11月24日 編集手帳
野外の虫捕りに必要な要素の一つに、
気配を感じ取ることがあるという。
5年前に出版された「虫捕る子だけが生き残る」(小学館)の中で、
虫好きの仏文学者、奥本大三郎さんが書いていた。
子供の時分に虫を捕らなかったせいだろうか、
近頃の若者は、
人の気配を察する能力が衰えている。
そう感じるようになったのは、
スマートフォンが普及する少し前だったと記憶している。
書店に入るとよくわかる。
目当ての本のコーナーに若者がいると、
すぐ近くに立っても、なかなか場所をあけてくれない。
わざとではなく気づかないのである。
同じもどかしさを、
雑踏や駅のホームで味わうことも少なくない。
われわれオヤジ世代は違ったと言い切る自信もないが、
もどかしさを感じる頻度がスマホの普及後に増えたといえば、
どなたからも異論はなかろう。
歩きながらスマホを使う「歩きスマホ」を標的にしたひったくり事件が東京で起き、
容疑者が逮捕されたという記事を読んだ。
自分を守るためにも気配への感度を取り戻したい。
お子さんを連れて、
冬ごもりの準備を始めた虫を枯れ枝に訪ねるのもいいだろう。
野外の虫捕りに必要な要素の一つに、
気配を感じ取ることがあるという。
5年前に出版された「虫捕る子だけが生き残る」(小学館)の中で、
虫好きの仏文学者、奥本大三郎さんが書いていた。
子供の時分に虫を捕らなかったせいだろうか、
近頃の若者は、
人の気配を察する能力が衰えている。
そう感じるようになったのは、
スマートフォンが普及する少し前だったと記憶している。
書店に入るとよくわかる。
目当ての本のコーナーに若者がいると、
すぐ近くに立っても、なかなか場所をあけてくれない。
わざとではなく気づかないのである。
同じもどかしさを、
雑踏や駅のホームで味わうことも少なくない。
われわれオヤジ世代は違ったと言い切る自信もないが、
もどかしさを感じる頻度がスマホの普及後に増えたといえば、
どなたからも異論はなかろう。
歩きながらスマホを使う「歩きスマホ」を標的にしたひったくり事件が東京で起き、
容疑者が逮捕されたという記事を読んだ。
自分を守るためにも気配への感度を取り戻したい。
お子さんを連れて、
冬ごもりの準備を始めた虫を枯れ枝に訪ねるのもいいだろう。