世界の街角

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チェディールアン寺のサオインターキン祭り

2015-05-21 09:30:06 | チェンマイ

 2015年は5月14日から21日まで、ワット・チェディールアンでサオインターキン祭りが開催されていると云う。20日に出かけてみた。寺院の周辺は多くの屋台が並び、沢山の人出の声と音曲で騒音に近い騒ぎである。

 下写真の左は、サオインターキン(国の御柱)を納める御堂である。その周囲は旗竿等々の飾りつけが並ぶ。

 御堂のサオインターキンの周囲には、写真のように多くの花々が奉納され、御柱の基壇が隠れてしまっている。これほどの花々が奉納されるのは、数万人の人々の為せる結果であろう。


 チェンマイ旧市街を取り囲む堀と城壁は、1296年ランナー王朝の初代メンライ王により、約2km四方の正方形に近い形で建設された。
 メンライ王が正方形にした理由は、仏教の宇宙観に答えを見出すと云うことである。その宇宙観とは”スメール山(須弥山)が宇宙の中心にあり、9つの惑星がその周りを回っている”と云うもので、北タイの人々はその現象を『タクサムアング』と名付けた。
 ランナー朝の人々は、都城の9つの方角全てに固有の惑星があると考えていた。その惑星とは太陽、月、火星、水星、木星、金星、土星、天王星(羅ゴウ星)、海王星(計都星)の9星で、海王星を真ん中にして、その他の8惑星がその周りを回り、その現象が国や人々に影響を及ぼすというものである。
 それは人々の暮らしや運不運を左右し、疫病を引き起こす原因になると信じられていた。もし都に伝染病が蔓延したり、戦争が起こった場合は、都は悪い星に左右されているとみなされた。そのため、全ての国民が1年に1度、都の安泰を祈って国の柱『インターキンの御柱』に布施をする行事、『スーブチャター(通称:カオインターキン)』を行っている。スーブチャターは、翌年の国の趨勢を占うためのものであった。

 つまり、5月20日に行ってみたサオインターキン祭りは、このスーブチャターであった。果たして来年の趨勢はどうであったろうか?