木村花さんが亡くなった。私はこの方を知らなかったので、この問題に発言することもおこがましく感じてはいる。しかし若い、しかも意欲にあふれた方が、誹謗中傷によって傷つき、命を失ったことに心を痛めている。ご冥福を心からお祈りしたい。
さてこの出来事についてSNSのひどい書き込みに対する批判が目立つ。その通りである。異論はない。しかし、わたしはそれ以上に、番組の責任が大きいのではないかと思っている。
『テラスハウス』というのは虚実入り混じった番組である。本人が実名で登場し、現実の出来事として進行していく。しかしそこにテレビカメラがあり、しかもテレビ的に展開させていくには演出があるはずだとも考えられる。だからこれを見ている人は、大きく分けて3種類いる。
①本当に事実だと思っている人
②台本があってその通りに演じていると思っている人
③その中間で、台本や演出はあるだろうが、そこに本心も混じっていると思っている人
以上の3種類である
①の本当に事実だと思っている人は、それこそ人間のありえない姿を見せられて、正義心からSNSに投稿してしまうだろう。
②のただの演出だと思っている人は、ドラマに対する書き込みと同じような感覚で投稿してしまうだろう。
③のその中間だと思っている人は、これが新しい形のテレビ番組であり、SNSに投稿することによってこの番組を盛り上げようとするだろう。
もちろん誹謗中傷はあってはならないし、心ない書き込みは絶対にしてはいけない。しかしこの番組はそういうSNSの書き込みを容認していた、というよりもSNSでの盛り上がりを期待していたとしか思えないのだ。
もし番組側がそういう書き込みを想定していなかったと主張するのならば、ひどい書き込みをされた出演者を助けるのは使命であるはずだ。そういう心身のフォローをやっていた形跡はない。
フジテレビや、芸能人はSNS批判に世論を向かわせたいようで、それが一見成功しているようだが、それこそSNSを見てほしい。多くの人は問題の本質に気が付いている。番組の責任を問う声がどんどん大きくなっているのだ。
まずは番組の検証が必要だ。BPOはこの番組を真っ先に検証しなければならない。
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