我が出雲国にも山ノ神が鎮座している。出雲国大草郷(さくさのさと:現・松江市佐草町)西側の旧街道沿いにあった山ノ神が、明治の頃八重垣神社境内に遷され末社として祀られている。
八重垣神社の由緒によれば、素戔嗚命が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治し、稲田姫を娶り大草郷に宮居を定めたのが、八重垣神社である。本殿は出雲に多い大社造りである。その噺は別の機会に譲るとして、今回は冒頭に記した山ノ神を紹介する。
鳥居の古様を示すであろう左右の柱に竹が横たわり、そこに注連縄が張ってある。祠の向かって右脇には「山神神社」とあり、向かって左手前には男根柱が立っている。これも山ノ神の依代に他ならない。
素戔嗚尊と稲田姫を祀っており、古くから夫婦和合・縁結びの神として信仰され、そこに同じ目的として山ノ神が祀られたものと考えられる。日本古来のアニミズムである。
<了>
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