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富山から世界へ “小水力発電”で安定発電

2017-01-31 07:15:00 | 報道/ニュース

1月18日 国際報道2017


日本の技術を使った今注目のクリーンエネルギー「小水力発電」。
海外進出も始まろうとしている。

田園地帯が広がる富山。
張り巡らされた用水路の先にある装置は小水力発電機である。
水力発電は
水が高いところから低いところへ流れるときのエネルギーを利用して発電する。
特に農業用の用水路などを利用する小規模なものを「小水力発電」と呼ぶ。
常に水が流れていて
安定した発電が出来るのがメリットである。
こうした小水力発電機のメーカーのひとつ
陸精機の開発担当の南弘雄さん。
南さんの会社では小水力発電機の中でもより小型の発電機を作っていて
平均的な家庭10世帯が1年間に使う量を発電できる。
(小水力発電機メーカー 北陸精機 南弘雄さん)
「川に置いているだけなんです。
 これが特徴なんです。
 普通の水力発電はこんな小さなものはあまりない。」
もともと除雪車などに取りつけるスクリューなどを手掛けているこの会社。
スクリューを水車の羽に応用し
弱い力でも効率的に発電できるようにしたという。
「らせんを切ったような状態の羽になっている。
 加工もしやすいし
 水を受けてみると形状が簡単で良かった。
 うちで開発しました。」
発電機は1台約1,000万円~。
すでに全国各地で導入されているが
今年はさらに海外への進出も見据えている。
ターゲットは目覚ましい経済発展が進むミャンマー。
電気が普及している地域は国全体の約3割にとどまる一方
稲作が盛んで農業用水路が多いことに注目した。
そこでODA政府開発援助の事業に参加。
JICAから受注し最大都市ヤンゴンから500㎞ほど離れた農村への納入が決まった。
この日はJICAの職員と共に準備の状況を確認した。
(JICA北陸 仁田知樹支部長)
「いま見た装置がまもなく現地の無電化の村に入っていくことにわくわくしています。
 結果に期待したい。」
製品の性能を認めてもらい進出の足掛かりにしたい。
南さんの期待が膨らむ。
(小水力発電機メーカー 北陸精機 南弘雄さん)
「世界的に第一線をいっている会社にしたい。
 そういう思いです。」
この会社では今後現地での生産体制を整え
コストを今の4分の1に抑えることを目指すということである。


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スプリント王国ジャマイカ

2017-01-30 07:15:00 | 報道/ニュース

1月17日 国際報道2017


カリブ海に浮かぶジャマイカ。
国の広さは日本の40分の1。
300万人が暮らしている。
陸上が盛んなこの国で若者たちが目指すのはオリンピックの金メダル。
世界トップレベルの陸上クラブが5つあり
ボルト選手や元世界記録保持者のパウエル選手など
世界で屈指のスプリンターを輩出してきた。
なぜジャマイカから世界的なスプリンターが生まれるのか。
西インド諸島大学ではボルト選手を始め80人のトップ選手から摂取したDNAを解析。
ある遺伝子が関係していることを突き止めた。
(西インド諸島大学 アービング教授)
「99%のジャマイカ人が“スプリント遺伝子”を持っていることを発見しました。」 
その名も“スプリント遺伝子”。
瞬発力を生み出す「速筋」を作り出すのに欠かせない遺伝子である。
通常 人間の筋肉全体に速筋が占める割合は半分以下。
しかしスプリント遺伝子を持つジャマイカ人はこの速筋の割合が60%以上あることが
アービング教授の研究でわかった。
そしてこのスプリント遺伝子を上手く刺激してやることが
世界的なスプリンターを生み出す鍵だという。
(西インド諸島大学 アービング教授)
「遺伝子を機能させるためにどんな環境に置くかが大切です。
 その遺伝子を特定の環境で刺激する必要があります。」
スプリント遺伝子を刺激する試みは小学校から始まる。
体育の授業で頻繁に行われる短距離走。
低学年のころから素質のある子どもを発掘し
体を鍛え
競争心を植え付けていくのである。
(体育教師)
「とにかく“競うこと”を教えています。
 競争を楽しんで率先して競い合うようになります。」
そして選抜された子どもたちは陸上の強豪校へと進む。
中には家族と離れて下宿しながら陸上漬けの毎日を送る子どももいる。
その結果
高校選手権では100mで9秒台に迫る記録が次々と生み出されている。
17歳のジェボーン・マテソン君の自己ベストは10秒25。
2020年の東京オリンピックに向け期待されている選手である。
恵まれた才能
そして幼いころからの特訓が
スプリント王国の礎となっているのである。
(マテソン選手)
「子どもの時から負けるのは大嫌いでした。
 1番になるために必要なことはすべてやります。」
しかし世界のスポーツ界をむしばむ問題がここにも暗い影を落としている。
ドーピングである。
疑惑が持ち上がっているのは
北京オリンピックでボルト選手とともに金メダルを獲得したレスタ・カーター選手。
IOC国際オリンピック委員会が去年当時の検体を再検査したところ
薬物の陽性反応が出た。
それ以来姿を消していたカーター選手を探しだし直撃した。
(記者)
「2008年のドーピング疑惑がかけられていますが真実を教えてください。
 責めているのではなく本当のことを知りたいのです。
 ドーピングしたんですか?」
カメラを避けるように立ち去ったカーター選手。
ジャマイカの陸上競技連盟もこの問題に危機感をつのらせている。
(ジャマイカ陸上競技連盟 ワッツ財務部長)
「ドーピングが見つかった選手はか『国家の恥』
 スター選手まで疑われることになります。
 何があっても私たちの名声は汚されたくありません。」
才能にあふれた選手たちをどう導いていくのか。
スプリント王国ジャマイカは新たな課題にも直面している。



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冬に耐えて、 耐えて、 「サクラサク」

2017-01-29 07:15:00 | 編集手帳

1月24日 編集手帳

 

 「がんばって」とは声をかけない。
背中を叩(たた)いて励ましもしない。
ここが勝負どころと承知していても、
知らん顔で送り出す。
稲畑(いなはた)汀子(ていこ)さんの句がある。
〈受験子(じゅけんし)の旅立つ朝を常(つね)の如(ごと)〉

こちらの期待を負担に感じ、
またコチコチに緊張されては困るからね。
「がんばれ」とは言うまいぞ。
 知らん顔、
 知らん顔…。
我が家に受験生はいないのだが、
この半月ほどを一句の親心に似た気持ちで過ごしてきた。

いまは、
浪人中の息子に合格通知が届いたような心持ちでいる。
大相撲の初場所で、
大関稀勢の里(30)が初の賜杯を手にした。
あすには、
日本出身の力士として19年ぶりの横綱昇進が決まる運びである。

〈稀勢の里君(きみ)が何とかせにゃいかん〉(東京・後藤克好)。
その時事川柳が本紙に載ったのは8年前である。
「今場所こそは」と期待され、
そのたびに大事な星を落としてはファンをがっかりさせてきた。
本人がいちばん悔しかったはずである。
千秋楽の、
万感の涙が語っていた。

季節には早いが、
南国から寒緋(かんひ)桜(ざくら)の便りが届く頃である。
その言葉を贈ってもいいだろう。
冬に耐えて、
耐えて、
「サクラサク」。


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ひとの痛みを自分の痛みとして感じる

2017-01-28 17:30:00 | 編集手帳

1月23日 編集手帳

 

 生まれながらに魔法の力を持つエルファバは、
入学した大学で様々な事件に巻き込まれる。
自分では普通の女の子だと思っていても、
周りが勝手に邪悪な魔女の像を作り上げてしまう。
日本でも上演された人気ミュージカル『ウィキッド』である。

オバマ前大統領の娘としてホワイトハウスで8年を過ごしたマリアさんとサーシャさんも、
自身と「世間の目」の大きな隔たりを感じてきただろう。
8年前、
小学生だった二人は、今18歳と15歳だ。

多感な時期を“ファーストチルドレン”として生きた二人に励ましの言葉を贈った人がいる。
オバマ氏の前任ブッシュ元大統領の娘さんたちである。

「ホワイトハウスのプレッシャーや知らない人からの父親批判、
 大統領の家族としての重荷も終わり」
「これまでの経験を大切に。
 情熱を追求し、
 自分が何かを学んで」と、
前途の道しるべを米タイム誌に寄せた。
同じ経験をした人にしか語れない言葉があるのだろう。

二人の心には、
きっと響くものがあったはずである。
青春期にはだれもが、
ひとの痛みを自分の痛みとして感じる能力に秀でた“魔法使い”であるらしい。



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ひふみん“寒風 何するものぞ”

2017-01-28 16:30:00 | 編集手帳

1月21日 編集手帳

 

 アンケートでしばしば見かける設問がある。
「無人島に一つだけ持っていくとすれば、
 何を選びますか?」。
愛読書、ギター、家族の写真…答えは人それぞれだろう。

あれは『将棋年鑑』だったか、
加藤一二三九段の回答を覚えている。
〈羽生さん〉。
羽生善治三冠(王位・王座・棋聖)を連れていく、と。
無人島で将棋三昧の日々を送るつもりらしい。

当時最年少14歳でプロ入りし、
18歳でA級八段に登りつめて“神武以来の天才”と騒がれた。
服装から食事まで、
数々の伝説に「加藤一二三」と名前が彫られている強烈な個性は、
読者もよくご存じだろう。

成績の規定により、
引退が決まったという。
それが報じられた翌日(今月20日)の対局では、
「史上最年長勝利」の記録を77歳0か月で更新している。
江戸期の雑俳集『武玉川(むたまがわ)』の句を思い出す。
〈冬の牡丹(ぼたん)の魂で咲く〉。
寒風、
何するものぞ。
魂で咲く花は、
まだ枯れていない。

原稿を書きながら、
無人島に差し向かいで座る羽生さんの困惑した顔を想像しては、
ひとり、
思い出し笑いに誘われている。
最近の愛称で言えば、“ひふみん”のお人柄である。



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“トランプ発言”に揺れる日系企業

2017-01-27 07:15:00 | 報道/ニュース

1月17日 キャッチ!


トランプ氏は
国内の雇用喪失の原因はアメリカの雇用がメキシコに奪われていることが原因だとして
NAFTA(北米自由貿易協定)の見直しを主張している。
この協定はアメリカ  カナダ メキシコの3か国が互いに市場を開放するものだが
2008年に関税が完全に撤廃されて以降
自動車産業を中心に
生産拠点をアメリカからメキシコに移転させるケースが相次いでいる。
関税強化を訴えるこのところのトランプ氏の発言に
メキシコで操業する日本の自動車部品メーカーの間でも懸念が高まっている。

メキシコに工場をかまえる広島県の自動車部品メーカー。
自動車の変速機に使う金属部品を製造。
メキシコの工場で鋳造から加工まで一貫生産できる体制を整えている。
現在 従業員は約500人にまで増えている。
キタガワ メキシコ 北川宏社長。
進出したのは4年前。
一時ドル70円台まで進んだ円高の影響を避けられる上
NAFTAを活用できることが決め手だった。
(キタガワ メキシコ 北川宏社長)
「非常に労務コストが安いということもあるが
 メキシコ人は非常にまじめで
 立ち上げから非常に順調に進めてきた。
 メキシコに出たメリットは非常に大きかった。」
(トランプ氏)
「NAFTAはメリカにとって災難だ!」
しかしトランプ大統領はNFTAの見直しを主張。
11日の記者会見でも
メキシコに工場を移した企業に対して高い税をかけると訴えた。
(トランプ大統領)
「高い国境税を払うことになる。」
こうした経営環境の変化を受けて
同じ工業団地に入る自動車関連メーカーとの最近の話題は
もっぱらトランプ氏の最近の政策に集中する。
(エクセディダイナックス メキシコ 石井彰社長)
「自動車会社も迷われていたり
 少し様子を見ないといけないという感じ。」
(キタガワ メキシコ 北川宏社長)
「投資を新規に行おうとは意志決定できない。」
先行きがあまりに不透明で
今後の投資には慎重にならざるを得ない。
トランプ大統領が本当に関税を引き上げた場合どう対応するのか。
北川さんは社内で検討を始めている。
「たとえば5%の関税が乗ったら
 自動車メーカーは5%高くするしかないのか。」
(キタガワ メキシコ 巳波忠大副社長)
「自動車の最終販売のところでギリギリまで耐えるのかなと。」
(キタガワ メキシコ 平前勇工場長)
「部品のターゲットを絞って
 特化して技術を磨き
 安いコストで作ること目指していくべき。」
影響をおさえるためには地道な努力を続けるしかない。
(加工製品アドバイザー 太田尾正成さん)
「製品を傷つけないよう適切に機械を設置しないと不良品になってしまいます。」
現場では
競争力を高めるため
品質を向上させようと従業員の研修に力を入れ始めている。
(キタガワ メキシコ 北川宏社長)
「具体的な対策というのはまだ何も無くて
 ここメキシコでどういう状況になっても
 競争力を高めて競争できる企業を目指します。」



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80歳の名物司会者 最後のメッセージ

2017-01-26 07:15:00 | 報道/ニュース

1月14日 おはよう日本


アメリカの名物ラジオ司会者 ダイアン・リームさん(80)。
12月 全米で37年にわたり親しまれてきたニュース番組に幕を下ろした。
時代を見つめてきたジャーナリストの目に
トランプ次期大統領をめぐって揺れる今のアメリカはどう映るのか。

今朝も聴いてくれてありがとう。
ダイアン・リームです。
皆さんのご意見を楽しみに待っています。
毎朝10時
人々が心待ちにする声がラジオから聴こえてくる。
お聴きの放送は「ダイアン・リーム・ショー」です。
(タクシードライバー)
「もう20年以上聴いています。
 ほとんどのタクシードライバーが彼女の番組を聴いています。」
司会者のダイアン・リームさん(80)。
首都ワシントンから週5日にわたって全米に向けて放送されるこの番組。
政治 経済から芸能までさまざまな分野の専門家を招いて
ニュースの真相をわかりやすく伝えてきた。
もともと主婦をしながらスタッフとしてラジオ放送を手伝っていたリームさん。
率直でいて柔らかな語り口が評判を呼び
43歳の時司会者に抜擢された。
ラジオの司会者として初めて
ホワイトハウスの大統領執務室での生インタビューにも成功。
全米のリスナーから信頼と共感が寄せられてきた。
(ダイアン・りーうさん)
「私はゲストの考えを引き出すことに最大限努力し
 自らの主張は極力控えるように努めてきました。
 ラジオは心と心のコミュニケーションだと信じています。」
リームさんは80歳になっとのを機に
12月いっぱいでの引退を決意した。
番組には別れを惜しむメッセージが全米から次々寄せられた。
(リスナー)
「番組がなくなるなんて毎日寂しくなります。」
「ありがとう。
 どうしてもお礼が言いたくて。」
 子どものころから親の車の中で聴いていました。」
しかしリームさんは引退を前にやり切れない気持ちを抱えていた。
トランプ次期大統領から発せられてきた過激で攻撃的な発言の数々。
アメリカ社会から相手の言葉に耳を傾ける寛容さが失われてしまったと
感じていたからである。
(ダイアン。リームさん)
「アメリカは分断されてしまったのです。
 この選挙で人々のやさしさ亜礼儀正しさが崩壊する姿を目にして
 悲しくなりました。」  
“様々な情報が飛びかう今だからこそ真実を見極める力を持つことが大切だ”と
リームさんは言う。
(ダイアン・リームさん)
「ニュースを伝える側も受け取る側も
 何が真実なのか
 注意深く見極めなければいけません。」
12月23日 最後の放送の日。
スタジオにリスナーたちが駆けつけた。
寛容なアメリカを取り戻してほしい。
リームさんはリスナーに思いを託した。
我々メディアも十分ではありませんでしたが
賛成できない言葉にも耳を傾けることが大切なのです。
皆さんにお願いがあります。
自分の主張を押し付けるのではなく
ぜひ ほかの意見を聞いてほしいのです。
敬意をもって相手に接することです。
心を開いて
相手を理解しようという気持ちを持ってください。




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自動車部品メーカー 新規事業で生き残れ

2017-01-25 07:15:00 | 報道/ニュース

1月13日 おはよう日本


食べごろを迎えたトマト。
特殊なハウスで育てられた。
ハウスを管理するのは最先端の技術である。
開発したのは日本を代表する自動車部品メーカーのデンソー。
9年前のリーマンショックで売り上げが激減したのをきっかけに
自動車以外の分野への進出を模索してきた。
いち早く実用化したのがこの農業用ハウスのシステムである。
メインはセンサーである。
温度や湿度をはじめ二酸化炭素の濃度や光の量を感知。
コンピューターが最も早く育つ条件を自動ではじき出す。
この技術は手掛けている車内のエアコンなどの技術を応用した。 
例えば日差しが強くなると自動でカーテンが閉まる。
さらに室内が乾燥すると自動でミストが噴き出す。
このシステムは現在90軒以上の農家が導入し
生産量は平均で30%増えたという。
デンソーは他にも防犯システムや産業用ロボットなど
新たな分野への進出を加速させている。
(デンソー 新事業推進部 木股光喜農業支援事業室長)
「これからは
 自動車で大きな収益が伸びるのか伸びないのかという危機感は
 デンソーとしては持っていまして
 せっかく培った技術で他のところで事業を伸ばしていく。」 
こうした動きは自動車業界全体に広がっている。
去年開かれた新技術の展示会では
人工知能を使った対話ロボットを始め
新しい分野での活用を見据えた製品が数多く発表された。
ブースに展示されていたのは頭蓋骨の模型。
新技術が生かされているのは人口骨の部分である。
事故などで骨が失われた際に使われる。
開発したのは愛知県の部品メーカーである。
人口骨に応用した部分は点火プラグ。
ガソリンなどを燃焼させる部分で
白い部分はセラミックでできている。
この会社は点火プラグの世界トップメーカー 日本特殊陶業である。
エンジン内の高温にも耐え
さまざまな厚みのセラミックを均一に作る技術を他にも生かせるのではないか。
そこで安全で耐久性にも優れた人口骨の開発を進めることにしたのである。
この会社では自動車分野以外での売り上げを
5年後に今の10倍増の300億円にしたいとしている。
その背景には自動車業界の潮流の大きな変化がある。
燃料電池車や電気自動車の開発が急速に進み
点火プラグを使う車が減る可能性も高まっているのである。
(日本特殊陶業 事業開発事業部 横井等事業部長)
「すぐには私達のプラグがなくならないにしても
 いずれなくなる時代が来るかもしれない。
 大きな危機感を持っていて
 その中で新規の事業に取り組んでいる。」
部品の製造で長年培ってきた高い技術を生かし
新たな事業の柱に育てることができるのか。
部品メーカーにとって生き残りのカギとなっている。



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ベトナムで人気 日本人開発のアプリ

2017-01-24 07:15:00 | 報道/ニュース

1月12日 国際報道2017


道路を埋め尽くす大量のバイク。
ベトナムの首都ハノイの日常の風景である。
経済発展に伴って車の量も増え
おそるおそる道路を渡る外国人観光客の姿も目立つ。
(観光客)
「こんなの初めて見たわ。
 すごい混雑ね。」
「道路を渡るときは神に祈るしかないわね。」
ベトナムの道路事情をそのままゲームにした
その名も「ベトナミーズロード」。
ハノイやホーチミンなどの観光地を舞台に
バイクや車をよけながら道路を渡っていくシンプルなゲームである。
ゲームを開発した榎本香織さん(30)は
ハノイにあるソフトウェア開発会社に勤めている。
(榎本香織さん)
「ある日バイクや車をよけながら道を渡っているときに
 ゲームっぽいなと思って。」
去年6月にスマートフォン用のゲームアプリとしてリリースすると
ベトナム国内で話題となり
ダウンロード数はどんどん増えて2万回を超えた。
外国人ならではの視点にベトナムのメディアからの取材も相次いでいる。
(ベトナム人記者)
「ベトナム人にとってはあたりまえで
 誰も気にしていなかったことが
 外国の人には普通ではないというのが発見でした。
 ベトナムの交通マナーが良くなればと思います。」
(榎本香織さん)
「ベトナムの面白いことをゲームを通して紹介できたらという考えもあったので
 今はベトナムの国内向けみたいになっているんですけど
 最終的には世界に向けてベトナムの魅力を発信していきたい。」

ベトナムでのそおう市場の反響を受けて
榎本さんはいま新たなバージョンも検討しているということである。




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聖地エルサレム“アザーン”論争

2017-01-23 07:15:00 | 報道/ニュース

1月12日 キャッチ!

エルサレムの旧市街のあちこちから鳴り響く数々のアザーン。
聖地ならではの厳かな雰囲気をかもしだしている。
アザーンは1日に5回。
イスラム教の礼拝の開始を住民に広く知らせるのが目的である。
アザーンを唱えるタウフィーク・エラヤンさん(50)は
声の良さが認められ
10代前半から“ムアッジン”と呼ばれるアザーン専門の役割を担ってきた。
(ムアッジン タウフィーク・エラヤンさん)
「ムアッジンが出来るのも神の恵みで
 イスラム教徒としての務めです。」
イスラム教徒の人たちにとって生活の一部となっているアザーン。
ところがイスラム教徒とユダヤ教徒が隣り合わせて住むエルサレムでは
アザーンが対立の火種にもなっている。
アラブ系のパレスチナ人が住む東エルサレムのベイト・サファファ地区は
ユダヤ人入植者が住むギロ地区の隣町である。
(ユダヤ人地区住民 オフェル・アユビさん)
「こっちがユダヤ人のギロ地区で
 向こう側がパレスチナ人のベイト・サファファ地区です。
 とても近いでしょ。」
祈りの時間を迎えるころになると近くに5か所あるモスクから一斉にアザーンが聞こえてくる。
入植者の住民代表のオフェル・アユビさんは
特に早朝のアザーンが苦痛だと訴えている。
(ユダヤ人地区住民 オフェル・アユビさん)
「アザーンがとてもうるさく生活に支障をきたしています。
 たとえ何の音であれ
 朝4時半に起こされるのは耐えられない。」
住民たちの訴えは議会でも検討された。
政権与党が
拡声器を使ったアザーンを制限する法案を提出したのである。
これに野党のアラブ系議員は猛反発。
ユダヤ系が多数を占める議会で自らアザーンを唱えて抗議した。
結果 議場は大混乱。
(極右政党議員 ロバート・イラトブ議員)
「スマホのアラームがある時代になぜスピーカーでの放送が必要なのか。
 別にイスラム教を攻撃したいわけではありません。」
(アラブ系議員 アハマド・ティビ議員)
「これは明らかにイスラムを標的にした攻撃で
 宗教の冒とくにほかなりません。」
議会での論戦を横目にアユビさんは問題解決に向けて住民同士の話し合いを進めた。
地元の警察署に集会を依頼。
市当局もアザーンの騒音調査を実施した。
3年間にわたる隣町の住民との交渉の結果
問題解決に向けて協力していくことで合意したのである。
(ユダヤ人地区住民 オフェル・アユビさん)
「宗教や習慣を傷つける意図は全く無く
 生活を守りたいだけだと説得しました。」
一方 イスラム教徒の住民代表のモハンマド・エラヤンさんは
地域にあとから入植したユダヤ人の訴えになぜ耳を貸さなければならないのかと
放送に難色を示す地域住民の説得は簡単ではなかったという。
(イスラム教徒住民代表 モハンマド・エラヤンさん)
「最初は住民から批判が殺到して
 理解は全く得られませんでした。」
しかし粘り強い説得で話し合いがもたれた結果
街中でのスピーカーの設置は低い位置に分散させ
また大きな音量を出さないというルールのもとに
今後もアザーンの放送を続けるようにした。
(イスラム教徒住民代表 もk半窓・エラヤンさん)
「アザーンはイスラエル建国前から変わらずあるものです。
 私たちは生活を守り
 宗教を守るために行動したのです。」
神聖なアザーンは騒音なのか。
異なる宗教の人々が隣り合う聖地で
新たな議論が交わされている。


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批判に耳を傾けよ

2017-01-22 07:15:00 | 編集手帳

1月19日 編集手帳

 

 江戸期の殿様は家臣にかしずかれ、
したい放題に暮らしていたかと、
普通は思う。
〈いや、なるものではありませんよ〉。
広島藩の最後の藩主、
浅野長勲(ながこと)氏はある対談で語っている。

飯にネズミの糞(ふん)が交じっていても、
素知らぬ顔で食べたという。
〈誰かが腹を切らなければならんようになるので〉。
何によらず、
人の上に立つ者には寛容と忍耐が求められるのだろう。

そのどちらも持ち合わせないところが嫌われたのかも知れない。
就任直前の支持率で、
40%は歴史的な低水準という。
米国のドナルド・トランプ次期大統領である。

批判めいた指摘を受けるや、
闘争本能むき出しでツイッター攻撃に走る。
狭量と短慮が招いた数値だろう。
日本で使う「不徳の致すところ」にあたる言い回しは、
向こうにないのかしら。

批判に耳を傾けることの効用を、
シェークスピアは戯曲『十二夜』の登場人物に語らせている。
〈だってさ、
 友だちはおれをほめあげてばかにするが、
 敵は正直にばかだと言ってくれるんでね〉(小田島雄志訳)。
志村けんさんではないが、
この二文字、
「殿」によく馴染(なじ)むところが不気味である。



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大人になったら学者か博士

2017-01-21 17:30:00 | 編集手帳

1月11日 編集手帳

 

 ドイツの数学者ガウスに逸話がある。
ある問題に熱中しているとき、
医者がそばに来て、
2階で奥さんが危篤だと告げた。
ガウスは目をそらさず、
つぶやいたという。
「待つように言ってくれ。
 もう少しで解答が出る」

作家のアイザック・アシモフが『アシモフの雑学コレクション』(新潮文庫)に書き留めている。
これは少々度が過ぎた例だが、
研究以外は目に入らない没頭ぶりは古今の学者に共通する習性であり、
魅力でもあろう。
熱中することの美しさを米国の作家ジョン・スタインベックは別の表現で語っている。
〈天才とは、
 蝶(ちょう)を追っていつのまにか山頂に登った少年である〉と。

第一生命保険が『大人になったらなりたい職業』を保育園児と小学生に聞いたところ、
男の子では、
「サッカー選手」に次いで「学者・博士」が2位を占めた。
前年8位からの急浮上という。
無心に蝶を追いつつ、いつか山頂に立つ子もいるだろう。

そういえば、
「末は博士か大臣か」という言い回しを最近は聞かない。
いつぞやの「よみうり時事川柳」を思い出す。
〈勉強をせぬとああいう大臣に〉。
聞かないわけである。



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優しい人になること

2017-01-21 07:15:00 | 編集手帳

1月9日 編集手帳

 

 英国の名門大学オックスフォードには、
新入生に上級生が言葉遣いを仕込む伝統があった。
はっきりものを言い切らない。
モゴモゴしゃべる。
終わりに「でしょう?」をつける。
もちろん低い声で。

オックスフォード・アクセントの流儀らしい。
大声でまくし立てるのは見苦しい。
一人前の人はぼかした言葉を使う。
それが奥ゆかしいと、
英文学者の外山滋比古さんがある随筆に書いている。

思ったままを口にすれば、
時に相手を傷つける。
声高な自己主張ばかりでは議論にならない。
相手を気遣い、
尊重するのが大人の作法ということだろう。

123万人の新成人が、
新たな門出を迎えた。
世界を見渡せば、
人々の分断をあおるポピュリズムが台頭し、
罵詈(ばり)雑言を重ねる人物が大国の指導者になる。
作法も何もない。
生きる指針を見失う若者も多いのではないか。

人生で最も後悔しているのは、
優しさが足りなかったこと――
米国の作家ジョージ・ソーンダーズは大学の卒業生へ向けたスピーチでそう明かし、
「優しい人になること」を人生の目標にと説いた。
新成人に何を伝えるか。日本の大人も改めて考えたい。



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世界が注目!日本の「ひのき風呂」

2017-01-20 07:15:00 | 報道/ニュース

1月12日 国際報道2017


ひのきのさわやかな香りが心地良い日本伝統のひのき風呂。
しかし安価なユニットバスの普及などによって市場の縮小が続いている。
ひのき風呂を作り続けている静岡県富士市のメーカー。
販路を拡大したいと考えていた一昨年の冬に転機が訪れた。
大規模な開発が続くアラブ首長国連邦のドバイから
“ひのき風呂を輸出してほしい”と持ち掛けられたのである。
ドバイに建設されるホテルと高級住宅を合わせた60階建ての高層ビル。
その400以上の部屋にひのき風呂を設置する計画である。
(ひのき風呂販売メーカー 桐山 桐山明文さん)
「夢のようなウソのような本当の話。
 こんなところにこんなものを作るのかと思って。
 ドバイに来た方がそこでお風呂に入るという
 これはただごとじゃないと。」
しかし日本と異なり気温が高く空気が乾燥しているドバイ。
乾燥で割れない浴槽を開発する必要があった。
そこで木目の方向が異なる板を2枚割り合わせて割れにくくした
ドバイ専用のひのき風呂を考案したのである。
さらに日本を訪れる外国人をターゲットにした新たな取り組みも始めた。
外国人が多く訪れる京都のホテルに設置したのは
浴室全体にひのきを使った風呂。
外国人からは驚嘆の声があがるという。
世界で高い評価を得られれば
輸出が拡大するだけでなく
日本国内での再評価につながるとこのメーカーは考えている。
(ひのき風呂販売メーカー 桐山 桐山明文さん)
「お風呂に入る行為は
 日本人には普通すぎてわからなかったりする。
 癒しの文化
 お風呂に入る文化を文化ごと輸出する。
 海外でできた話題を日本に逆輸入する。
 日本人も海外で認められている日本のものを見て
 やはり日本のものはいいなと思ってもらえれば
 日本の方にも見直していただけるのではないかと思っています。」


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かつお節を世界の味に

2017-01-19 07:15:00 | 報道/ニュース

1月10日 国際報道2017


食の都パリ。
グルメガイドで1つ星を獲得しているフレンチレストランで提供されているメニューは
「ホタテと魚介だしのムース かつお節(KATHUOBUSHI)添えです。」
かつお節は現地でも日本語のままメニューに使われるほど定着しつつある。
「変わった味だけど大好き。
 おいしいわ。」
「いろんな感覚を呼び覚ます味ね。
 おもしろいわ。」
シェフのジャッキー・リボーさんは
かつお節は自分が作るフレンチ料理に欠かせない食材だという。
(ジャッキー・リボーさん)
「かつお節は料理にすてきな香りを与えてくれる。
 だしにかつお節を加えないと味がもの足りないんだ。」
かつお節が使われているのは一部のシェフの間だけではない。
地元のスーパーをのぞいてみると
毎週のようにかつお節を買っているという男性。
「スープやラーメンに入れて食べるんだよ。」
ところがこのかつお節の生産地を確認すると韓国産。
かつお節の人気に目をつけた韓国の業者が輸出しているのである。
大量の薪の煙でいぶして作る日本のかつお節。
伝統的なこの作り方ではEUの厳しい食品規制基準に抵触するため
日本から輸出ができないのである。
そこで輸出がだめなら現地で生産しようと
鹿児島県枕崎の業者など10社が連合を組んでフランスに工場を建設。
去年8月から試作品づくりに取りかかった。
枕崎でかつお節づくりを学んだフランス人2人を中心に
フランスに水揚げされたカツオを使って作る。
かつお節製造会社社長の大石克彦さんは
日本とフランスを行き来しながら開発を続けてきた。
目指すのは
枕崎で作る最高級のかつお節と変わらない品質である。
カツオの加工や削り方など工夫を続けること3か月。
去年の11月末に納得がいくかつお節ができた。
そのかつお節を持って初めての営業活動。
訪ねたのはグルメガイドで2つ星を15年守り続けているパトリック・ジェフロワさん。
フランスでも名をはせるジェフロワさんにかつお節を使ってもらい
その良さをその味をフランス全土に広めるのが狙いである。
(パトリック・ジェフロワさん)
「初めてですよ こんなかつお節は。
 口に含んだ瞬間かつお節の味が広がる。
 かつお節羽ふつうはこんなに味がはっきりしない。」
ジェフロワさんはすぐに厨房へと向かった。
一体どんなものを作るのか。
ジェフロワさんはかつお節をさらに細かくした。
混ぜ合わせた食材はバター。
「味見してください。
 かつお節入りのバターです。」
日本では思いつかない組み合わせだった。
「混ざっている。
 カツオの香りがすごい。」
(パトリック・ジェフロワさん)
「バターの脂肪分がカツオの風味をくるむから
 より強くかつお節の香りがするのです。」
パンにつけて食べても合うのではないかという提案だった。
さらにスモークサーモンなど薫製の香りが好まれる土地柄に合わせて
淡白な白身魚にかつお節の衣をまとわせたフライなど
新たな使い方も提案する。
(大石克彦さん)
「かつお節はいろんな食材の前に出ないで
 裏方から雰囲気が料理に出ている。
 おいしい。」
かつお節を使った新たなフレンチを食べた大石さんたち。
フランスの人たちに受け入れてもらう手掛かりになった。
(大石克彦さん)
「いろんな料理に使っていきたいと言われたでしょ。
 あれはすごいですね。
 もっともっと僕らは
 品質が良くシェフに喜んだもらえるようないいかつお節を作っていきます。
 がんばります。」
日本伝統の味から世界の味へ。
美食の国 フランスでの挑戦が続く。

 

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