
時間のゆっくりとすすむ山の中の家に住む、文明を拒否した父と娘の姿を淡々と描く作品である。今の生活を大切に思いながら、やはり文明を求める娘の葛藤が静かに描写する。できるだけ説明を抑え、象徴的な映像で心に届けようとする監督の意欲に感心する。
ジョージアの作品。ジョージアは少し前までは日本ではグルジアと呼んでいた国。ソ連時代はソ連に加わっていたが、ソ連崩壊後は独立国家として歩み始め、現在はロシアと仲が悪いらしい。どういう国なのか気になる。
タルコフスキーに似ているという評もあるが、タルコフスキーの幻想性はない。私にはかなり違うように思われた。タルコフスキーが広がる映画だとすれば、この映画はゆっくりと溶けていく映画に感じられた。
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