
[構成・演出]三谷幸喜
[出演]戸田恵子
[音楽監督]荻野清子
ジュディ・ガーランドの生涯を描く演劇であるが、戸田恵子が演じるのは、ジュディの代役であり、最後は付き人としてジュディに寄り添った、ジュディ・シルバーマンである。ジュディ・シルバーマンの目を通してジュディ・ガーランドの姿を批判的に描いていく。
しかしもちろんジュディ・シルバーマンは三谷幸喜の創作である。最初のオーディションで合格したジュディ・ガーランドと落ちてしまったジュディ・シルバーマン。ジュディ・ガーランドはもしかしたらジュディ・シルバーマンのような人生を歩んだかもしれない。だからふたりはひとりの人物の別の人生なのだ。だからふたりは憎しみあっても離れることはできない。自分のことをいくら嫌いになっても、自分を好きにならなければ生きていけないのと同じである。
小品ではあるが、人間の真実を描いている作品である。日頃演劇などを見ない人を誘うにはよさそうな素敵な作品であった。
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