とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

NTLIVE『ロミオとジュリエット』を見ました。

2022-08-09 15:57:00 | 映画
 NTLIVE『ロミオとジュリエット』を見ました。きちんと「ロミオとジュリエット」を見たことがなかったのですが、近代の演劇の原点がここにあるという作品でした。

 NTLIVEというのはイギリスの国立劇場ロイヤル・ナショナル・シアターの傑作舞台を厳選して映像化し、映画館のスクリーンで上映する「ナショナル・シアター・ライブ」のことです。この作品はコロナ禍であったために、舞台で上演したものではなく、初めから映像として作ったものです。ですからシーンごとに撮影されていますので、本来ならば生の緊迫感はないのだと思います。しかし逆に役者の表情やしぐさをはっきりとカメラがとらえるので、逆に緊迫感を覚える作品となっていました。

 「ロミオとジュリエット」のストーリーには無理があり、リアリティを感じなかったのですが、役者の演技こそがリアリティであり、すべてを受け入れてしまいました。やはりイギリスの演劇の伝統はすばらしい。

 演出はサイモン・ゴドウィン。この人が岡田将生、黒木華主演で『ハムレット』を演出したのを見たことがあります。これも見事でした。やはり演出家の力というのはすごいと改めて感じました。
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映画『エルヴィス』を見ました。

2022-08-05 07:50:07 | 映画
 地元の映画館の公開最終日にやっと映画『エルヴィス』を見ました。スターになる光と影が描かれる映画です。

 映画『エルビス』を見ました。は私の一世代前のスターで、あまり印象にありません。少し太めの派手な衣装を着たおじさんというイメージしかなかったというのが正直なところです。しかしこの映画を見ると彼が時代の寵児であったこことがわかります。

 当時の保守的なアメリカに革新的なスターが突如現れ、彼は賛否の的になりました。純粋に歌が好きで、目立ちたがり屋で、一方では神経質なエルビスが、時代に翻弄されていく様がよくわかります。

 エルビスがロックを受けいれる土壌を無理矢理アメリカに作り上げたおかげで、今のアメリカの音楽文化があります。またラスベガスの巨大ホテルのショーというひとつのショービジネスも作り上げました。確かに彼はアメリカそのものだったのです。

 人種差別や保守主義、一方では商業主義やメディア操作など今、私たちが直面している問題の根本を見るような映画でした。
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映画『エルヴィス』を見ました。

2022-08-05 07:50:07 | 映画
 地元の映画館の公開最終日にやっと映画『エルヴィス』を見ました。スターになる光と影が描かれる映画です。

 映画『エルビス』を見ました。は私の一世代前のスターで、あまり印象にありません。少し太めの派手な衣装を着たおじさんというイメージしかなかったというのが正直なところです。しかしこの映画を見ると彼が時代の寵児であったこことがわかります。

 当時の保守的なアメリカに革新的なスターが突如現れ、彼は賛否の的になりました。純粋に歌が好きで、目立ちたがり屋で、一方では神経質なエルビスが、時代に翻弄されていく様がよくわかります。

 エルビスがロックを受けいれる土壌を無理矢理アメリカに作り上げたおかげで、今のアメリカの音楽文化があります。またラスベガスの巨大ホテルのショーというひとつのショービジネスも作り上げました。確かに彼はアメリカそのものだったのです。

 人種差別や保守主義、一方では商業主義やメディア操作など今、私たちが直面している問題の根本を見るような映画でした。
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金子夏樹著『リベラルを潰せ』を読みました。

2022-08-03 08:03:50 | 読書
 金子夏樹著『リベラルを潰せ』を読みました。最近保守主義の力が強くなっています。そしてその保守勢力の力を利用して、反リベラル的な出来事が次々に起こっています。ロシアのウクライナ侵攻、アメリカの最高裁の妊娠中絶を認めないとの判断、日本における統一教会と政治家の癒着などです。この本では今、世界で起きている様々な問題に同じ背景があるということが分かります。

 世界中が保守化しているという感覚は多くの人にあると思います。ロシアや中国は独裁化しており、民主的だと思われてきたアメリカでさえトランプが大統領になり、保守的な政策を進めていました。日本においても安倍晋三政権は保守色の強い政権でした。東南アジアやアフリカの国々も民主化の方向へは進まず、逆にロシアや中国の支援を受け、保守的な独裁的になってきているように見えます。ヨーロッパの国々でさえ、保守的な勢力が強くなってきています。これらの背景には、世界的な保守ネットワークが形成されているということがあるというのです。

 保守勢力の台頭にはキリスト教系の古い伝統を守る勢力が関わっています。日本においてはキリスト教よりも、神道が強い影響力を持っているようです。つまり「日本会議」です。

 リベラルな方向に世界が向かうと思っていたら、反動的な保守勢力が力を持ち始めた。その理由は考えなければいけないことです。ただしその保守勢力の力を味方につけることによって権力を強固にしようという政治家が目立ってきているのは確かだと思われます。

 保守とリベラル。この対立についてしっかりと考えていくことも必要なことだと思いました。
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映画『オフィサー・アンド・スパイ』を見ました。

2022-08-01 05:00:51 | 映画
 ロマン・ポランスキー監督作品『オフィサー・アンド・スパイ』を見ました。正義を貫くことの難しさと大切さを伝える佳作です。

 この映画は「ドレフュス事件」を描いています。「ドレフュス事件」は世界史で勉強したことがあり、名前だけは覚えていたのですが、実際はどういうものか全然わかっていませんでした。「ドレフュス事件」とは、1894年にフランスで起きた、当時フランス陸軍参謀本部の大尉であったユダヤ人のアルフレド・ドレフュスがスパイ容疑で逮捕された冤罪事件です。ドレフュスが無罪であることに気づき、しかもそれが軍によって作り上げられた冤罪であったことに気づいたジョルジュ・ピカール大佐が、正義のために冤罪を晴らそうとしたことを描いています。

 権力がうそを隠し、それを暴こうとしても嘘に嘘を重ねて権力を守ろうとする姿は現代においても同じです。腐敗した権力の醜さに辟易します。そんな腐敗した権力に対して戦いを挑むことは難しいことです。勝てないかもしれないことを承知で自分を犠牲にして戦うことなど「賢い」人間はしません。それでも戦う必要があることをこの映画は教えてくれます。

 さて、この映画を見て別のことも考えていました。この映画は今から120年前の話です。今から120年前、まだ自動車はなかったのです。そしてフランスでは「決闘」がまだ残っていたのです。昔は120年前と聞くと大昔のように感じていたのですが、今は自分の年齢の倍ぐらいしかないという感覚になっています。100年の変化は、社会の現象面では大きいが、人間の意識の面ではほとんど変わっていないのだと感じられます。

 人類は100年や1000年でそんなに変わっているわけではなさそうです。だからこそ人間の守らなければならない大切なことを意識していかなければならないのだと思います。
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