世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

キトラ古墳&四神館(2)

2020-08-23 06:34:23 | 博物館・奈良県

<続き>

暫く中断していたが再開する。本物は見学できず、代わりに忠実な模写を見学した。また、それなりのパンフレットを入手することができる。

石室の様子が再現されており、それなりの見どころである。

『原始の力みなぎる装飾古墳』、『洗練された技の壁画古墳』とある。弥生の墳丘墓や古墳は、大陸から朝鮮半島を経由して日本列島へ伝播した。高松塚やキトラ古墳の壁画は、まさに洗練され高句麗壁画に劣るものではない。ところが装飾古墳である。プリミティブとは云わないが、壁画古墳のそれと大きく異なる。まるで異なる民族の仕業にも見える。装飾古墳はマレー系民族が、朝鮮半島南部を経由して日本列島に持ち込んだとの珍説も存在する。スマトラの先史時代の装飾古墳の文様との類似性からの説と思われるが、そのような珍説が飛び出すのも、朝鮮半島から装飾古墳の先例を見ないがためによる・・・と記したが、未発見であろうか? いずれにしても、装飾古墳の源流が朝鮮半島との根拠を寡聞にして知らない。

獣頭人身像は武人の姿で朝鮮半島に存在する。彼の地を経由して日本列島に伝播したものである。ところがこれに似た陶塼が遥か南のミャンマー陶磁に存在する。それが十二支神将に該当するかどうかは、明確な見解はいまだ出せそうにないが、古代中国の影響であろう。

<続く>

 


最近みたオークション出品の東南アジア古陶磁・#19

2020-08-21 09:19:02 | 東南アジア陶磁

最近写真のサンカンペーン褐釉印花双魚文盤が出品されていた。褐釉は黒褐釉に近い発色をしている。印花双魚文はポピュラーで、当該ブロガーも全く同じ文様の盤を保有している。

黒褐釉の成分分析をすると面白うそうだが、過去から何度も記載しているように物欲が衰え、入札参加をあきらめた。ところが1,900円で落札されたようだ。チェンマイの骨董商ではいくら安くても1万バーツは下らない。

日本人でタイ古陶磁を精力的に収集していた世代が存在する。現在年齢で85才以上の方々である。著名なコレクションは各地の博物館や美術館に寄贈されたが、少量コレクターの品々が当該事例のように出回っていることになる。

個人的には、面白みもあり3万円程度までなら応札してもと考えていたが、物欲減退で遠慮した。1,900円で落札された方は随分お得であったことになる。

<了>

 


皆美館の鯛めし

2020-08-20 07:59:07 | グルメ

皆美館については過去、『出雲国風土記の世界を旅する(弐)』で紹介した。元来老舗の旅館業であるが、食事も提供する料亭旅館で、それこそ出雲国では名を売っている。

秘伝・鯛めしなるものが提供されている。通常、鯛めしとは鯛の刺身にワサビ等の香辛料とともに茶漬けにするのだが、ここ皆美館では鯛・卵の黄身・卵の白身のソボロにワサビ・薬味と共に出汁をかけて茶漬けにして食す独特の食べ方である。

写真中央列右端が、鯛・黄身・白身のソボロである。これを下写真のようにご飯の上に載せて出汁をかける。

写真左の黒松は150年前だったか?・・・に盆栽から移植したとのこと。そんな感じがしないでもない。

場所は、宍道湖に近い大橋川の北岸。足立美術館ほどではないが、それなりの日本庭園である。コロナ対策はそれなりに施されている。松江訪問の際にはお立ち寄りを。

了>

 


出雲国風土記の世界(五)

2020-08-19 07:02:12 | 出雲國風土記

<続き>

過去の記事は、コチラを参照願いたい。

今回は、その他の出雲族神として表示している阿遅鋤高日子根命の足跡を追ってみる。

大国主の御子神として阿遅鋤高日子根命は、事代主命や建御名方命ほどの著名さはないが、記紀や風土記にはそれなりに顔を出している。葛城の鴨氏の祖神に相応しい伝承を伝えていることになる。今回はここまでにしておく。

 

<続く>