第75回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した映画『帰れない山』を見ました。親と子、友人、恋人などさまざまな身近な人が「自分」を形成していき、そうしてできた「自分」が「自分」を見つけて生きていくことが描かれます。人生の意味を考えさせられる名作でした。
主人公のピエトロは夏の間、山に行きます。そこで村の少年ブルーノと出会い親友になります。ピエトロの父のジョヴァンニはピエトロと登山を教えます。ある時、ジョヴァンニはピエトロとブルーノを泊りがけで氷河へのトレッキングに連れていきます。しかしピエトロが途中で高山病にかかってしまい下山しなければならなくなります。序盤に描かれるこの場面は印象に残ります。
山の生活は厳しい。厳しい自然の中で時には命の危険にさらされる時もあります。しかし都会の生活のような人間関係のストレスはありません。静かに生きていくことができます。自分を見つめ、自分らしい生き方ができます。
登場人物は山のすばらしさと危なさに直面しながら、静かに年を重ねていきます。もちろんいいこともあれば、つらいこともあります。悲しいこともあります。そこには人生の意味があふれています。
この映画には人間が生きることの意味があふれています。すばらしい映画でした。
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