歌う介護士

看取りをしたご入居者から「あなたの声は癒される」と。お一人一人を思い浮かべながら、ずっと歌い続けています。

詩の朗読

2007-01-18 21:27:06 | Weblog
認知症が進むと、文字を読む能力も衰えます。
けれど、老人性のものは、かなり高齢になっても読む能力は失われないのです。
読めない?と思うのは、こちらの判断ミス。
大抵は「字が見えない!」、老眼が進んでいるか白内障だからです。

昨今、音楽療法が良く使われますが、声に出す朗読も集中力を養うには絶好の療法なんです。

良く使われる「声に出す日本語」のような本を使わなくても、
自分が感動した「詩」、「歌ってみたい曲」でも可能です。

前回は、宮沢賢治の詩からいくつか。
交代交代で同じ詩を読んでいただき、情景を話し合いながらすすめます。

今回は、ある高次脳機能障害者の書いた詩から始めました。
そういう人の詩だと言うことを話すと、皆さん身を乗り出して聞き入ります。
普段めったに歌わない曲の詩。
その頃の裏話、思い出せるように話を引っ張っていくと、
ほとんどの高齢者が席から立つことはありません。
話し、そして歌う。

「忘れてしまったよ!」という方が、
涙をこぼす姿があります。一緒に泣くのも良いではありませんか。

入居者の家族と、別の方の友人が一緒に仲間に入ってくださいました。
「今日は聞けてよかった!」
どちらもそういう感想をくださいました。

賑やかなのが苦手のSさん、「読めない」といいながらも最後までそばに。
「あんたのレコードが欲しい。」と、リクエスト。

約束しました。ご本人は忘れるでしょうけど約束は守ります。
ご入居者との約束は、破ったことはありません。


イエ、誰とでも約束したことは守りますよ!(笑い)