トランスジェンダーの主人公が、バレリーナを目指して葛藤や苦悩を乗り越えながら夢を追いかける姿を描いたドラマ。見るべき映画である。
主演のビクトール・ポルスターは実際にトランスジェンダーのバレリーナのようである。そのためドキュメンタリー的である。トランスジェンダーの苦しみがストレートに伝わってくる。トランスジェンダーの苦しみは特殊なものではない、人間誰もが持っている苦しみなのだ。だからこそ逆に自分の苦しみが理解されないときに、ノーマルよりも苦しまなければいけないのだということもわかる。偏見的な差別をなくすためにも見るべき映画である。
余計な説明を廃除しながら、映像によって心の動きが描かれる。押しつけがましさがない。だから観客はさまざまなことを想像しながら見ることになる。淡々と進む映像に対して、見るものの心は複雑な網の目を形成していく。まだ20代の若い監督であるが、すばらしい演出である。
監督:ルーカス・ドン
キャスト:ビクトール・ポルスター
アリエ・ワルトアルテ
オリバー・ボダル
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