真佐美 ジュン

昭和40年代、手塚治虫先生との思い出「http://mcsammy.fc2web.com」の制作メモ&「日々の日誌」

ふしぎなメルモ 16話

2007年02月13日 11時42分44秒 | ふしぎなメルモ
16話 「ぼくは人間だ!! 」
 学校へ通うメルモのあとを、かえるのトトオがついていく、危ないから家に帰るように言い聞かせるが、なかなか言うことを聞かない。

 メルモの体育の時間、音楽教室を覗いている、かえるのトトオに気がつく。

(挿入歌に 「雀はチュンチュン チュンチュクチュン ひごいはパクパク パックリコ」と児童憲章が制定されたのを記念して作られた、「歌の町」作詞 勝 承夫さん 作曲小村 三千三さんが使った。イメージは、http://www.tei3roh.com/utanomachi.htmなどで聞くことができる)

 どうしても学校へ通いたいトトオに、メルモは校長先生と、直談判をする。
校長先生には蛙にしか見えないトトオだが、メルモノ熱意に負け、ほかの先生たちの見守る中で、トトオにテストをすることになる。

 一人の先生が字を書けるか尋ねると、トトオは重い筆を持って、自分の名前を書く、手塚先生は積み木で何かを作れるかと尋ねる、トトオはいろんなかたちを、積み木で作った。校医の先生は、トトオを診察し心臓の音が人のものに近いと診断する。

 そんな時校長先生の奥さんが結婚記念日を祝うため学校へ来た、用務員にダイアの指輪を見せびらかすが気が付か無いふりをされる。

生徒が飼っていたヘビが逃げ、騒動がおきて、逃げるトトオが奥さんと、池に落ちてしまう、池の水を抜いて、奥さんを助けるが、ダイヤの指輪をなくしてしまう。
 家で、かえるは、どんな方法でもキャンディを食べることができないとワレガラスが説明する。
(前の話でトトオが風邪をひいた時に、ワレガラスが、うんと苦い薬を出しておくから、のせりふがあるが、矛盾しているのは、愛嬌)
 
 トトオは自殺すると、家出する。死に切れないうちに、トトオは下水へ落ちてしまう。そこで流れ込んできた下水から、ダイアの指輪を発見する。


結婚記念にレストランでパーティーをする校長と、奥さん、レストランの料理にイチャモンをつけ、料理長を起こらせる。料理長は、頭にきて、裏のどぶ川で食材を探す。
トトオは捕まって、かえる料理にされてしまう。

メルモはねこに変身して、トトオを探した。ねずみにかえるがコック長に捕まったと聞きレストランへ向かう。

ワレガラスはトトオを元にかえす方法がわかったと、メルモを探し、パーティー会場でメルモと会う。

料理のなべの中で、トトオが持っていたキャンディが溶け出して気化する。それをすったトトオは人間に戻り、人間になれたと大騒ぎ、校長の奥さんは、なべの中から、無くしたダイアの指輪を発見した。

 そろそろトトオを人間の姿に戻そうと考えた、手塚先生は、シナリオの辻先生と打ち合わせして、このような話にした、設定が、はっきりとは、把握していないので、おかしなところも出てしまったが、修正する暇など到底無かった。

出演メルモ、トトオ、タッチ、ワレガラス、手塚先生、校長先生、その奥さん、テストをする教師の先生、校医、用務員、生徒の男の子A,B、交番のおまわりさん(前回のおまわりさんとは違う)、レストランのボーイ、シェフ、料理長

声優さん 原田一夫さん、沼波輝江さん、野本礼三さん、伊藤克さん、志摩司さん、福原幸一さん、吉見佑子ちゃん、本多晋さん、山本嘉子さん

作画監督は山本繁さん、作画タマプロダクション、スタジオジョーク、スタジオテイク、
仕上げ大石洋子さん、宮本雅子さん 木のプロ、スタジオビック、など

進行が芝野達弥君でした。
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ふしぎなメルモ 15話

2007年02月12日 13時06分38秒 | ふしぎなメルモ
第15話 「メルモと魔術師」
お使いに行くメルモ、神様たちは、そんなメルモが簡単にキャンディを使うことを懸念している。

 町に魔術師ミステリアス・サスペンスが来ていた、メルモは犬に追われ、魔術ショーの会場へ入らせられてしまう。そして、魔術の箱へいれられ、くもの巣だらけの地下へ落とされる。(手品なのだから、これをいんちきというにはムリがあるように思うが、子供心には、いんちきと思うということで)怒ったメルモは、キャンディを利用して動物に変身、逆に魔術師を驚かせてしまう。

 そんな様子を見ていた神様は、キャンディの力をなくしてしまおうという、そんな時、知恵の輪の神様の運命の知恵の輪がはずれ、夢で、メルモに、警告してあげることになる。

 魔術師ミステリアス・サスペンスは、メルモに何か秘密があると疑う、飼い犬ドルと協力してタッチを拉致、交換に秘密を教えるようにと迫った。

 メルモは、夢で、警告されたにもかかわらず、タッチを救うため、犬の姿に変身してタッチを救い出した。元の姿に戻ろうとしたメルモだが、キャンディを食べても元に戻れないことに驚き、夢の忠告が、本当であったことに始めて気がつく。

 元に戻れなくなったメルモは、犬の姿のまま弟たちの世話をする。

そんなようすを見ていた神様たち、白ヒゲと、知恵の輪の神様は、そんなにメルモが、キャンディを悪用したか、ビデオでもう一度、見てみようと黒ヒゲの神様にいう。

 (このころ、手塚先生は、ソニーから発売になった、ビデオテープレコーダーを、カメラと合わせて、お買いになり、専用のロッカーにしまわれてあった。
それまでも相撲の中継などで、ビデオテープで、もう一度、などという言葉が、流行っていた、これらの影響があったと思われた)

 再現シーンでは、1話の暴走族男を救うシーンを使用、2話の鷲から小鳥を救うシーンや、ブラ子のシーン 3話からは、毛虫が蝶になるシーンなどを使用して、回想シーンを再現した。

(制作班の事情としては、スケジュールを何とかしたいと考えていた。1話、2話、3話、のライブを使うことで、秒数を埋めることが出来、結果、スケジュールと予算が、助かる、ためであった。
また、このシーンには、オープニングの曲の2番までを聞かせる、とういサービスをした。)

 ビデオを見終わり、白ヒゲの神様は、「何も悪いことには使っていないのだから助けたい」というが、黒ヒゲの神様は、「規則だ」と許そうとはししてくれなかった、あとは「知恵の輪がはずれるだけ、」というが、知恵の輪の神様は、知恵の輪が、はずれないことに苛立ち、知恵の輪を投げ捨ててしまう。

 それを拾い上げた、黒ヒゲの神様は、知恵の輪を見つめる、その神様の目が光った。「神の道具をおろそかにしてはいけません、」と知恵の輪の神様に知恵の輪を返してやった。受け取った知恵の輪の神様が、これがはずれればな、といって受け取り、確認すると知恵の輪がはずれている。

 ワレガラス、先生が、キャンディのビンを犬のメルモのところへ持ってくる、もう一度飲んでみるように、メルモに言う、キャンディを食べたメルモは元に戻れる、裸のまま喜ぶメルモ、そのワレガラス先生は、何も覚えていないという。

 この話も多くのカットを絵なしのままで、アフレコをした、またリテークもする時間がなかった。だから口とせりふが、あっていないカットが、たくさんできてしまったし、また犬の喧嘩シーンの効果音も入れられなかった。
 将来アフレコにあわせてなおそうと、手塚先生とは、話していたのだが、

 そういえば一話のときもそうであったのだが、神様たちのネクタイが、手塚先生のアイディアで、きらきらと、させているのだが、余り気がついた人がいなかったみたいであった。

出演 メルモ、トトオ、タッチ、ワレガラス、白いひげの神様、黒いひげの神様、知恵の輪の神様、魔術師、ミステリアス・サスペンス、その飼い犬ドル、交番のおまわりさん。
声の出演 原田一夫さん、野本礼三さん、吉見佑子さん、大塚周夫さん、江角英明さん
作画監督山本繁さん、作画タマプロダクションとスタジオジョークなど
仕上げ大石洋子さん、宮本雅子さん、木のプロ、スタジオビックなど
演出大貫信夫さん
そして進行が片山秀夫さんでした。
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ふしぎなメルモ 14話

2007年02月11日 01時11分51秒 | ふしぎなメルモ
 お正月なので、メルモたちは広場で、凧揚げをしようとする、風がなくマンションの屋上からなら上がるのではと、マンションの屋上へたこを揚げにいこうとしたが、マンションの住人マル子に、子供は汚すからと怒られてしまう。

 そこでメルモは青いキャンディを食べて大人になり、タッチにも青いキャンディーを食べさせたが、そのときタッチは、青いキャンディを取ってしまっていた。メルモとトトオはマンションの屋上で凧揚げを楽しんでいた。
 その様子を見ていた姉弟はメルモたちに提案を持ちかけた。そのときタッチは弟シンキチにキャンディをあげてしまう。

 メルモはその姉弟にしばらくの間部屋を留守にするので留守番してくれないかと頼まれ、高級マンションに住めることを喜んだメルモたちは、早速引っ越した。

 隣の部屋にはカメラマンのヨシヒコと妻マル子が住んでいた。
メルモに部屋を貸した姉弟は実はスリで、外には二人の刑事がメルモの部屋を見張っていた。

部屋の中でタッチが不審な箱を見つけた、メルモが調べていると、からの財布が隠されていて、たくさん出てきた。
それを知った二人の刑事は、捕まえに来たがメルモたちは、エレベーターで逃げ出した。刑事たちは先回りして、1階エレベーター前で待ち構えたが、エレベーターから降りてきたのは、子供のメルモと赤ちゃんのタッチだった。

 その頃スリの姉弟は、駅にいたが、タッチから貰った青いキャンディを姉にあげた。それを食べた姉は、おばあさんになってしまい、そのふしぎな事件がテレビのニュースで、取り上げられた。
 そのニュースを見た、メルモは、病院に様子を見に行くが、入り口で看護婦に子供はだめと言われ、大人になって病室へ行く、そこにはマンションとなり部屋のヨシヒコがカメラ取材に来ていた。メルモはスリの弟シンキチに見つかり追いかけられる、逃げるメルモは、ヨシヒコにぶつかる。追いかけてきたシンキチが、切りつけようとするがヨシヒコのフラッシュに目がくらみ、シンキチは階段から落ちて伸びてしまう。姉のチャ子はおばあさんで動きが取れない。ヨシヒコは迫力ある写真を撮ることができた。そしてヨシヒコとマル子夫婦は仲直りをした。メルモたちは、家でワレガラスとお餅を焼いていた。

出演 メルモ、トトオ、タッチ、ワレガラス、スリの姉チャ子 弟シンキチ、マンションとなりのカメラマンのヨシヒコ、その妻マル子、テレビアナウンサー

それに特別出演として刑事凸、刑事凹、に「ラムネとカルピス(凸凹コンビ)」氏が友情出演している。この二人は、お人よしでおとこっ気のつよいデブのカルピスくんと、のっぽでうるさ型のラムネ氏で,デビューは「黄金バット(1947)」。いらい、ギャングとドタバタを一気に引き受けて笑いを振りまいている、チック・タックの名で出ることもあった。出演作品は多く、「珍アラビアンナイト」「ターザソ」「月世界紳士」「拳銃天使」「氏神様の火」「足あと温泉」「くろい宇宙線」「新世界ルルー」「ふしぎ旅行記」「○マン」などである。

声優 山本嘉子さん、小原乃梨子さん、永井一郎さん、矢田耕司さん、吉見佑子さん、山下啓介さん。

脚本 辻真先先生、演出富野善幸さん、
作画監督は山本繁さん、作画タマプロダクションそのほか、背景アップルズや山守博昭さんなど、仕上げ大石洋子さん、宮本雅子さん、木のプロなど手当たり次第にお願いしました。
進行は井出康道君が担当、辛い担当となりました。

おまけエピソード。
この放送の日 私は、高知県中村市というところに、両親と弟を連れ、結納を交わしていました。午後からは、門入れの儀というのが、執り行われ、相手の親族一同と対面、契りを交わし、披露されるという儀式に出ていました。
帰り、5日から、仕事始めのため、急ぎましたが、西宮インターに入ったのが、1時、5人乗車した愛車ギャランGTOは、浦和に6時半に到着してくれました。
ずいぶん無茶をした時代でした。
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ふしぎなメルモ 14話騒動

2007年02月10日 14時13分51秒 | ふしぎなメルモ
ふしぎなメルモ 第14話 「身代(みが)わりにされちゃった!」

 手塚先生と富野さんとのストーリーの打ち合わせができたのが、12月21日深夜になってしまった。お正月用の話ということで、入れ換えることは出来ず、手の空いた制作は進行の井出君を助けることになった。

 富野さんが絵コンテに取り掛かり、雑誌の手空きを待って手塚先生の校閲を受ける。OKの出たものから、池原君がすぐに清書をして、待機してくれている、タマプロの作画班へと届ける。
なんとか富野さんが書上げても、手塚先生の校閲が終わらず、手の空くのをただ待っているだけの時間が過ぎて行った。

 絵コンテ全体の最終的OKが出たのが、アフレコ前夜の午後11時を過ぎてしまっていた。
アフレコ用に、絵コンテの絵をトレスマシンでコピーして撮影し、アフレコに使用することすら、時間的に不可能となってしまった。

 撮影しても現像が間に合わないからだ。何とか線画にできたラッシュは3分の1しかなかった。編集で、出来上がったフィルムに放送時間を合わせるため、白身という、何も写っていないフィルムをつないでおくのだが、出来上がっていないところは、白身を入れて放送時間になるよう、ラッシュフィルムのタイミングにした。

 これでは、アフレコの喋りのタイミングがつかめないため、フィルムに、はさみの先で(編集用のはさみは、和鋏を使用)白味フィルムに傷をつけて、じゃべりのタイミングを取ってもらうことにした。
 この方法は、アニメーションフェスティバルで、フィルムに傷をつけた絵を一こまずつ描いた、実験アニメがあった、それがヒントとなったが、何せ時間がなかった。

 そのフィルムに印を付ける作業は細かい作業であった。その間に、ほかの人たちには引きつづいて作画、仕上、背景、などの手配を頼んでおいた。

 何とか朝までにその作業を上げて、アバコスタジオへ、飛んでいった。

 音響の明田川さんに事情を話し、せりふのタイミングの指示を出すから、何もないフィルムで、アフレコをしてくれるようにと頼んだ。当然烈火の如く怒った、前代未聞そんなもので、アフレコなどできない。ともっともの事を言われてしまう。今までも、線画や、一部、白味フィルムでアフレコをしたが、ほとんど白味では、やったことがないしできるはずがない、というのであった。その明田川さんを、声優さんたちを説得するからと、頼み込んだ。
 
 声優さんたちにに説得したが、とてもムリだという、そこを何とかと手をついて頭を下げ頼み込んだ、とりあえずは、そのフィルムを見ることになったが、見てすぐに、これでは出来ないといわれてしまった。

 再度頼みに頼み、結局は、手塚先生のためだからと、何もないフィルムでアフレコをしてもらえることになった、フィルムのキズと、持って行った、カット表に細かく書いておいた、タイミングで、合図を送り、アフレコを始めた。

 そのため、どうしても張のない声、元気のないせりふ、棒読みのせりふ、となってしまったが、それ以上の注文をつけることはできず、平常の2倍以上の時間をかけて、アフレコは完了した。

 メルモの後半声優さんの声に元気がないのはそのためで、声優さんの名誉を大変傷つけてしまった。すべての責任は、メルモの制作にあるのだ。

 撮影出しは、最新の注意が払われた。アフレコでのせりふのタイミングをカット表にメモしておいた、タイミングで、口パクを合わせて、撮影してもらわなければならず、リテークする暇もなくなっていた。セル傷や、動きの間違いがあっても取り直しはできないのであった。

 12月31日朝撮影出しが終わりフイルムを編集、秒数を合わせて、すぐにネガ編集、音ネガと合わせて、現像所に届けた。東京現像所では、それだけのために大晦日から元日にかけて、職員を待機させてくれていた。

 朝日放送東京支社には人はいなく、元日の昼までに大阪朝日放送まで届けなければならなくなっていた。進行の井出君が手を上げ最後までやりたいからと、大阪行きを志願してくれ、朝一番で東洋現像所で、フィルムを受け取り、羽田から、大阪まで行くことにした。あとは、音のずれや、セル傷がないことを祈るだけしかない、アパートへ引き上げた。

 真夜中、フィルム上がりを待っていた井出君から、電話が入った。ネガのつなぎが悪く、現像するそばからつなぎ目がはがれて、始めなおしてくれていた現像所の人も、多すぎてお手上げになっている、というのであった。すぐに、編集の西出さんに、連絡を取り迎えに行って、と思ったが、正月休みで、でかけてしまったらしく捕まらなかった。東洋現像所へ行って、方法を画策したが、余分な人材は残っておらず、お手上げになってしまった。

 東洋現像所に、編集室はあり、資材もそろっているという。ネガ編集は、まだ経験が無かったが、いつもそばで見守っていたので、手順は判っていた、編集に使った、カット表も持ってきていた、編集室を借り、ネガのつなぎ直しを、見よう見真似でネガのつなぎを始めた。

 何とかつなぎなおし、お渡しすることができ、現像が、終わるまで、寒い、東洋現像所の長いすで待った。

 夜が明ける前に、フィルムが上がり、井出君が羽田空港へ向かうのを見届け、アパートへもどり、2日に行なう私の結納と門入に、家族と高知へ向かう仕度をした。
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ふしぎなメルモ 13話

2007年02月09日 10時13分16秒 | ふしぎなメルモ
第13話 「クリスマス・メルモ」

 営業の西崎 弘文さんから良い報せが来ていた、「青いトリトン」が4月からの放送にきまりそうというのであった。

「青いトリトン」は1969年からサンケイ新聞に連載された手塚先生の漫画で、この10月、虫プロダクションのスタッフを借りて、パイロットフィルムを作り、虫プロ商亊営業の西崎さんが、メルモに引きつづいて、大阪朝日放送に売り込んでいたのであった。

 そんな、喜びの知らせとは裏腹に、現場は、地獄の様相を呈していた。12回の放送で、何とか余裕ができるはずであったが、今回のクリスマスメルモと次回の話は、クリスマスの日と、お正月の話なので、遅らせるわけにはいかず、ほとんど平行作業で進ませており、ここさえ乗り切れば、少しは、スケジュールが取り戻せるのであった。

今回一クールが終わるに当たって、メルモ班では少し変更があった。スタジオジョークの代表者でもある、永樹凡人チーフディレクターが自分の会社の運営とメルモの総監督としての重圧と、無茶な貫徹続きで体調を壊し、これ以上続けられないという相談を前から受けていたのであった。

そこで手塚先生初め、正延宏三さん、山本繁さん、鈴木紀夫さんらと話し合い、2クール目からは、正延宏三さんにチーフディレクターをお願いすることになった。

 手塚先生と演出家がカセットテープレコーダーに吹き込む、今までの方法も換えて、脚本家にシナリオを書いてもらうことになり、辻真先先生に交渉して、依頼することになった。

 暮れの忙しい中、辻先生と手塚先生の打ち合わせは、手塚先生の手空きとなる時間待ちのため、深夜となることが多く、辻先生を待たせてばかりいたのであった。(ごめんなさい)

 駅の改札口付近で、メルモは捨て子を発見する、駅員が連絡をとりに行っている間、メルモは、赤ちゃんを青いキャンディで大きくして事情を聞き、家に連れ帰ってしまう。
 両親探しのため赤ちゃんから聞いた情報を元に、メルモは、あかちゃんの家を探すことにして、キャンディで変身、失敗して、猫犬になってしまう。途中今日がクリスマスイブであることを知る。

(サービスで、メルモとトトオがえるに諸人こぞり手をララララとうたわせたが、動物の鳴き声のクリスマスソングが流行った)

 それらしい家を探し当て、赤ちゃんを連れて行き、そこが赤ちゃんタダオの家であることを確認する。置手紙で、親会社に仕事を切られたため、破産したことがわかり、メルモは大人に変身して親会社の社長を尋ねる。

 社長を責めるが、社長は逃げてしまいメルモはボディーガードに痛めつけられてしまう。社長秘書に化けたメルモは、戻ってきた社長に、お酒に溶かしたキャンディを飲ませ、老人に変えて、自分は魔女だと脅す。泣いて謝る社長を元に戻してやると、改心した社長は、ガードマンたちに、タダオの両親を探すように言いつけた。

 両親の情報を得た、メルモは、社長にワレガラス先生、先輩の、女番長ナナメさん、犬ビリケン、を連れて、タダオの両親松谷夫婦のあとを追う、ホテルのボーイから山奥へ行ったようだと情報を得て、ビリケンに追わせ、自殺をしようとしている両親を見つける。

タダオはスキーで両親の元へ降りて行き、赤いキャンディで赤ちゃんに変身する。
 赤ちゃんの鳴き声に、松谷夫婦は気がつき赤ちゃんを拾い上げるが、それが自分たちの赤ちゃんタダオであることに気がつく。

これはきっと神様の思し召しと、親子三人強く生きていくことを誓うのであった。

この回では、アポロの歌のパイロットを利用しました。

出演、メルモ、トトオ、タッチ、ワレガラス、駅長、(桃屋のコマーシャル三木のり平を連想させるような)親会社の社長、その秘書、社長のガードマンABCD、
ガードマン4人の中に「ヘック・ベン」がゲスト出演している
ヘック・ベンは、ロンメル、メイスンとともに,映画スターのマスクをモデルにした三人の男のうちのひとりで、モデルは,今は亡き名優トム・タイラー。
デビューは「サボテンくん」であるが,いらい西部劇ずいて,かならず敵役にかおを出す。
「あらしの妖精」「○マン」「荒野の弾痕」「旋風Z」などに出演。

ナナメ、ビリケン、タダオ、ホテルのボーイタダオの父松谷、タダオの母、など

声優さんは、山本嘉子さん、永井一郎さん、増山江威子さん、野沢雅子さん、大竹宏さん、杉山佳寿子さん、加藤修さん、吉見佑子さん、矢田耕司さん。

作画監督、正延宏三さん、作画、岡田敏靖さん、この頃は、上の原の一軒家に引っ越されて一人で、原動画をかなりのカットこなしてくださいました。この方の動画を、チェックなさった、手塚先生が、「このひと、大変うまいですね、大切にしてください」といわれたのが印象に残っています。
そしてスタジオビッグ、とスタジオTAKE
背景がプロベロン、仕上げ スタジオビック、森沢芳恵さん、グループ名をスタジオ古留美とした古留美さん。

そして進行は吉岡優一さんでした。
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手塚治虫命日です。

2007年02月09日 00時04分15秒 | Weblog
今日は手塚先生の命日です。

早いものでもう18年経ってしまいました。

12日の葬儀が昨日のように思い出されます。

友人たちも一人また一人と淋しくなっていきます。
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ふしぎなメルモ 12話

2007年02月08日 09時48分04秒 | ふしぎなメルモ
スケジュールに、余裕がなくなっていた、放送日が迫ってくる。

それほど前話でスケジュールがなくなっていた。
永樹凡人さん、正延宏三さん、それに山本繁さんと、対策協力をお願いした。
まず、永樹さんと、正延さんのスタジオで、作画の全面協力をお願いし、了承を得た、そしてお話を2話に分けて、それぞれにお願いすることで、乗り切ろうということになった。

 そのためのストーリーを、手塚先生の手のあくのを、夜通しで夜明けまで待ってもらい、先生との打ち合わせがすみしだい、絵コンテ制作に取り掛かってもらった、ひん死の白鳥は、今まで絵コンテ清書を頼んでいた池原成利さんに演出に興味があると言われていたので今回初めて演出までをお願いし、学園広場を守れは、チーフディレクターの永樹凡人さんにお願いし、描くそばから作画に回した。それでもアフレコは、線画のままで、仕上も背景も間に合わなかったものが多かった。

「ひん死の白鳥」では、公害問題が、社会問題になっていた、それを、みにくい白鳥の話とかけて、えがこうとした。

 公害にやられた白鳥を助けようと、卵にして、仲間のいる、北国へ連れて行く。事故があり卵が割れてしまうが、急いでキャンディーで本の白鳥に戻す、しかし、割れた卵についた絵の具のせいで、ぶちのある、白鳥となってしまった。そのためほかの白鳥たちからいじめられてしまう。湖には、白鳥たちを守ろうとする、少年たちのクループが見守ってくれることになった。
 密猟者が、やってくる、仲間の白鳥を守ろうとして、勇敢に密猟者に、挑み、傷をおってしまう。ほかの白鳥たちは、その勇気に仲間としてむかい入れる。
出演メルモ、トトオ、タッチ、ワレガラス、テレビアナウンサー、片やん、柴、車掌、ウェイトレス、はやと、子供A、Bなど

作画監督正延宏三さん作画スタジオTAKE

学園広場を守れ

1961年ごろ、わんぱく戦争という映画が流行った。それと当時塾の問題が話題になっていた。
 毎日大変な数の塾を通い続ける、小森君、全く遊ぶ暇など無いのであった。心配したクラスメイトのメルモは、
隣町の子供たちと戦争ごっこをしている広場へ、小森君を引っ張っていった。
 小森君の母親は、熱心な教育ママであった、学校へ、押してくる。メルモたちはバリケードを作り、子供に自由をなどと、立てこもる、先生たちとの戦いが始まる。
 しかし夕方となり、おなかもすいた仲間たちは、お母さんの呼ぶ声で、家路へと帰ってしまう。最後に残った小森君もメルモにお礼を言って帰っていく、あとに残された、孤児メルモ、ワレガラス先生が、迎えに来て、慰められる。

出演、メルモ、トトオ、タッチ、ワレガラス、手塚先生、小森コン太郎、校長先生、教師A、B、C、小森の母、女の子、男の子、など
作画監督山本繁さん作画スタジオJOKEでした。


声優さん野沢雅子さん、矢野耕司さん、丸山裕子さん、伊藤克さん、吉見佑子さん、田の中勇さん、水島晋さん、作間功さん、納谷六郎さん吉田理保子さん
2つの話なので、おおぜいとなってしまい、出番前の人たちは、ロビーでおしゃべりに夢中になっていました。


背景 アップルズ仕上げ中村厚子さん、大石洋子さん、 スタジオビックなど
進行は芝野達弥君が担当
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ふしぎなメルモ 11話

2007年02月07日 09時15分28秒 | ふしぎなメルモ
ふしぎなメルモ 第11話「あの子をにがすな!」演出手塚治虫
 手塚先生が、絵コンテを描き、演出した作品でした。1話の伯母さんがまた登場する話で、あまり遅くならないうちに放送したかったが、スケジュールが遅れに遅れ、とうとう11話の放送となってしまった。そのためにほかの話も遅れてしまったし、アフレコは、セル画を、ハイコントラストという黒と白がはっきり出る、フィルムを使って撮影して、間に合わせ、その間に、彩色仕上げをし再度撮影をしなおして、フィルムを、つなぎなおすという、離れ業をして、放送に間に合わせた。

 声優さんたちは、線画で動いているのに興味を持たれ、面白がって、アフレコをしてくださった、そして「頑張ってくださいね」との励ましの言葉まで頂いた。

 メルモは突然伯母さんに会って、ビックリした。家に帰ると男が待っていた。その男の会社の社員が、メルモの母親をひき逃げした犯人で、いまわのきわに、そのことを悔やんで死んでいったのだと説明、社長はせめてもの罪滅ぼしに、メルモたちの面倒を見させてくれという。

 社長の家に引っ越すメルモたちであったが、面倒を見てくれる家政婦は、なんとあの伯母さんであった。
 初めはやさしく見えた伯母さんも、本性を表し、何かにつけメルモたちに意地悪をする、それをかばってくれた社長であった。

 しかしある夜、伯母と社長の話をメルモは聞いてしまった。社長は、密輸をしていて、警察の捜査をごまかすため、メルモたちを引き取って、世話をしているというのであった。逃げ出そうとしたメルモたちは捕まってしまい、部屋に閉じ込められてしまった。再度脱出するが、また捕まり、沖に停泊している船へ連れて行かれる。

 メルモは証拠の書類を盗み出し、キャンディを使って魚に変身して海に逃げる。海では魚の産卵の話などエピソードがあり、漁船の網に捕らえられてしまうが、たこに助けをかりて、キャンディで人間に戻り、警察に届けて、社長一味は逮捕された。

出演はメルモ、ワレガラス、トトオ(かえる)、手塚先生、社長、イケハラ、男の子、男などであった。
 社長役は、ゲスト出演のプーンが演じた。プーンは「丸首ブーン」の名でアトムに出たのが最初で,新しいセンスと雰囲気によって,既成のスターたちを完全にくってしまった。
「ガロン」「あけぽのさん」「おれは猿飛だ」「ジャングル・タロ」と大活躍をつづけている俳優である。

声の出演には小林修さん、伊藤克さん、麻生美代子さん、清水マリさん、大竹宏さん野沢雅子さん矢田耕司さんらが担当してくれました。

作画監督は山本繁さん作画がスタジオビック、背景プロペロン、仕上げ前田剛弘さん佐野信子さんこの方はリボンのAPをやられていた若尾さんが独立して、彩色のプロダクションを立ち上げていたが、彼の紹介で、東村山のグリーンタウンで主婦仲間を集めて、仕上の協力をしていただいた、すぐに、古留美というスタジオの名前となった。それに スタジオビック。そして進行は、ベテランの片山秀夫さんが担当してくれました。
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ふしぎなメルモ 10話

2007年02月06日 00時08分05秒 | ふしぎなメルモ
第10話 「ヘソガエルの秘密」
 同時進行をしていたので、演出大貫信夫さんの、この話が、引きつづいて、放送された。
太平洋の端っこにある、小さな島に、ヘソガエルがいるというテレビのニュースを見て、メルモとトトオ蛙、ワレガラス先生はその島に向かった。
 旅客機で行き、島へはセスナでワレガラス先生が操縦して行くという設定。

その島には集会があり、島民たちは、謎の仮面をつけた女に若返りの粉をかけてもらっていた。
 手塚先生は、アトムやジャングル大帝の時に、アメリカの放送局から言われた、黒人の描き方で、唇を厚く描くなとのことカラ、島の人たちの唇を。あえて、描かずにえがいた。だから、くちなしになっている。

秘密を探るために、集会に参加した、ワレガラス先生は、正体をなくして、戻ってくる、その肩には白い粉がついていた。そこで、メルモは、大人に変身して秘密を探りにいく。
そこでヘンリーという少年に出会い、説得して、秘密を聞き出す。 その島は、産業廃棄物の捨て場所として、火山の火口が利用されていた。そこに咲く、花の花粉が中毒を引き起こし、若返る気分になるというのであった。産業廃棄物破棄の秘密を守るため、島民をその花粉で考えないようにしているのだという。

 川でヘソガエルを探すメルモとトトオ、へそと思われたのは、いぼであることがわかり、がっかりする。

 ヘンリーが、仮面のヘンリーの母親にメルモたちのことをいいとめようとしたが、逆に、秘密を守るために、メルモたちを殺しに来るとつげに来る。

 セスナ機で島を逃げるメルモたち、火口に咲いている花のめしべを受粉させれば、花は枯れてしまうと考え、セスナ機の車輪で受粉を試み、成功させる、しかしセスナ機の古層から、また島に戻った。待ち構えたボーイにワレガラスはヘンリーの母の元へ連れて行かれる、ヘンリーの母は、中毒になって、死にかけていた、大きな病院に移せばよくなるといわれ、ヘンリーは安心する。

ワレガラス先生は、島民を集め火口にある、花の実を火をつけて焼くようにと指示をする。
それを見届けて、メルモたちは、島を去る。

ビデオ化されたときに、この話ともうひとつが、ビデオ化されなかった。理由はわからないが、この話の解説などを見ると花粉が、麻薬に関係あるような表記となっている。
 けしなどの花からのイメージで、麻薬とつなげるのであろうが、あえてそれを否定はしない、いやあえてそれとわかるように作っているのだが、どこにも、麻薬という言葉は使わないように、注意したと覚えている、だから、中毒、や毒性という言葉にしたように記憶している。
 言葉狩りの今、そんな気を使わないほうが、良かったのか、麻薬に対する、恐怖を教えるためには、もっと恐さを表したほうが良かったのかと、反省させられる、作品である。

出演、メルモ、ワレガラス、トトオ、ウィリー、ウィリーの母(仮面の女)、アナウンサー、ボーイ、
作画監督は山本繁さん、作画 スタジオジョーク、背景 プロペロンとアップルなど、仕上 スタジオビッグそれに中村厚子さんや宮本雅子さんなど、でした。
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ふしぎなメルモ 9話

2007年02月05日 10時30分48秒 | ふしぎなメルモ
第9話「ビリケンまかり通る
演出家大貫信夫さんとの付き合いも長かった、今回演出依頼には彼の自宅へと足を運んだ、武蔵村山の団地に彼を訪ね、話をしていた。すると窓いっぱいにジェット旅客機が迫ってくるのが、目に入った「ウォー」と声にならない声を発して、腰を浮かし逃げ出そうとした。
近くに、横田基地があり、離着陸するジェット機が、大変低く飛ぶのだという。
 手塚先生との打ち合わせは、カセットに取っておいたのは、今までと同じ、COMに村野守美さんが、「吠えろボボ」という、犬の話を描いていた。是非アニメ化すると良い、などと、村野さんとも話したりして、とても気に入っていた、あるとき、その気持ちを手塚先生にも話した。それが悪かったのかどうかは判らないが、今回は、メルモたちは、登場しない話になると驚かされた。
 メルモが、犬に変身する話だという。そういえば手塚先生の漫画にもねこより、犬の話のほうが多いと思う、(これも手塚先生との雑談の中で、行ったので、捨て猫ドラの話になってねこならぬ虎が、登場する)初期には、片足のない親猫の話があるが、アトムのパトカーまで、犬の形である。
 ここで登場するのが、子犬のビリケン、(この名前はやはり手塚先生は関西人である証明か、東京の人には、馴染のない名前)いつもほかの犬たちにいじめられてばかりいた。それを見ていたメルもが、犬に変身して、ビリケンを、青いキャンディで、青年の犬にしてあげる。
 今までいじめられていた犬たちを、やっつけて、子分にしてしまうが、メルモとの約束の時間には、元の子犬に戻って、母犬の元へ帰った。
 母犬は、ビリケンを強く育てようと、教育したが、ビリケンはキャンディで大きくなれば、強くなれるので、母犬の、言うことを聞かず、訓練にも身が入らなくなっていた。
 いつしかビリケンは、自分がそうであったのに、弱いものいじめをするようになっていた。メルモは、いじめられていた子犬に、青いキャンディを与え、ビリケンを負かす。
 野犬狩りがあり、傷を追っていたビリケンは逃げ切れずに、野犬狩りに捕まってしまう。ビリケンを助けようと、母犬は金網を破ろうとするが、人間に発見され、銃で撃たれて殺されてしまう。(やさしいライオンの影響か)後悔するビリケン。
 メルモはビリケンたちを助けようと赤いキャンディを捕まっていた犬たちに食べさせる。
 翌朝すべての犬が、子犬になっているのに野犬狩りの(子供の頃は、犬殺しが来た、といって恐がっていた記憶がある)人たちは、驚く。野犬狩りの人たちは、子犬は殺せないと、飼い犬になれるようにと訓練を初めた。
出演者メルモ、ワレガラス、ビリケン、母犬、子犬、犬(ABCD)など
作画監督は正延宏三さん、作画 タマプロダクションとスタジオビックなど
背景 プロペロン、仕上、スタジオビック、大石洋子、宮本雅子、仕上監督の池田さんは検査から補正、修正と全話付きっ切りで、携わってくれた。
そして進行は井出康道さんであった。
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ふしぎなメルモ 8話

2007年02月04日 11時38分09秒 | ふしぎなメルモ
第8話「ママがかえって来た!」
 メルモのところにデーモンがやってきた、お母さんを連れてくるから、不要となったキャンディを渡すようにという。
 リボンの騎士と同じように、手塚先生が、やりたかった「ファースト」のメフィストを思わせるようなデーモンの登場、てっきり、そんな話になるだろうと思っていましたが・・・。

 デーモンは郎細工作りの名人にメルモの母親そっくりの人形を注文する、そしてヘビの魂をいれ、メルモの母親になることを命令する。
 約束の日に、デーモンは母親を連れてメルモのところへ来る、大喜びするメルモは、キャンディを返してしまう。
 かえるになったトトオと、赤ちゃんの、タッチは喜ばなかった、本能的に母親とは違うと感じていたからであった。
 母親と暮らし始めてみると、奇妙な、言動がメルモにも目に付き始め疑問に思い始めていた。包丁で手を切ったのに、血が出ていない、メルモは本当の母親では無いと悟った。
 これ以上、偽者の母親とは暮らせないと思ったメルモは、トトオとタッチを連れて雪の降る夜、家から逃げ出した、追ってくる母親、メルモたちは、謝って、「もろ」のような、深い竪穴に落ちてしまう。居ってきた母親もその穴に飛び込んでくる、近寄らないで、メルモたちに、自分が蝋人形であることを打ち明け、「あなたたちの本当のお母さんになりたかったという」。
 雪降る寒い夜、メルモたちは寒がる、蝋人形の母親は、自分の体に火をつけてメルモたちを暖める。
 ワレガラスから、穴の中で暖をとっていなかったら、助からなかったと告げられる。
そしてキャンディのビンが届けられたと、ビンを渡してくれた。届けてくれたのは、白い服を着た人と言われ、メルモは、神様が、届けてくれたのかしら、それとも・・・・・。

 スリラー転じて人情モノの話になった。
完全に、想像していた話とは違っていた。
 動画用紙には、動きをぶれないようにするため、タップというもので、動画用紙を固定するために、用紙の上に3つの穴を開けなければならなかった。タップの穴あけ機を使って穴を開けるのだが、これも面倒な作業で、手の空いたものがあけていたが、ほとんど外注の手塚プロでは、進行の仕事となっていた。そこで、動画用紙の卸店に納品するものに、すでに穴を開けといて欲しいと、交渉して、穴を開けといてもらった。
出演はメルモ、トトオ(かえる)、タッチ、ワレガラス、デーモン、男の子をやっつけろの回のナナメ、ブラ子のゼンゾウなど、蛙のトトオと赤ちゃんのタッチにも声優さんがついた。
作画監督が山本繁さん作画スタジオビッグ、背景アップルズ、仕上スタジオビッグとスタジオワークなど、進行が芝野達弥君でした。
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ふしぎなメルモ 7話

2007年02月03日 15時06分44秒 | ふしぎなメルモ
 第7話「トカゲ館の一夜」
初めの一クールの半分がすぎたところで、手塚先生から、設定の変更の相談があった。イタズラ好きの弟、トトオを蛙にして、そのままペットのように絡ませる、というのである。
 もっと可愛い動物が、いるのに、何で、蛙なんぞに、弟を動物にすることすら反対だったが、ここは手塚先生の好きなようにさせてあげる、約束なので、そのまま見守ることにして、トトオを蛙に変身させるお話を作ってもらった。
 (風邪薬の宣伝で、お店の店頭に置いてある、かえる、の看板に向かって悪がきが「おめぇへそ、ねえじゃね~か!」というコマーシャルが、流行った時代であった。

 演出が、手塚プロ2階に泊まりっぱなしになって、作画のチェックや、凡人さんや繁さんなどと一緒に手塚先生の相談にのっていた、正延宏三さんでした。

スケジュールが、遅れに遅れてきていました、現場を見ているものにとって、やはり手塚先生の校閲の遅れがもどかしく感じられました。校閲は、プロデューサーの鈴木さんと、社長の島方さんに、お願いしておりましたが、どうしても雑誌のほうが、優先的にしていると、被害妄想になり、事あるごとに、「もう、おりてしまおうかな、」とか、「こんなんじゃ、おりちゃうぞ」とか、今考えると恥ずかしくなってしまうような、口をいうのが、口癖のようになっておりました。
 自分では、悪意はなく、ついつい口から出てしまっていたのですが、周りの人達から見れば、耳障りで、我慢し切れなかったと思います。そんな時、怒りの雷(いかずち)が、落ちました。「おりる、おりると、うるさいな、そんなに、降りたいなら、やねちゃえよ!」と叫んで、机をバーンと叩いた人が居たのです。それは思いもかけない人で、普段大変紳士であられた、美術監督の明石さんでした。

売り言葉に買い言葉、彼の言っていることが、正しいのに、あとへ引けなくなってしまい、取っ組み合いの喧嘩になってしまいました。とめに入ろうとした、島方社長が、10メートル(オーバーでなく)ほども飛ばされてしまうほどの、殴り合いでしたが、島方社長が痛そうにうずくまっているのを見て、2人とも心配して、殴り合いは、中止されました。
冷静になると、悪いのは、私のほうで、彼は間違ったことを言っておりません。素直な気持ちで、謝りました。そして、もう2度と、降りるなんてことは、口に出さないと誓いました。本当の友人になれて、結婚式も妻と招待してもらいました。

 わき道にそれましたが。
 弟のトトオがキャンディのビンを持ち出し、はとや、ほかの動物に食べさせて、イタズラを始めました。取り返そうとしたメルモに、木に上って返そうとしてくれません。困ったメルモは一計を案じて、キャンディを使うと動物にも変身できることを、トトオに教えたのでした。
 トトオはかえるに変身してしまいました。もう2度とイタズラをしないという約束で、トトオを元に戻そうとしましたが、キャンディを食べれなくて、元に戻れなくなってしまいました。水に溶かしてみてもダメでした。
(トトオをかえるのままでいさせるために、そのような少しムリがある設定にしました)
 万策尽きたメルモは、ワレガラス先生に相談しますが、方法は見つかりませんでした。

 ある日偶然古池教授に、トトオのかえるは見られてしまいました。へそのある帰るということで、トトオはさらわれてしまったのでした。
(火の鳥もそうですが、できるだけ、メルモでは、ゲストスターを出そうということでした。今回は、アトムの生みの親役をやられた、天馬博士に古池教授を演じていただきました)
メルモとワレガラス先生は、古池教授の博物館へ行き、かえるを返してくれるように頼みましたが、へそのある、かえるなど知らないと、突っぱねられてしまいます。メルモは、2階の窓から捜索し、トトオかえるが入れられたガラス容器を発見しました。格子のある窓から、部屋へは入れないのでガラスケールを落としてトトオを脱出させようとしましたが、ほかのガラスケースも落としてしまいました。その中に居たヘビたちにトトオかえるは食べられそうに、なりましたが、メルモが赤いキャンディを投げて食べさせ、卵にしてしまい、ピンチを救います。やっとの思い出トトオを救い出しました。
作画監督も正延宏三さん作画はまさやんの会社スタジオTAKEとタマプロダクション、背景はプロベロン、仕上スタジオビック、大石洋子さん。甲斐京平さんにはまた協力してもらいました。タイトルやブラシは斉藤章二さん。撮影珊瑚礁の菅谷さん。編集は西出瑛子(栄子)さん、工場跡2階の編集室で、編集をしていただきましたが、ほかにもお仕事をお持ちでしたので、スタジオゼロの2階の西出編集室の方でもお仕事をしていただきました。ネガ編集は、おもにスタジジオゼロのほうでした。編集には手塚先生も良く立ち会いましたし、代理で、私が立ち会うことも多かったです。進行が片山秀夫さんで楽をさせていただきました。
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ふしぎなメルモ 6話

2007年02月02日 09時31分29秒 | ふしぎなメルモ
6話 「白雪姫をいじめよう」
早くも10月が終わろうとしていた。学校では、運動会と学芸会の時期であった。そこで、メルモの学校も、学芸会の話題を、取り上げることになった。
 演出の西谷克和さんもカセットテープに吹き込んだ、手塚先生のストーリーを、絵コンテにした、そして池原君が清書した。
手塚先生の指導の下、メルモのクラスで、学芸会に劇をすることに決まり、白雪姫をすることに決まった。
 主役の白雪姫は、投票でメルモに決まった。主役をやりたかった、金持ちのニタ子は、どうしても主役をやりたかったが、そのニタ子は白雪姫をいじめる継母役に決まる。そこで母親が、学校に乗り込んで、手塚先生に、ニタ子に白雪姫をたらせるように、直談判(押しかけてくる)する。
 (ペットのアヒルを連れてくるが、これがのちにドラえもんでガチャ子と言うアヒルロボットが、少しの期間登場するが、この話からのアイディアーでは、という噂がある。)
 学芸会の当日も、ニタ子と母親は、何とかメルモを主役から引き摺り下ろそうとメルモに、なにかと意地悪をする。台本を勝手に変更して、ニタ子はメルモをいじめまくる。一方、母親はメルモのキャンディを奪い返して欲しいなら白雪姫の役をニタ子に譲れと脅迫してくるのだった。キャンディの秘密を知った母親は、ニタ子を、早く大人にしようと、キャンディをニタ子にもっていく、しかし青いキャンディを多く食べ 老婆に化けようとした継母役のニタ子は、本当におばあさんになってしまう。観客はその変身の見事さに大うけするが、ニタ子は、泣き崩れてしまう。赤いキャンディを食べさせて、元の姿に戻してやるメルモ、ワレガラスから意見され、反省する母親であった。
登場人物 メルモ、ワレガラス、ニタ子、手塚先生、ニタ子の母、ユキオ、ヒトミ、ブーちゃん、男の子など。
作画監督 山本繁さん作画 タマプロダクション、背景 アップルズ、仕上 スタジオビッグ 仕上協力者甲斐京平さん
進行はサイケこと吉岡優一君でした。
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ふしぎなメルモ 5話

2007年02月01日 10時45分58秒 | ふしぎなメルモ
第5話「もえる無人島」
演出が富野善幸さん、手塚先生との打ち合わせは、カセットテープで取って、富野さんにお渡しして絵コンテを描いて貰い、やはり池原成利さんに清書してもらった。
この話は「アポロの歌」でえがかれた、話が元になっている。
 メルモとワレガラスが、軽飛行機で移動中に、遭難して無人島に不時着する。
パイロットが、食料探しで、拳銃でウサギを撃って持ってくる。
 (パイロットがなぜ拳銃を持っているのかは、問わないことにした、やはりアメリカモノの影響だったと思う)
 メルモ、ワレガラス、パイロットは、その島に住む獣たち、動物たちに取り囲まれてしまう。よく見るとその動物たちは、それぞれ、雄と雌の一つがいであった。ウサギの雌が殺されたことに、怒っていて、今にも殺されそうであった。
(ノアの箱舟のような話であった、どうしてその島が、そのような島であるかというのは、あえて、説明しないことになった。それは、子供たちに考えてもらう、ということで、子供たちの、空想が広がるのではと考えたのであった)

メルモは動物たちに雌ウサギの死体を返し、謝った。
一っぴきだけになってしまった、雄ウサギをかわいそうに思った、メルモは、キャンディを使って、雌ウサギに変身する。雄ウサギは、すぐにメルモウサギを好きになり、結婚しようという。困ってしまうメルモ。
 (この話のために、動物に変身できるという、設定にしたのではと、思われた)
 パイロットが、救援をもとめるために、焚いた焚き火の火が、ジャングルに燃え移り、山火事が発生してしまう。

(手塚先生の中には、バンビで見た、山火事のシーンが、想い浮かんでいたように思う、しかし、それも、スケジュールと、話の時間と、予算の関係で、手塚先生が満足できるようなシーンを作ることは不可能であった)
メルモは、赤いキャンディを水に溶かし、はすの葉っぱを利用して、溶かした水をジャングルの木々にまいて、木々を幼木にすることにより、消火帯を作って山火事の炎症を防ぐことに成功する。

 いかだを作って、この島を脱出しようというメルモに、パイロットは反対する、この島をリゾート地として発展させ、金儲けしようというのである。メルモとワレガラスは、この島は、このまま自然のままに、しておいてあげるべきだと、パイロットを説得する。
いかだで、島を脱出する日、1羽だけになってしまった、雄ウサギを一緒に連れて行こうとするが、雄ウサギは、いつかはキット、別の雌ウサギが、遠くから、やってくる、その日を待つ、といって、島に残った。声優さんは山田康雄さんと小宮山清さん動物の話であったので、少なくてすんだ。
作画監督はテイクの正延宏三さん、東久留米の上の原に引っ越していた岡田敏靖さんに作画を頼んだ、一人でかなりの量をこなしてくれ、動画をチェックした、手塚先生は、その技量に「この人はいいですね、大事に使ってください」といったほどであった。ほかに   スタジオビッグの作画をしてくれた。背景はプロベロン仕上げ、スタジオビッグ虫プロ時代にトレスの外注さんで、大変お世話になった、鈴木房子さんという方が居られた、この方は一人で協力してくれたのだか、かなりの枚数を哲也で上げてくれた。その上腕もよく、下手な作画もこの人にかかれば、見違えるようになったのであった。この時は埼玉県志木駅のまだ先、鶴瀬というところに引っ越されていた、私は、その腕を腐らせて置くのが我慢できず、ムリをいってトレスを頼み協力を要請した。
ブラシは佐藤章二さん今までは、橋爪さんという虫プロの先輩の方にお頼みしていたが、狭山ということで、時間のないスケジュールでは、お持ちするのができなくなり、紹介してもらって、近くの石神井団地におられた、元東映動画の佐藤章二さんにお願いするようになっていた。エンディングのタイトル文字も依頼した。撮影はスタジオ珊瑚礁ということであったが菅谷さんが一人で、ビールケースを横に置き、口で栓を抜いて、ラッパのみにしながら徹夜で撮影をしていた。体を壊すのでは、と心配であったが、いまだも元気なのであろうか、進行は井出康道さん、虫プロの総務に入って、漫画映画作りをしたいと進行に移った人であった。
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