とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

書評『逆転した日本史』(河合敦著)

2018-12-01 08:47:24 | どう思いますか
 軽い内容の本であるが、歴史について考えさせられる本である。教科書に載っていたような内容でも、近年の研究で変化していくということを気づかせてくれる。そもそも歴史というのは何なのかわからなくなるのだ。

 歴史は近代化へのストーリーという視点で書かれているものがほとんどである。だから中央中心の記述がなされ、地方は無視される。しかし本当にそうなのだろうか。たくさんの出来事があった中で、「近代化」というイデオロギーに都合のいいものばかりを集めて並べた結果、そう見えるようにしているだけなのではなかろうか。さまざまな出来事が「歴史」という枠に都合が悪いのではずされていく。そして本来大切なものが忘れられる。「近代化」という共同幻想に洗脳されて、「グローバル化」という夢しか見させてもらえなくなっている。それが今、私たちが学んでいる「歴史」なのだ。本来みんな人間はもっと多様であったはずだ。庶民の視点から歴史をとらえなおしてみたいと感じさせられた。

 私の生まれ故郷は山形県の庄内である。その庄内地方のこともたくさん取り上げている。現在忘却の対象となっている「庄内」が実はたくさん意味のあることをしているという視点を得たことは、とてもうれしい。

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