今回はバンコク大学付属東南アジア陶磁博物館の鉄絵花唐草文盤を紹介する。一般的にサンカンペーンの青磁盤の文様は、余白を多く残すのが通例であるが、当該盤は見込みに多用される草花文を配し、カベットには唐草文を巡らす繁辱なまでの絵付けが施されている。

(鉄絵花唐草文盤 口径:26.7cm 盤高:5.5cm)
このように器面を覆い尽くす鉄絵文様は、サンカンペーンにおいては数は少なく貴重である。また筆の運びには澱みがなく、相当の腕前であったろうと想定される。似たような盤を福岡美術館が所蔵している。