。
それでも電通はやりきるしかないのだろう。オリンピックが開催されなければ自社の存続さえ怪しくなるからだ。
しかし、ここまでいびつな状況になってオリンピックを開催する意義があるのか、そもそもの目的が見えなくなっている。新型コロナウイルスの状況を考えればオリンピックは中止するのが妥当であろう。