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私の生まれ故郷である山形県の庄内地方で撮影された『アイアムまきもと』を見ました。少なくとも山形県では話題になっている映画だったのですが、私自身はどういう映画かまったくの予備知識のないまま見に行きました。感動的な作品でした。
家族に看取られて死ぬのは幸福なことです。しかし多くの人はそうはいきません。ひとりで死んでいく人がたくさんいます。特に現在の社会状況ではそれが当たり前のようにも思われます。
一人で死んでいく人を火葬してあげるのが、牧本の仕事なのでしょう。市役所の職員としてはそれで充分です。しかし、牧本はそれ以上のことをしてしまいます。家族を探し、さらには葬式を自費で行います。ありえないといえばありえない話なのですが、一人で生きる牧本の日常を見ていると、そのありえないこともリアリティがあります。
牧本のやることはほとんど無意味に終わります。しかし最後に牧本の扱った死体に関しては、牧本の努力が実り、多くの人が葬式に参列します。
同時に牧本も不意の事故で命を失います。牧本を見送るのは仕事で知り合った刑事ひとりです。しかし、実は牧本が見送った多くの死者たちが牧本を見送っていたのです。このシーンは感動的です。
ラストシーンは印象にのこります。生きている人と死んだ人が高台の墓地で交錯します。生と死が昇華していくような映像です。見事でした。生きることと死ぬことを見つめる名作でした。
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