10月22日 キャッチ!
ウクライナ情勢をめぐる欧米からの経済制裁が解除される見通しがたたない中
ロシアが関係強化に力を入れているのが東の隣国中国である。
軍事技術では優位に立つロシアだが
民間の製造業を中心に力をつけている中国の技術への関心が高まっている。
今月 最先端の工業製品や技術を紹介する展示会がロシア政府などが主催してモスクワで開かれた。
世界15か国から490の企業や研究所が参加した。
今年で3回目を迎えるこの展示会。
今回 ロシア政府が特別なパートナーと位置付けたのが中国である。
車両メーカーや端末メーカーなど中国から世界に打って出ている70以上の団体を招待された。
中国の技術力をロシアに広く紹介することで両国の技術協力を進めるのが狙いである。
会場を訪れたロシア人は中国企業の担当者の説明を熱心に聞き入っていた。
(ロシア人来場者)
「中国の技術が毎年向上しているのは興味深いです。
中国とロシアはますます関係が深まると思います。」
(中国企業担当者)
「ロシアの市場は十分に大きいです。
隣国のロシアと中国の協力には大きな可能性があります。」
イーゴリ・ベフジュクさんはモスクワに拠点を置く世界の貿易業トップ100に入る会社RTIで研究開発の担当役員を務めている。
中国との技術協力の拡大の可能性を探るため会場を訪れた。
モスクワ郊外にあるべフジュクさんの工場。
軍事用のレーダーから民政品のクレジットカードまで
様々な用途に使われるマイクロチップを製造し世界各地にに輸出している。
特にレーダー用のマイクロチップの引き合いが増えているのが中国である。
このため中国に工場を開設し現地生産を行っている。
中国向けの売り上げはここ数年 毎年15%ほど伸びている。
ただ国の安全保障にかかわる産業であるだけに外交政策の方向性が売り上げを左右する。
(RTI社副社長 イーゴリ・ベフジュクさん)
「欧米からの制裁という困難な状況のなか
新しい経済発展と技術革新への道を政府が見出すことを期待したい。」
今回 展示会で最も注目を集めたのはロシアと中国の首相が出席した会議である。
両国の首相がどのような発言をするのかべフジュクさんも演説を注意深く聞いていた。
このなかでメドベージェフ首相は中国との関係を重視する姿勢をアピールした。
(ロシア メドベージェフ首相)
「中国とともに先端技術を使って付加価値のある製品を作り出し
新たな市場を開拓することができる両国の協力には大きな可能性がある。」
これに対し李克強首相もロシアと協力して技術力を高めたいと応じた。
(中国 李克強首相)
「両国は技術を売り込み新たな市場を開拓できる科学技術大国だ
ロシアとの技術革新プロジェクトが前進することを望む。」
会議のあと自らも中国の投資会社の担当者から積極的に情報収集をしたべフジュクさん。
中国との関係を技術開発の分野にも広げていけると期待を高めている。
(RTI社副社長 イーゴリ・べフジュクさん)
「互いの技術開発を進めることが両国にとって利益になる。
今後はアジアでの比重を高めていきたい。」