映画『はりぼて』を見ました。

　富山市議会の政務活動費の不正を追及する地方テレビ局の活躍と、市議会議員の情けない姿を描くドキュメンタリー映画『はりぼて』を見ました。日本の村社会的な部分の悪い面が見えてくる映画です。

監督　五百旗頭幸男 砂沢智史

（あらすじ）

　富山県の地方テレビ局チューリップテレビのスクープ報道により、富山市議会の自民党重鎮の不正が発覚する。これをきっかけとして議員たちの不正が次々と判明し、14人もの議員が辞職する事態に発展する。富山市議会はその反省をもとに厳しい条例を制定するが、しばらくすると、不正が発覚しても辞職しないものも出てくる。そんな議員たちを取材し、政治家の非常識な姿や滑稽さを目の当たりにしていく記者たちだったが、なんらかの圧力があったのかは定かではないがひとりは移動となり、ひとりは退職する。

　このふたりの監督はチューリップテレビの追求チームだったふたりです。この映画の製作はチューリップテレビなので、テレビ局としてもふたりの功績をたたえているのだと思います。ただしこれ以上の追求は生産的ではないと判断したのだと思います。

　日本はもともと村社会です。特に地方ではいまだにそれは露骨にあります。「偉」い人が「偉」く、権力をほしいままにします。逆らう人間は消されるのです。本当にどうしようもない。「村社会」の「村長」さんが立派な人ならばいいのですが、多くの場合、「無能」な人が多い。「無能」だからこそ権力が必要なのだと思います。

　地方が過疎に苦しむ理由のひとつはそこにあります。こんなおろかな「村」にいたくないのです。

　「村社会」の醜さをえぐる名作です。