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見直されるロシアの食文化

2018-07-31 07:00:00 | 報道/ニュース

7月13日 キャッチ!ワールドEYES


ロシア料理と言えばボルシチやピロシキが有名だが
ロシアの人々の食への関心は冷戦後 西ヨーロッパの料理に向いてきた。
しかし近年
農産物の輸入制限の事情もあり
自国の食材を生かした食べ物を見直そうという動きが広がっている。

ワールドカップが決勝ラウンドに入ったこの日
人口約120万の中部の都市カザニでは
ベルギー対ブラジルの試合を観戦しようと多くのサポーターが集まった。
(観客)
「最高の試合になるでしょう。」
「観戦のためにロシアまで来ました。」
盛り上がっているのはワールドカップのスタジアムだけではない。
カザニではロシアの食の魅力を紹介するイベントが行われていて多くの人が訪れている。
ずらりと並んだトラックは
ワールドカップの試合が行われた11都市にまつわる料理が提供されている。
世界各地から来た人たちにロシアの食について知ってもらおうと
ロシア政府の支援を受けてレストランのオーナーなどが開催した。
トラックには
バルト海でとれた魚の酢漬けを乗せたパンに
中央アジアやロシアで広く食べられる
“ブロフ”と呼ばれるニンジンや牛肉の炊き込みご飯などが用意されている。
そして“ペリメニ”と呼ばれるロシアの水餃子。
(イベント主催者)
「このイベントで“ロシアと言えばボルシチ”といった固定観念を打ち破りたいです。」
ロシアが誇る食の素晴らしさを見直すべきだと強く訴えているのは他でもないプーチン大統領である。
(プーチン大統領)
「2000年代初めは食を輸入に深く依存してきた。
 これからは自国で製造したものを世界の市場に供給したいと考えている。」
ロシアの食を見直す動きはさまざまなところで広がりを見せている。
モスクワにオープンしたレストラン。
ロシア産の食材だけを使ったメニューが評判を呼んでいる。
メニューには食材のとれた地域や提供した農家の名前が書かれている。
ワインリストにも生産地が一目でわかるロシアとその周辺の地図。
当初は観光客が多かったものの
今では地元のロシア人も多く訪れるようになったと言う。
(来店客)
「ロシアでもレストランでおいしい食事ができるのを誇りに思いますね。」
(レストランのオーナー)
「ロシア各地でとれた商材がこのお皿の上に集まっています。
 料理は地元の人にも好評です。」
さらに食材の生産地を見て回るツアーも人気である。
モスクワ近郊にある農業や畜産の生産現場を体験できる観光施設。
500ヘクタールの広大な敷地では
トマトやキュウリなどの栽培のほか牛やヤギなどが飼われている。
施設を運営しているドミートリ―さんは
設計士の仕事の傍ら2年前にこの施設をオープンした。
ロシアの自然とそこから生まれる食材の魅力をロシア人に思い出してもらうために始めたと言う。
(観光施設運営 ドミートリ―さん)
「実際に農業を体感してもらい
 本物の食材を味わってもらいたいと思ったのです。」
ドミートリ―さんがいま力を入れているのはチーズである。
実はロシアではこれまでほとんど生産されず
多くがヨーロッパから輸入されていた。
しかしEUの生産の影響でチーズの輸入が減少。
こうしたこともドミートリ―さんの意欲を駆り立て
イタリアの農家などの指導を受けチーズの生産を始めた。
ドミートリ―さんが生産しているのは
カマンベールチーズやヤギのミルクから作ったチーズなど。
地元の畜産農家から仕入れた原材料の風味を生かして
今では20種類以上を製造販売するにまで至った。
(ツアー参加者)
「ロシアのチーズはおいしいのでよく買いますよ。」
ツアーの参加者たちは出来たてのモッツアレラチーズとトマトなどでイタリアのサラダ カプレーゼを作り
味わった。
(観光施設運営 ドミートリ―さん)
「ロシアの人々はより高品質の商品を待ち望んでいます。
 チーズの生産技術をさらに向上させたいです。」
広大な自然が生み出す食材。
そして食文化の見直しを進めるロシア。
それは自国の豊かさと魅力を再認識するきっかけにもなっている。



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タイ ドリアンブームの影で・・・

2018-07-30 07:00:00 | 報道/ニュース

7月12日 おはよう日本


ドリアンの世界有数の生産国のタイ。
クリームチーズのような濃厚な食感と独特の甘みが特徴のドリアン。
現地で1つ2,000円前後する高級フルーツである。
首都バンコクで開かれた“ドリアン食べ放題”のイベント。
実は参加者の多くは中国からの観光客である。
(中国からの参加者)
「とても甘くてすごくおいしいの。」
中国では消費者の健康志向に物珍しさも加わって
いまドリアンブームが起きている。
タイはブームの恩恵に沸いている。
タイで採れたドリアンの約8割が輸出されているが
多くは中国向け。
中国への輸出額は年間約290億円。
この5年で2倍以上に増えた。
冷凍ドリアンを作る会社も売り上げが急増。
今年の売り上げは去年の3倍に迫る勢いである。
(冷凍ドリアン加工会社 社長)
「タイのドリアンは中国の各地で知られるようになり
 好んで食べられています。」
ドリアン人気に中国のネット通販の巨人 アリババも動き出した。
ジャック・マー会長自らがタイを訪問して副首相と会談。
ドリアンなど農産物の販売でタイ政府と協力することになった。
5月にはグループの買い付け担当者が
大量のドリアンを確保するため農園や集荷場をくまなく見て回った。
(アリババ果物購買担当者)
「中国の消費者は安全・健康・栄養に関心があり
 その3つを満たすのがドリアンだ。」
中国でのドリアン人気はタイの農村の姿も変えつつある。
タイは世界有数の天然ゴムの生産国だが
ドリアン栽培に切り替える農家が相次いでいる。
天然ゴム農園を営む男性。
天然ゴムを15年間栽培してきた。
しかしこの数年 価格が低迷し
以前のようには儲からなくなった。
それに対してドリアンの価格は上昇する一方である。
男性は生活のため農園の半分を天然ゴムからドリアンの栽培に切り替えることにした。
(天然ゴム農家)
「ゴムの木は家族のようなもの。
 でも収入のためにはゴムの木を切ってドリアンを栽培する必要があるのです。」
この男性のような農家があまりに多く
作りすぎを心配した政府も実態調査を始めた。
ドリアンブームには警戒感も出始めている。




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きれいな海をまもる

2018-07-29 07:00:00 | 編集手帳

7月12日 編集手帳

 

 ひとり坂をのぼって、
海の見えるレストランに来た。
席に着く。
遠くに岬が見える。
そして<ソーダ水の中を貨物船がとおる>

武田鉄矢さんは若いころ、
この一節に衝撃を受けた。
テレビで語っている。
「こんなきれいな詞があるのかと思った。
 ソーダ水の中を、
 貨物船ですよ。
 自分の作詞を投げだしたくなった」。
荒井(現・松任谷)由実さんの『海を見ていた午後』である。

浮かんでは消えていく泡…そこには控えめながらストローの姿も浮かぶ。
今日的事情では清涼飲料に寄り添うこの名脇役の存在が、
どうも危うい。

スターバックスがプラスチックのストローを2年後をめどに全世界の店舗で廃止すると発表した。
レジ袋などとともに海洋汚染を招くと指摘され、
東南アジアにはプラごみの浮遊でビーチが台無しになった観光地もある。
禁止を求める声に紙製をはじめ材質の切り替えで呼応するという。

日常生活ではコップに傾くそれが少しちがった姿で見えてくるかもしれない。
無駄遣いをしないことも、
家庭でできる環境への配慮だろう。
ソーダ水の向こうには、
いつまでもきれいな海が見えてほしい。


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プラスチックごみ 削減・回収の動き

2018-07-28 07:00:00 | 報道/ニュース

7月11日 キャッチ!ワールドEYES


年間800万トンにのぼるプラスチックがごみとして海に投棄され
漁業に依存する人々の生活を脅かし
その生態系にも深刻な影響を及ぼしている。
そして今ヨーロッパなどでは
プラスチック製品の流通を禁止する新たなルール作りが議論されている。

アメリカ西海岸のワシントン州シアトル市は
7月1日
プラスチック製ストローやスプーン フォークなどの提供を全面的に禁止する措置に踏み切った。
アメリカの主要都市ではカリフォルニア州マリブ市に続く動きである。
シアトルが発祥のスターバックスなどのコーヒーチェーンや地元のカフェは
植物由来で肥料にすることができる素材のストローに切り替えた。
(市民)
「使い捨てストローの禁止はよいことで
 この動きを支持します。」
「余分なプラスチックをゴミとして出さないことはよいことだわ。」
鼻にストローが刺さったカメの痛々しい動画がネットで拡散したため
さまざまなプラスチック製品の中でも
ストローに焦点が当たっている。
環境保護団体によると
プラスチック製ストローはアメリカだけで毎日約5億本が使われている。
しかし小さすぎてリサイクルが進まないことから
大量消費・使い捨て文化の象徴ともなっている。
サンフランシスコやニューヨークの市議会にも
プラスチック製ストローの提供を禁止する条例案が提出されている。
主な代替となる紙のストローは
プラスチック製の2~3倍の費用がかかる。
そのためマリブのスムージー店ではコストがかかると反発。
(スムージー店 店主)
「年間で数千ドルもコストが増えてしまい
 非常に残念な気持ちです。」
それでも6月から紙ストローの提供を始めた。
一方シアトルで紙のストローを始めたレストランは
消費者の姿勢の変化によりコストを吸収できると考えている。
(レストランの店員)
「節約できるわ。
 以前はあらゆる飲み物にストローを提供したけど
 最近はお客から要望があったら提供しています。」
アメリカにはプラスチックごみをこれ以上増やせない事情がある。
今年1月 中国が
国民の健康被害や環境汚損に対する懸念が強まったことを受けて
各国の使い捨てプラウチックなど資源ごみの受け入れをやめた。
こうした事態にアメリカ西海岸の多くの自治体が頭を抱えている。
このうちオレゴン州はプラスチックごみのほとんどを中国に輸出していた。
代替先が見つからず
消費者がごみを分別しても
リサイクルできずに埋め立てせざるを得ない状況だという。
プラスチックゴミの問題は
6月カナダで開かれたG7サミット主要7カ国首脳会議でも取り上げられた。
カナダとヨーロッパ各国は
プラスチックの消費削減の数値目標などを盛り込んだ
海洋プラスチック憲章」を採択。
(カナダ トルドー首相)
「5か国は海洋プラスチック憲章に合意した。
 共通の目標はプラスチックごみの撲滅だ。」
しかしアメリカは日本とともに署名を見送った。
1人あたりのプラスチックゴミの発生量1位のアメリカと
2位の日本の消極的な姿勢が
カナダなどで指摘された。
発生してしまったプラスチックごみを回収しようという動きも始まっている。
オランダに本部を置く非営利団体OCEANCLEANUP。
カリフォルニア州とハワイ州の間の海域を漂流するプラスチックごみの回収を9月に始める計画で
6月にサンフランシスコで装置を公開した。
直径1,2m
長さ12mのパイプラインが海に設置されることになる。
このパイプを50本ほど接続し全長約600mほどの長さにする。
沈んだゴミを回収できるように
長さ3mのナイロンの生地を取り付ける。
これを船で沖へと引っ張って行き
人工的な海岸線を作る。
そして両端をゆっくり引き
漂流するプラスチックごみを捕らえようという作戦である。
この海域は「太平洋ごみベルト」と呼ばれていて
7万9,000トンのプラスチックごみが
160万平方キロメートル
日本の面積の4倍以上の範囲で漂流している。
試験的に回収したプラスチックごみの模様や文字などから
30%は日本からのものとみられるということである。
(オーシャンクリーンアップ)
「プラスチックは自然に無くならず
 時間が経つほど小さくなり問題が深刻になります。
 これ以上 海にプラスチックが紛れないようにしなければなりません。」



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外国人観光客 “早朝観光”に新たなニーズ

2018-07-27 07:00:00 | 報道/ニュース

7月7日 おはよう日本


日本を代表する観光スポット 東京スカイツリー。
オープンの前から外国人観光客が並んでいる。
外国人に早朝に来た理由を尋ねると
「混雑や行列を避けられるから
 早朝から動いた方がいい。」
日本を訪れる外国人旅行者は去年は2,869万人で過去最多を更新した。
こうしたなか観光庁は新たなニーズを探ろうと
外国人観光客を対象にしたアンケート調査を行った。
その結果浮かび上がったのが“早朝観光”のニーズである。
早朝や夜間に観光する場所やイベントがあれば
“行ってみたい”
“内容次第では行ってみたい”
と答えた人が85%にのぼった。
“東京の築地市場のように朝に見学できる場所があるといい”など
早朝の観光場所を求める声が多かったと言う。
この早朝観光にいち早く取り組んでいるところがある。
京都市である。
混雑を避けてゆっくり観光してもらおうと
観光協会やホテルなどが協力し
早朝の街なかをめぐるツアーを行なっている。
この日 朝一番からのツアーには外国人5人が参加し
伝統的な町屋を散策したり
伝統工芸の工房を見学したりした。
(外国人観光客)
「朝早い方が効率的に過ごせるし
 暑くなる前に動けていい。」
外国人には好評な早朝観光だが課題もある。
受け入れ側の態勢である。
観光庁が600余りの施設に尋ねたところ
76%が“従業員のやりくりが難しい”といった理由で
“早朝や夜間の営業を考えていない”などと答えた。
観光庁は外国人観光客のニーズに応え
早朝観光の受け皿を増やすため
営業時間を早めることなどを施設に働きかけていきたいとしている。




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大阪 “充電ボランティア” 地震当日の駅で

2018-07-26 05:39:51 | 報道/ニュース

7月6日 おはよう日本


6月に起きた大阪北部の地震。
地震の当日は交通機関が乱れなかなか目的地にたどり着けないなかで
多くの人がスマートフォンの充電が切れたり切れかかったりして困った。
そんななか
震度6弱を観測した大坂高槻市のJR高槻駅では
学生たちが機転を利かせて非常用の発電機を使った“充電ボランティア”が行われ
静かな反響を呼んでいる。
地震当日 昼過ぎのJR高槻駅は電車が止まり
外にあふれた人たちがスマホやパソコンを充電するサービスを利用していた。
活動はJRの運転が再開する夜10時過ぎまで行われ
約8時間でのべ200人が利用したという。
ネット上には感謝の声が数多く寄せられている。
充電器無料提供してた大学生たち 良い子すぎる
充電ボランティアすばらしいなあ!!!!!!
活動を行なったのは駅から5分ほどのところにキャンパスのある関西大学の学生たちである。
防災や減災について学ぶ社会安全学部に所属している。
当日どのように活動を行ったのか。
非常用の発電機など必要なものは災害に備えて大学があらかじめ用意していたものを使った。
集まったメンバーは15人以上。
多くの学生が住まいの壁にひびが入ったり電子レンジが落ちたりする被害を受けていた。
(活動に参加した学生)
「家の中で1人でいることが怖かったので
 人目のあるところにいたいと思っていたし
 僕異常に困っている人がいると思ったので
 何か力になれたらいいと。」
そこで考えたのが
JRの了承を得て駅前で行ったスマホの充電サービスである。
ふだんからスマホに慣れ親しんでいる若者ならではの発想だった。
学生たちは外国人のために英語の案内も書き加えた。
利用者は開始直後からどんどん増えていった。
開始2時間後の夕方4時には
駅のもう1つの出口でも行うことになった。
利用者が増えて足りなくなった充電用のコードは学生たちが家から持ってくるなどして用意した。
(活動に参加した学生)
「充電用のコードが不足しがちだったので
 近くの100円ショップで何個か用意して
 スマートフォンが今の時代 欠かせないものという認識がみんなある。」
利用者の中には
学生たちの活動を見て差し入れをしてくれた人や
充電が終わる前に譲る人もいて
自分たちも温かい気持ちになったと言う。
(活動に参加した学生)
「みなさん困っているが
 他の人のためという気持ちを忘れずにいたのがすごくすてきなことと思った。」
夜まで続いた駅での活動。
ある学生は利用者からかけられた言葉を聞いてハッとさせられたと言う。
夫の聴力に障害があるという女性からのひと言だった。
(活動に参加した学生)
「公衆電話がたとえ使えたとしても
 聴覚に障害があるために電話では意味がない。
 この充電を通してLINE(SNS)が使えるようになって本当に良かったと。
 困っていることはひとりひとり違うと
 今回のボランティアで実感できて本当にいい経験になった。」
時代に合った新しい形のボランティア。
学生目線の小さな心配りが多くの人の助けになった。


 

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ドイツ 郵便局電気自動車戦略

2018-07-25 07:00:00 | 報道/ニュース

7月3日 キャッチ!ワールドEYES


ドイツの街なかを走る黄色い配達車。
郵便流通会社ドイツポストの電気自動車である。
二酸化炭素の削減などを理由に
ディーゼル車から電気自動車への切り替えを進めている。
当初は大手自動車メーカーに製造を依頼したが生産台数が少ないとして断られ
2014年にベンチャー企業を買収。
自前で設計・生産を始めた。
ドイツポストはこれまで45,000台ある配送車の13%を電気自動車に変換。
2025年までに70%にあたる31,500台に増やす計画である。
電気自動車の積極的な利用の背景には
会社が抱える環境目標に加え実用的な理由がある。
(ドイツポスト広報)
「街なかでディーゼル車の通行が禁止になるかもしれません。
 ディーゼル車以外の方法を考えるしかなかったのです。」
ドイツでは2015年にフォルクスワーゲンのディーゼル車の排ガスをめぐる不正が発覚して以降
大気汚染対策としてディーゼル車の通行禁止をめぐる議論が活発になった。
今年5月末からはドイツで初めて北部のハンブルグの一部の市街地で通行禁止の措置が始まった。
ハンブルグ以外にも約70の都市で大気汚染が基準値を超えており
今後ディーゼル車の通行禁止措置は他の都市にも広がる可能性がある。
こうしたなかドイツポストには外部の企業から問い合わせが相次いだ。
そして去年
アメリカの大手自動車メーカーのフォードの販売網を利用して
他社へ販売に乗り出した。
ハンブルグの販売店にはこの日
ディーゼル車から乗り換えようという電機工場の経営者が訪れていた。
1か月4万円余でリース契約を結ぶつもりである。
(電機会社 社長)
「これなら排ガスが出ないので
 工場内に乗り入れできて便利です。」
ドイツポストは電気自動車の生産能力を上げるため
西部アーヘンの近郊に2つ目となる工場を完成させた。
既存の工場と合わせて年間2万台を製造する計画である。
ここで生産されるのは積載量が4,3㎥と8㎥の2種類の電気自動車である。
車体やソフトウェアなど車の生産に必要な部品はほぼすべて外注し
組み立てのみを行なっている。
郵便配達員の意見を設計に反映させており
使いやすさでは大手自動車メーカーに負けない自信があると言う。
(傘下のベンチャー企業 社長)
「配達用の電気自動車を最初に実用化した強みを生かし
 さまざまな企業の要望に応えたいです。」
ドイツポストの電気自動車を導入する企業も増えている。
バルト海に面するリゾートホテル。
4万㎡を超える広い敷地のあちこちに建物があり
客室のシーツやタオルを運ぶ際に電気自動車を使っている。
荷台の棚がホテル仕様となっているのが特徴である。
街でドイツポストの車を見かけたことがきっかけで
5月からリース契約を始めた。
1度の充電で走れる距離は80キロ。
最高時速も85キロしか出ないが
長距離で使うことがないため全く問題ない。
(リゾートホテル広報)
「ベビーベッドや洗濯ものなど何でも入ります。
 誰にでも使いやすいようにできています。」
ドイツポストにはすでに国内外のパン屋や牛乳配達業者などから注文が入っていると言う。
ディーゼル車から電気自動車へと移る消費者の心をつかめるのか。
異業種から参入したドイツポストの挑戦が続く。





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オーストリア 名門貴族の文化に触れる

2018-07-24 07:00:00 | 報道/ニュース

7月2日 国際報道2018


日本とオーストリアは来年 国交樹立150周年。
6月30日 都内である作曲家に焦点を当てたコンサートが開かれた。
モーツァルトやベートーヴェンと並び
ウィーン古典派の3大巨匠の1人とされるハイドンである。
演奏を披露したのはハイドンゆかりの町で活動するハイドン・フィルハーモニー。
♪「チェロ協奏曲第1番」では
指揮者がチェロの演奏をしながら美しいメロディを奏でた。
会場では楽譜やハイドンのサインが入った領収書など貴重な資料も展示された。
オーストリア国内以外で公開されるのは初めてである。
そんなハイドンの音楽活動を長年支えたとされるのが
エスターハージー家である。
ヨーロッパ有数の貴族で
ウィーンから約50キロ離れたアイゼンシュタットを拠点に
何世紀にもわたりこの地域の政治や文化の発展に多いな役割を果たしてきた。
エスターハージー宮殿はオーストリアでもっとも美しいバロック様式の建造つの1つと言われている。
イベントではエスターハージー家の歴史や当時の生活などについて説明があった。
エスターハージー家はこの地域の食文化にも影響を与えていたということである。
会場では代々伝わるレシピを生かした郷土料理や
オーストリアの地場の品種のブドウで作られたワインがふるまわれた。
エスターハージー家では17世紀からブドウ栽培とワインの醸造を手がけ
ハイドンへの給料の一部をワインで支払ったという逸話も残っている。
(イベント参加者)
「オーストリアのワインの文化の奥深さが感じられたので楽しかったです。」
来年で外交関係樹立から150周年を迎える日本とオーストリア。
これをきっかけに両国の間の交流が一層深まってほしいとイベントの主催者は期待している。
(エスターハージーグループ カール・ウェッセリー氏)
「両国の良好な関係が長く続いたことを踏まえ
 将来よりつながりが強くなることを希望しています。」

 

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「来た時よりも美しく」

2018-07-23 07:00:00 | 報道/ニュース

7月1日 編集手帳

 

 子供の無垢(むく)なる問いかけにたじろぐことがある。
「人数の多い方が正しいってどうして言えるの」
「正義のヒーローは悪者を殴っていいの」
「ついていい嘘(うそ)とついちゃいけない嘘って」

『答えのない道徳の問題 どう解く?』(ポプラ社)では、
著名人が自分なりの答えを披露している。
なるほどと膝を打ったり、
むむむと考え込んだり。
例えば谷川俊太郎さん。
<嘘と本当を黒と白みたいに、
 正反対なものとしてとらえるのは単純すぎる>

回答の向こうに、
それぞれの来し方が透けて見える。
個々の内面的な原理として働く道徳を、
どんなふうに教えるのか。
今春から小学校で道徳が教科になった。
国語や算数と同様、
教科書を使い、
評価もする。

現場では戸惑いの声も聞かれよう。
けれど、
ヒントになる題材は方々にありそうだ。
「日本の観客は、
 なぜ競技場のゴミを拾うのか」。
サッカーのW杯、
外国人記者の質問に吉田麻也選手が応じていた。
「日本には『来た時よりも美しく』という言葉がある」

大事な一戦を前に、
さらりと自国の美学を説ける。
そんな技量もまた、
道徳力を測る指標と言えまいか。


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ニュージーランド 世界初 首相が産休 その背景には

2018-07-22 07:00:00 | 報道/ニュース

6月30日 おはよう日本


生まれたばかりの赤ちゃんを抱いているのは
ニュージーランドのアーダーン首相(37)。
6月 第1子となる女の子を出産し6週間の産休に入り
世界中で話題になった。
アーダーン首相は去年10月 37歳の若さで首相に就任。
その3か月後 妊娠していることを公表し
現職の首相として世界で初めて産休を取得する意思を示した。
(ミュージーランド アーダーン首相)
「多くの女性が道を切り開いてくれたので
 首相と母親の両立が可能になったのです。」
産休中は副首相が職務を代行。
首相の決断を国民の多くは好意的に受け止めている。
(市民)
「多くの働く女性が直面する課題を首相が乗り越えられるならすばらしい。」
「新しい風が吹いて
 より良い未来になると期待してる。」
こうした背景には国民が誇りにしてきた歴史がある。
実はニュージーランドは
1893年に世界で初めて女性に国政選挙権を認めた国でもある。
10ドル札にはその運動を率いた女性が描かれている。
女性の政治参加に積極的に取り組んできたニュージーランド。
議会ではいま女性議員が全体の40%を占めている。
議場内にも赤ちゃんを連れてくることが許され
授乳も可能である。
子連れの女性議員が発言するときなどには
議長が代わりに赤ちゃんを抱っこしてあげることも。
(マラード議長)
「大切なのは女性が議会に受け入れられていることをはっきりと態度で示すことです。
「議会は社会のあらゆる立場の人の意見を反映させなくてはいけません。」
議会では環境づくりにも力を入れている。
議場のすぐ近くに設置されているファミリールーム。
子どもを寝かしたりおむつを変えたりできるようになっている。
子どもの食事を用意するための台所もあり
議員の家族であれば24時間いつでも使える。
さらに議会に敷地内には保育所もある。
女性議員の要望で作られた。
朝7時半から夕方5時半過ぎまで子どもを預けられる。
「子どもを預けてすぐに職場に行けるのでとても便利です。」
整えられた子育て環境。
そして今回の首相の決断が他の女性議員を強く後押ししている。
ジェンター女性相(38)は8月に出産を控え
最長で3か月の産休を取得することにしている。
(ニュージーランド ジェンター女性相)
「当初はまわりにどう伝えたらいいのか悩みました。
 でも首相が前例をつくってくれたので言いやすかったです。」
ジェンター女性相は女性の地位向上を進めるには
政治の現場から積極的に行動する必要があると言う。
(ニュージーランド ジェンター女性相)
「政治家はニュージーランドが目指す姿を示すべきです。
 市民も首相と私の決断が
 子育てをしながらキャリアを積みたい女性たちの象徴となることを期待しています。」
女性の社会進出で世界をリードしてきたニュージーランド。
6月24日
出産後 初めて公に姿を見せたアーダーン首相は
自らの決断を弾みに
社会がさらに変わっていくことに期待を示した。
(ニュージーランド アーダーン首相)
「子どもたちが将来自ら希望する働き方と家庭のあり方を選択できるようになってほしい。」




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キャッシュレス先進国 スウェーデンの課題

2018-07-21 07:00:00 | 報道/ニュース

6月29日 キャッチ!


スウェーデンは
暮らしの中で現金を使わず
カードやネットなどで支払いをするキャッシュレス社会の先進国として知られている。
首都ストックホルムの街中にあるカフェはいまどき珍しいと話題になっている。
それは支払いを現金でしか受け付けないこと。
カード決済の手数料がかからないぶん値段を安くしていることが売りである。
客はこの店に来るためだけに現金を用意する。
(オーナー)
「開店以来 他店より値段を安くしています。」
現金払いの店が話題になるほどスウェーデンのキャッシュレス化は進んでいる。
地元の人たちでにぎわうどの店を訪ねても支払いはすべてカード。
店には読み取り機しか用意されていない。
市民の多くは現金を持ち歩かない。
持っているのは小さなカード入れだけである。
(客)
「現金を持つ機会が無いからカード入れで十分です。」
キャッシュレス化が進むのはカフェやレストランだけではない。
マーケットで女性が支払いに使ったのはスマホでお金を送るサービス。
公衆トイレもキャッシュレスである。
生活のあらゆる場所から現金の姿が消えつつある。
キャッシュレス化が進むのは
支払いの手続きを簡単にすることで消費の活性化につながり
お店にとっては人手がかからなくなるからである。
また政府にとってはお金の流れが透明になるため
税金逃れを防ぐことができる。
一方でキャッシュレス化が広がり暮らしにくくなったと感じる人たちがいる。
多くは高齢者である。
そのひとり 73歳のマイリースさん。
スウェーデンでは年老いても子や孫と離れて暮らす人が多く
新しい技術について行くことができない場合がある。
マイリースさんも全てキャッシュレスになることが受け入れられず
生活に使うお金は現金を週に1度ほど引き出して現金で持ち歩いている。
(マイリースさん)
「財布の中の100クローナ札が数枚なら
 また500クローナを下ろします。」
食品や日用品を買うときは現金で支払う。
理由の1つが詐欺や不正送金など犯罪の被害にあうのではないかという心配である。
新聞に注意を呼びかける記事が載るのは珍しくない。
(マイリースさん)
「ここを見て。
 オンライン銀行の口座がハッキングされたというニュース。
 犯人は高齢者を狙っています。」
インターネット上電話番号の資金管理や送金の手続きが難しいことにも負担を感じている。
(マイリースさん)
「オンラインの手続きを間違えてしまうんじゃないかと不安なんです。
 何かあった場合 聞ける人が近くにいません。
 “カード払いのみ”を見ると
 社会から締め出された気持ちになります。
 現金で生きてきた世代にも配慮があるべきです。」
キャッシュレス社会を生きる方法を身につけようという動きもある。
それぞれの地域にある高齢者向けの教室。
ストックホルム郊外では近くに住む人たちが集まって
タブレット端末を使って電子送金の手続きを練習していた。
(受講者)
「結構難しいけどなんとか使えます。」
「キャッシュレス社会にもついて行きたいです。」
(講師)
「ついていけない人はたくさんいると思います。
 新しい技術は難しいですから。
 高齢者の場合はゆっくり学ぶことが大切だと思います。」
取り残される人をどう減らすかというキャッシュレス先進国の課題。
乗り越えるには
積極的に学ぶ人を増やせるかがカギになりそうである。


 

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子育てに悩む親たちへ 心に響くメッセージ

2018-07-20 07:00:00 | 報道/ニュース

6月28日 おはよう日本


去年6月28日に
数多くの育児書を書いたことで知られる
児童精神科医の佐々木正美さんが81歳で亡くなった。
子育ての悩みを解決するいちばんいい方法は
子どもを変えようとしないことです
「子どもが望むような親」に自分自身がなるといいのです
佐々木さんの著書は
子育てが思うようにいかないと悩む親たちの間で
主に口コミで広がって
大きな支えになっている。

6月 東京世田谷区にある書店で佐々木正美さんの本を特集するフェアが始まった。
シリーズ累計80万部を超えるロングセラーや
今月発売されたばかりの新刊もある。
佐々木さんのメッセージを見つめ直してほしいと企画された。
(来店者)
「自分の子育てのしかたが間違っている気がしてしまうことはたくさんなる。
 こういった本を読むことで見つめ直すことができる。」
「あらためてていねいに読むと
 自分の子育てを振り返るいい機会。」
佐々木さんは
自閉症など発達障害の子どもたちを50年以上にわたって見続けてきた児童精神科医である。
一貫して“大人の思い通りに育つのがいい子どもではない”というメッセージを伝えてきた。
失敗しても同じことを繰り返す
これは幼児期の子どもの大きな長所です
親が望む子どもにの育てるのではなく
「子どもが望んでいる親」になる
手のかからない子がいい子だなんて
そんなのは大きなまちがいですよ
小さいころにとぉかけさせてくれる子が
本当はとてもいい子なんです
佐々木さんのメッセージに救われたという母親がいる。
ひとり娘は現在4歳。
ふとしたことで怒り出し手が付けられなくなることに悩んできた。
(母親)
「気に入らないことがあったら自分で感情を抑えられなくてひっくり返って暴れて。
 私が悪いというか
 自分のなにがいけないのかなとすごく考えました。」
しかし1年前
佐々木さんの本で読んだひとつのメッセージに胸のつかえがとれた。
小さいころに手をかけさせてくれる子が
本当はとてもい子なんです
(母親)
「救われました。
 この言葉で。」
そして娘への向き合い方を変えた。
通うのは佐々木さんの考えを実践している幼稚園。
子どもが落ち着かない場合
親はすぐに帰らずそばにいるようすすめている。
遊びの邪魔をされた娘が突然起こり出した。
娘が何かを訴えるたびに母親は願いを聞いてあげる。
すぐに満足させてあげれば子どもの要求はエスカレートしないというのが佐々木さんの考えである。
最近は娘が落ち着いてきたと感じている。
不安も少なくなってきた。
(母親)
「要求に応えてあげる。
 “抱っこしてほしい”と言われたら抱っこする。
 “膝の上でごはんを食べたい”と言えば膝に乗せてごはんも食べる。
 娘の願いは本当に小さなことで
 それをかなえてあげることは意識している。」
佐々木さんが亡くなってから1年。
妻の洋子さんのもとには今も途切れることなく手紙が届いている。
本を読んだ親たちからの感謝の手紙である。
(佐々木正美さんの妻 洋子さん)
「亡くなってもパパのことを忘れないでいてくれる人がこんなにいる。
 パパがいったように育てて良かったと言ってくれる
 パパも喜んでいるし
 私もうれしい。」
佐々木さんのメッセージは子育てに追われる日々の中で親たちが忘れがちなことを教えてくれる。
「いい子」とは
大人にとって「都合のいい子」のことです
いい子だからかわいがるのではなく
かわいがるから本当のいい子になるのです




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断熱技術で勝負! ロシア中小企業の挑戦

2018-07-19 07:00:00 | 報道/ニュース

6月27日 国際報道2018


この春 大阪にオープンしたロシア企業のショールーム。
作ったのはロシア極東のサハリンで窓を製造する会社である。
従業員200人足らずの中小企業が通貨安をを背景に日本市場への進出を図っている。
これまで日本にほとんど進出してこなかったロシアの製造業。
その技術も売りにしている。
(エンジニア)
「この金属の補強材により窓は完全に密閉されます。」
ドイツのメーカーから導入した窓を密閉する技術は
一般的な窓に比べ伝わる熱は半分以下に抑えられるという。
サッシの中に入れる金属の棒も断熱性を高める。
会社のあるサハリンは冬の気温が氷点下30度以下になるため
断熱性の高い窓は欠かせない。
そのサハリンでこの会社の窓は約70%のシェアを占めている。
(利用者)
「この冬は寒さを感じず
 家の中では裸でいられるくらいでした。」
カールヴィ社社長は
サハリン製の窓は日本でも夏の暑さから部屋を守りエアコンの節約につながると
日本市場への進出に自信を示した。
(社長)
「日本の窓はエネルギーを無駄にしてしまっている。
 近い将来この状況が変わると考え進出を決めたのです。」
3月に社長は省エネ技術のコンサルタント会社を訪ねた。
日本政府が2020年までに新築建築物などで省エネ建材の使用を義務付ける方針を打ち出すなか
極寒のサハリンで培われた断熱性に優れた窓が注目された。
(省エネ関連企業 担当者)
「寒い地域で培った技術などを弊社でも生かしていきたい。」
販路拡大に手ごたえをつかんだ社長。
日ロ両国の交流にもつなげたいと意気込んでいる。
(カールヴィ社社長)
「私たちの製品は日本の省エネの発展に貢献できる。
 隣国同士 もっと交流することで
 お互いの文化を豊かにできると信じている。」




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ビットコイン 増大する消費電力

2018-07-18 06:15:00 | 報道/ニュース

6月26日 キャッチ!ワールドEYES


投機の対象として注目を集めている仮想通貨ビットコインの引き起こす消費電力の増大。
現在世界には約1,600種類の仮想通貨が存在し
全体の時価総額は6月26日現在で約28兆円と言われている。
その中で2009年に誕生したビットコインは最も多く取引され
時価総額は全体の4割にあたる約12兆円。
1BTC=68万円と高い水準で取引されている
仮想塚をつかさどるブロックチェーンの仕組みは
円などの法定通貨の取引の場合
金融機関が持つ巨大なサーバーによって履歴を一括管理している。
一方でビットコインなどの仮想通貨は取引の履歴を管理する機関が存在していない。
代わりにネットワークでつながる世界中のサーバーが
取り引きの履歴を互いに照合して信頼性を保っている。
これがブロックチェーンという仕組みである。
新しい取引記録を結び付けるためにはコンピューターによる計算が必要になるが
それを成立させた場合
報酬として通貨を受け取ることができる。
これを金などの採掘になぞらえて
マイニングと呼んでいる。

カナダ国境近くの町ブラッツバーグはとてもゴールドラッシュの現場には見えない。
しかし小売店の裏にある建物の中には膨大な数のコンピューターが設置されて
仮想通貨のマイニングのためだけに大量の電力が消費されている。
これは町の電気料金が極めて安いために起きているが
地元の人たちは怒っている。
(住民)
「マイニング業者はいいとこ取りをしている。」
ブラッツバーグではこの100年の間水力発電で大量の電気が発電されてきた。
ナイアガラの滝の生み出す電気のおかげで
現在の電気料金はアメリカ平均の約3分の1である。
しかし落とし穴もある。
利用量が一定を超えると通常より高い料金を支払うことになる。
(ブラッツバーグ コリン・リード市長)
「消費電力が割り当てを超えると突然値上がりする。
 めったにないことだったが
 マイニング業者が来てからは定期的に起こる。
 3~4割料金が上がる。」
 これまで住民が真冬に支払ってきた電気料金は月100ドル(約1万1,000円)
 この大半は暖房によるものだが
 もともと電気料金はとても安かった。」
地元企業も安い電気に助けられてきた。
(製造会社社長)
「電気業金が一晩で変わった。
 2~3割上がった。」
500人の従業員で毎日1,100万個のプラスチック製品を作る会社の社長。
「製造しているのはキャップや容器。
 最近では子どもが開けるのを防止する容器のふたも作っている。」
利益は多くないが
3月は電気代が2万2,000ドルで利益はさらに減った。
消費電力が割り当てを超えたのである。
マイニング業者が原因だと言う。
(製造会社社長)
「われわれの2倍の電気を使うから影響は大きい。」
19歳のブリエンザさんは会社運営のため大学進学を先延ばしにしている。
彼の仕事は顧客のコンピューター200台の管理である。
(マイニング業者 ブリエンザさん)
「ここよりもニューヨークやカリフォルニアは電力コストは
 都市部の電気はここの管理費用よりも高い。」
ブリエンザさんは安い電気を大量に使っているが
プエルトリコに拠点がある別のマイニング業者は近くでさらに多くの電力を消費している。
建物に看板はないがドアが開け放たれ巨大な扇風機で熱を廃棄。
数千台のコンピューターも街全体の電気の10%を消費している。
しかしマイニング業者がワシントン州やこの町など電気料金の安い町にひかれるのは無理もない。
(マイニング業者 ブリエンザさん)
「電気代が安ければ利益が出ます。
 コンピューター1台あたり月150ドル(約1万6,000円)ほど。
 うちの学校の先生が電気料金が上がっていると苦情を言っている。」
それだけではない。
(住民)
「住民が負担する必要はない。」
3月に市議会は住民を集めて苦情を聞き
新たなマイニング業者の参入を1年半禁止した。
しかし彼らはあきらめていない。
(マイニング業者 ブリエンザさん)
「ビジネスを続けている他の探している。
 電気が安い場所はいろいろある。」

世界全体でビットコインの消費電力は年間71兆ワット。
1年前の6月当時の14兆ワットと比べ急増している。
これは電力消費量で見ると
世界で40位のチリの年間消費量に相当する。
日本は中国・アメリカ・インドに継ぐ世界4位の電力消費大国だが
ビットコインでの消費電力量は年間で7,6%に相当する大きなものである。
2016年では主に電気の安い中国でマイニングが行われていたが
2017年1月に政府当局が
ビットコインに関するあらゆる投機に対して徐々に締め付けをおこなったために
現時点ではマイニング業者は中国から撤退していると言われている。
北米や北欧にその工場を移設・増設している。
電力を供給するスピードが追い付いていない。
それが世界的な問題になってくる。




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女性の運転解禁 サウジアラビア“改革”の行方

2018-07-17 07:00:00 | 報道/ニュース

6月25日 国際報道2018


サウジアラビアでは
禁止されていたスタジアムのスポーツ観戦が今年1月に解禁
映画館の設置も4月に解禁
義務付けられていた女性の黒い衣装についても緩和の方向に向かっている。
そして車の運転も6月24日に解禁された。
この一連の改革を主導したのが
次期国王と言われるムハンマド皇太子である。
サウジアラビアは国の収入の70%以上が石油に依存していて
近年の原油安によって巨額の財政赤字を抱えている。
ムハンマド皇太子はこの石油依存からの脱却を目指していて
そのためには女性の社会進出が必要だと考えている。
女性の社会進出が進めば
労働人口が増加し
生産力が増す。
もう1つのねらいは外国からの投資の呼び込みである。
サウジアラビアが持たれがちな“閉鎖的で変わった国”というイメージは
外国の投資家にはリスクとうつり
投資を控える原因になっているとも言われている。
ネガティブなイメージを払しょくするための改革の1つが
今回の女性に運転の解禁なのである。

サウジアラビアで初めての女性専用の運転教習所。
今年 政府が女子大学の中に新たに設けた教習所である。
免許の取得を目指す女性たちがシュミレーターを使って車の運転方法を学んでいる。
(教習生)
「今日は最終日。
 免許がもらえたら祖母を乗せてカフェやスーパーに行きたい。」
サウジアラビアの慣習に配慮して教官も女性である。
海外の免許を持つなど運転経験のある女性たちがかき集められた。
(教官)
「実際に道路に出るとどんな危険があるか予測できるよう彼女たちに教えています。
 女性の運転解禁でサウジアラビアの経済レベルが高まると思います。」
6月24日長年禁止されていた女性の運転が許可された。
日付が変わるとともに女性たちは次々とハンドルを握りドライブに出かけて行った。
(女性ドライバー)
「歴史的な日です。
 こんなことが起こるとは・・・。
 でも現実になったのです。」
運転免許を取得したマイスーン・アブバクルさん。
サウジアラビア国内でジャーナリストとして働いている。
(マイスーンさん)
「免許証を手に入れてとても誇らしいです。」
これまでマイスーンさんは自分で運転ができないためドライバーを雇っていた。
予定の変更が多いジャーナリストの仕事を続けるうえで
どこに行くにもドライバーと予定を調整しなければならず
行動に制約を感じていたと言う。
(マイスーンさん)
「自分自身の力で行きたい所へ行くのが夢でした。
 運転が許可されたらジープを運転して広大な大地を駆け巡りたいです。」
自宅の駐車場で車庫入れなどの練習をして解禁を心待ちにしていたと言う。
そして迎えた運転解禁日。
マイスーンさんは初めて公道で車を運転した。
(マイスーンさん)
「これがキングファハド通り
 リヤドのメインストリートです。」
長年の夢がかなったマイスーンさん。
充実した一日を過ごし
運転できることの素晴らしさを実感した。
(マイスーンさん)
「今日は家から仕事に行って
 それからスーパーに買い物に行きました。
 家事と仕事を両立している女性にとって運転は本当に便利なことだと思います。」
車の販売店も新たな顧客の誕生に期待を寄せている。
女性客に対応するため新たに女性スタッフを雇用した販売店。
新スタッフは「運転解禁で車の売り上げだけでなく女性の雇用も増える」と期待している。
(新スタッフ)
「女性のお客様が最適な車を選べるよう
 きちんと説明したいです。」
女性の運転を解禁する一方で
政府は強権的な姿勢も見せ続けている。
運転の解禁をはじめとする女性の権利向上を訴えてきた活動家らを一斉に拘束。
政府メディアは
“外国政府から支援を受けスパイ行為を行なった裏切りもの”と報道した。
この拘束の背景には
改革を快く思わない保守層の反発をかわす狙いがあるのではとの見方もある。
ただ専門家は
こうした強権的な支配体制のイメージを払しょくしないかぎり
近代化に欠かせない外国企業の誘致は難しいと指摘している。
(サウジアラビア専門家 ジェーン・キニンモントさん)
「サウジアラビアは外国の投資を求めているが投資は増えていない。
 女性の運転解禁はサウジアラビアのネガティブなイメージを変えることにつながると思うが
 一連の拘束劇はキャンペーンに水を差しかねない。」
イエメンへの軍事介入といった強硬な外交姿勢など
危うさもはらんでいるムハンマド皇太子だが
その改革は今後も勢いを保つのか
国際社会は今後も引き続き注視していくことになる。



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