10月22日 NHK海外ネットワーク
「急にお金が必要になったら まずは当店に 多額の貸し出しも可能」
世界第2位の経済大国となった中国で、
銀行に替わるお金の借入先として注目されているのが質屋。
高級腕時計、宝石、高級車でもお金借りられる。
個人だけでなく中小企業も顧客である。
中国の7月~9月までのGDPは前年同じ時期と比べて+9,1%。
しかし、今年に入ってからは3期連続で伸び率が縮小し、
景気の減速が鮮明になった。
要因のひとつとして、
経済の過熱や、
物価の上昇を抑えるために政府が行なった金融引き締め政策の影響があげられる。
そのあおりで多くの中小企業が資金繰りに苦しんでいる。
主に欧米向けの製品を生産しているあるおもちゃメーカーは、
ヨーロッパの信用不安などの影響で、
今年の始めごろから欧米の企業から代金の支払いが遅れ、
運転資金の確保に頭を悩ませていた。
銀行からの融資では取引先への支払いに間に合わないが、
手を差し伸べてくれたのが質屋である。
おもちゃの箱80箱を質草に約400万円(30万元余)借り入れることが出来た。
全国で20店舗以上チェーン展開する中国最大規模の質屋は、
最近は中小企業を対象とした仕事が増え売り上げが伸びている。
中小企業は、これまで、銀行から土地や建物などを担保に融資を受けていたが、
政府が過剰な投資を防ぐため金融引き締め政策を採ってから、
審査が厳しくなりお金が借りにくくなった。
そこで注目が集まっていうrのが質屋。
銀行よりも金利は高くなるが価値のある質草があればお金を貸してくれる。
このため質屋を頼る企業が増え、
今や取引先の80%が中小企業である。
運輸会社がドイツの高級車(新車)を10台持ち込んで
約2,400万円(200万元)貸し出した。
海南島の民間の動物園は園内の改装資金が必要になり、
質草にしたのはゾウ。
えさ代や病気のときの保障は動物園側がすると決めた上で
約150万円(10万元)貸し出した。
さらにカバも質草になり、約150万円(10万元)貸し出した。
電線を作る会社は数ヶ月前2,400万円の資金が急に必要になった。
多額の貸し出しに見合う質草は製品の電線で約2,400万円(200万元)貸し出し。
銅などの価格が上がる中で電線は価値が高いと判断したのである。
中小企業は自社の製品まで質草にして資金を調達するが、
借金を返せないと製品が差し押さえられて、
経営が成り立たなくなる恐れがある。
景気の減速と、
金融引き締めの影で思わぬ質屋の利用が広がり続けている。