2021年6月24日 NHKBS1「国際報道2021」
オーストリアでは
新型コロナウィルスの感染状況の改善で
5月中旬に制限が緩和された。
音楽の都ウィーンで毎年開かれる夏の野外コンサートにも観客が戻ってきた。
名門ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。
♪「ウエスト・サイド・ストーリー」~マンボ レナード・バーンスタイン
夏の野外コンサートはウィーンの人たちが楽しみにしているクラシックの一大イベントである。
今年のテーマは“遠くへ行きたい”。
コロナ禍で味わうことが難しい旅行気分を音楽で感じてもらおうと
異国情緒あふれる曲が選ばれた。
コンサートが毎年開かれているのがウィーンの観光名所で世界遺産のシェーンブルン宮殿である。
制限の緩和で再開さた宮殿内の人気のカフェにも賑わいが戻ってきた。
(シェーンブルン宮殿 カフェの支配人)
「再開できてとにかくうれしい。」
(客)
「家族や友人たちと食事が楽しめるのはうれしい。
少しずつ普通の生活に戻ってきました。」
♪「愛のあいさつ」 エドワード・エルガー
例年10万人が集まり行われてきたコンサートだが
今年の観客は3,000人に抑えられた。
感染対策にも万全を期している。
感染対策として
ワクチンを接種するか
ウィルス検査の陰性証明が必要となっている。
コンサートにはクルツ首相らのほか医療関係者などが招待された。
ウィーンで看護師として働くシュロッケンフックスさん。
仕事でコロナと向き合う日々が続くなか
つかの間の休息として今回の演奏を楽しみにしていた。
(看護師 シュロッケンフックスさん)
「久しぶりに音楽とともに過ごす美しい夜のひとときです。」
楽団長でバイオリニストの フロシャウアー氏。
去年は一般の観客を入れずに開催せざるを得なかったコンサートも
今年こそは多くの人に生の演奏を届けたいと願ってきた。
(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 楽団長 フロシャウアー氏)
「新年のコンサートでは観客なしで演奏しなければならず
個人的に大きなストレスになりました。
音楽の神髄は人間の魂なのです。」
コンサートはいよいよ佳境に。
♪ 組曲「惑星」~木星 グスタフ・ホルスト
アンコールを受け演奏されたのは
♪ 「ウィーン気質」 ヨハン・シュトラウス2世
ウィーンの貴族たちを題材にした優雅なワルツ。
“どんな時も人生を楽しむことを忘れないで”という思いが込められる。
観客は音楽を生で聴く喜びをかみしめていた。
(観客)
「最高だった。
構成も素晴らしかったよ。」
(看護師 シュロッケンフックスさん)
「ワルツに心を揺さぶられました。
あれほど美しい演奏を聴いたのは初めて。
元気が湧いてきた気がします。」
(ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 楽団長 フロシャウアー氏)
「観客の数も増えてくるでしょう。
正常化に向け観客が戻ることを心から願っています。
日本に行ける日が待ち遠しいです。」