前回大学に授業料が他国と比較して高いことを述べた。ではどうすればいいか。私見を述べる。
まずは大学の授業料の問題と、少子化の問題を別の問題として分ける必要がある。これを一緒くたに考えると混乱が生じる。
では大学の授業料をどうすべきか。もちろん下げる必要がある。できれば今の三分の二ぐらいの授業料にしたい。もちろんそのための予算は国の予算からの支出なので、はじめから大学に行くつもりのない家庭からの反発があることは予想される。しかし知識は国の財産である。その財産を育てることに国家予算を使う事は悪いことではない。特に科学技術の発展のためには絶対に必要である。つけ刃的な減税よりも未来への投資を優先するほうが望ましいのだ。
なお、この授業料の減額については様々な方法があろう。今思いつくのは、卒業したら返済の必要のない奨学金の形がいいのではないかということだ。外国籍の学生に国の予算を使う必要はないし、卒業できなかった学生は返してもらうのが筋だからだ。
では少子化対策としてはどうすべきか。これはさらに子供の数に応じて奨学金を上乗せして支給することになろう。
ただし少子化対策については勘違いしてはいけないことがある。人間にはお金を価値と考える人と、家族を価値と考える人がいる。これは相対的なものであり、きっちりと二つにわけるわけにはいかないが、家族の価値を優先する家庭ではたくさん子供を持つ傾向が高いと考えられる。もちろんそういう家庭は、子どもを大学に進学させようという気持ちはあまりない。「貧しいけれども楽しい我が家」なのである。
現在の少子化は先進国の共通したテーマであり、それは資本主義の当然の結果と考えるべきなのである。資本主義の当然の結果である少子化のためにお金で解決するとなれば、家族の価値を優先する家庭の価値観を無視することにもなってしまう。もちろん少子化対策として子どもの数に応じて補助金を与えるのは悪いことではない。しかし、それを大学進学へと結びつける考え方はおかしいのだ。
最初に申し上げたことを繰り返すが、大学の授業料の問題と、少子化の問題は別次元の問題である。政権の宣伝のように目立つ見出しをつけるような政策にしてはいけない。
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