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「源氏物語を読む」シリーズの26回目、「常夏」です。自分の備忘録として書き残しておきます。
この帖の主役は近江の君です。盛夏の六条院で、釣殿で涼んでいた源氏は夕霧を訪ねてきた内大臣家の子息たちに、内大臣が最近新しく迎えた近江の君のことを尋ねます。内大臣は娘の玉鬘を探していたのですが、娘は見つからず、近江の君が見つかりました。
玉鬘は今、源氏に世話になっており、内大臣はその子を源氏の隠し子かなんかだと考えているように伺われます。作者は玉鬘と近江の君を比べることで、源氏と内大臣の格差を表現しているように感じられます。
玉鬘は、いつになったら実父に会えるのか思い悩ますが、そんな思いとはまったく関係なく、悩んでいる玉鬘を見て、源氏はますます玉鬘に魅かれて行きます。ホントにとんでもない奴です。
玉鬘十帖はこんな感じて源氏も含めて喜劇的に描かれているような気もします。
内大臣はあまりに姫君らしくない近江の君をどうしたらいいのか思案します。そこで長女弘徽殿女御の元で行儀見習いをさせることにするのですが、どうも間の抜けたような対応しかできません。女御へ贈った文も和歌も支離滅裂な出来で、女房たちの笑いものになってしまいます。
本筋とは関係ない小話のような章段です。やっぱりスピンオフの気分が満ちているように感じます。
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