映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』を見た。日本でも国家の隠ぺいが問題になっているが、アメリカにおいてもひどい隠蔽があることがわかる。権力者の暴走の恐ろしさと、それに対する怒りを感じる映画である。
監督
ケビン・マクドナルド
出演
ジョディ・フォスター、タハール・ラヒム、ザカリー・リーバイ、サーメル・ウスマニ、シャイリーン・ウッドリー、ベネディクト・カンバーバッチ
(あらすじ)
モハメドゥ・ウルド・スラヒの著書「グアンタナモ収容所 地獄からの手記」を題材にして作られた映画。人権弁護士のナンシー・ホランダーとは、モハメドゥという男の弁護を引き受ける。アメリカ同時多発テロに関与した疑いで逮捕された彼は、裁判すら受けられないままグアンタナモ米軍基地に収監されていた。真相を明らかにするべく調査に乗り出すナンシーたちだったが、正義を追求していくうちに国家的な拷問行為があったことが判明してくる。
モリカケ問題など日本においても国家レベルの隠ぺいが問題になっている。権力はその権力の維持のために無理を押し通そうとする。無理は不都合な事実を作り出す。不都合な事実は闇に葬られる。それが現代社会の「常識」となってしまった。
闇を探ろうとする人間は精神を破壊される。誰も何も言わなくなり、権力者はますます横暴な権力を持つ。いやもはやこれは権力ではない。「暴力」である。いま日本の状況をみてみるといたるところに「暴力」がはびこっている。そして庶民が生きるためにはその「暴力」から逃れることしかない。
この映画は逃げていてはいけないという勇気を訴える。すばらしい映画だ。しかしその勇気を奮い起こすということの恐怖を同時に味合わなければならない。つらい映画だ。
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