前回『モーリタニアン 黒塗りの記録』の感想を書いた。権力者が罪なき人を暴力によって追いつめて、冤罪を作り上げる。その冤罪の容疑を晴らそうとすると、権力はさまざまな妨害をして圧力をかける。この力に抵抗するのは心が折れて当たり前だ。
森友問題で文書の改ざんを命じられた赤木さんも同じだっただろう。正しいことを主張したのに権力の圧力が赤木さんにかかってくる。こんな理不尽に耐えられるとすれば、よほど心が強い人間である。普通の人間ならば心が折れる。
そう考えると、『モーリタニアン』のような映画や、赤木さんの報道は、意図とは逆に「権力には逆らうな」ということを伝えてしまっていることになる。権力者の圧力は結局は権力者を擁護するベクトルをつくりあげる。これは権力の本質である。権力とは恐ろしい力なのだ。
この流れが進めば世の中は権力者に寄り添うようにしかならない。いつのまにか権力者の暴走を許すようになる。暴走の行きつく果ては想像したくもない。
批判的にものを見る目はやはり必要である。
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