ミュージカル映画『シラノ』を見ました。演劇的な要素が強く映画化がむずかしいのではないかとも思われる作品ですが、ミュージカル舞台を映画化することによって、不自然さが逆に効果的な作品になっていました。感動的な映画です。
監督 ジョー・ライト
出演 ピーター・ディンクレイジ ヘイリー・ベネット ケルビン・ハリソン・Jr.
ミュージカル映画だということもあり、登場人物は戯画化され特徴が強調されています。しかしこれは悪いことではありません。逆に効果的に人物が象徴的に描かれています。不自然さが自然に感じられるのです。ミュージカル映画の特徴をうまく利用して、不自然を自然に感じさせてくれます。見事です。
映像も室内のシーン、屋外のシーン、戦場のシーンなど、それぞれが効果的です。最後の修道院の格調ある崇高な舞台は、感動的なラストシーンを見事に演出しています。
役者もいい。シラノ役のピーター・ディンクレイジは、プライドはあるが、自信が持てない男を見事に描いている。もちろん自身が持てないのはコンプレックスからであり、その心理的な葛藤を表情で描くことができています。
「シラノ・ド・ベルジュラク」の演劇は見たいと思いながら見ることができていませんでした。今回ミュージカル映画として見ることができ、改めて演劇を見てみたいと思いました。
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