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中国で広がる“出張訪問ビジネス”

2016-05-31 07:15:00 | 報道/ニュース

5月17日 キャッチ!


中国上海の中心部。
正午になると荷物ケースを積んだバイクが数多く行きかうようになる。
食事の宅配サービスのバイクである。
注文はスマートフォンなどから受け
提携する飲食店から依頼主のオフィスへ届けている。
スマホなどのモバイルネット利用者が6億人を超えた中国では
このようにネットを介して商品を届けたり
自宅を訪れてサービスを行う
いわゆる“出張訪問ビジネス”が盛んになっている。
市内のマンションに住むペットの飼い主宅に向かう荷物満載のバイクは
ペットのケアをするスタッフである。
道具の重さは約20キロ。
これでサービスのすべてを訪問先で行うことができる。
会社がこの訪問サービスを始めたのは去年。
利用客がペットをわざわざ店舗に連れていくことなく
自宅で手軽にサービスを受けられるという
一般の店との違いをアピールしている。
客はスマートフォンのアプリを使って
自分の都合のいい時間に予約を入れる。
バスルームが臨時のペットサロンに変身するとサービスの始まりである。
ペットの爪磨きや耳掃除
歯磨きにシャンプー。
普段慣れ親しんでいる自宅にいながらいたれりつくせりのサービス。
それでも料金は日本円で約2,800円である。
店舗設備などへの初期投資や
上海の高額な家賃がかからないため
料金は店舗とほぼ変わらない。
(利用者)
「店に出向かなくてもいいので時間が節約できますし
 自宅なので衛生的で犬もリラックスしてサービスを受けられます。
 個別サービスなので犬の近くに居られて安心です。」
年間の販売台数が2千万台以上。
世界最大の自動車市場の中国。
特に上海は車の保有台数が年に10%以上も伸びている。
そんな上海で人気が出ているのが洗車の出張サービス。
このサービスも簡単にスマホで注文を行うことができる。
市内に待機する300~400人の契約スタッフの中で
利用者の最も近くにいるスタッフが駆けつける仕組みである。
しばらくしてマンションの駐車場に現れたのは出張サービスのスタッフ。
まずスマホで車種やナンバーを確認。
バイクに積んだ専用の道具を使い
約40分かけて車体と室内の清掃を行う。
このサービスでも諸経費が節約できるので
料金は約700円。
町中に多くある一般店舗の料金とほぼ同じである。
洗車終了後に利用者はスマホの電子マネーで料金を支払う。
(利用者)
「忙しくて洗車に行く時間がなく渋滞もあるので。
 満足しています。」
(出張サービス会社代表)
「中国での車の保有台数は毎年急速に伸びています。
 利用者菜毎月120%~150%増で
 この市場の将来は明るいです。」
こうした出張訪問ビジネスのブームに乗って業績を伸ばしている日系企業もある。
家庭向けの清掃モップをスタッフが直接訪問してレンタルしている会社。
10年前に中国に進出した当初は
日系企業向けのフロアマットが主力だったが
ここ2,3年一般の家庭向け清掃モップでも業績を上げている。
この会社が売りにしているのが日本が得意とするきめ細かな訪問サービスである。
月に1度レンタルしたモップを交換する際
訪問スタッフがモップの使用状況を見ながら
利用客に掃除の方法を懇切丁寧に説明している。
なじみのないサービスをしてもらおうと会社は積極的なプロモーションを展開。
マンションの敷地内やスーパーマーケットの店頭などで
1か月に述べ80回宣伝活動を行い
利用者が家庭で商品を体験する機会をつくってきた。
出張訪問ビジネスのブームの広がりと相まって
契約件数を3年で3倍に伸ばしてきたという。
(ダスキン上海 上野進一朗さん)
「我々の商品は使っていただかないとわからない。
 まだ中国にはレンタルという仕組みが無いので
 訪問というスタイルが一番いいのかなと思う。」

 

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リオパラリンピックで車いす陸上の王者めざす

2016-05-30 07:15:00 | 報道/ニュース

5月16日 おはよう日本


時速30km以上。
競技用車いすのこの疾走感に魅せられて
競技を始めた選手がいる。
佐藤友祈選手(26)。
初めて出場した2015年ドーハ車いす陸上世界選手権で金メダルを獲得。
一躍リオデジャネイロパラリンピックのメダル候補に浮上した。
(佐藤友祈選手)
「自己ベストをつくして
 あとから結果はついてくるかなと思ってはいたんですけど
 こういう最高の形で結果が出せたのですごくうれしく思います。」
佐藤選手は岡山をベースに企業チームの選手として活動している。
午後6時 仕事を終えた佐藤選手が競技場にやってきた。
脊髄の病気が原因で
胸から下がマヒしている佐藤選手。
左手も自由には動かせない。
そんな佐藤選手の強さの秘密はなめらかなフォームである。
選手の多くは漕いだ後腕を大きく振り上げる。
しかしこれだと腕が離れている間は力をかけることができない。
一方佐藤選手は腕を大きく振り上げない分
必要最低限の動きで力を効率よく伝えることができる。
例えて言うなら
蒸気機関車の車輪を回すクランク。
まわりからは“省エネ走法”と呼ばれている。
これで終盤までペースを落とさず記録を伸ばしてきた。
しかしそんな佐藤選手も5年前までは引きこもりの生活を送っていた。
脊髄の病気で歩けなくなったのは21歳のとき。
レスリングやサッカーに励んだこともあった佐藤選手に訪れた
突然の苦難だった。
(佐藤友祈選手)
「仕事も辞めないといけなかったし
 そんな環境でどうやって生きていくんだ、と。」
食べてテレビを見て寝る。
そんな生活を繰り返す毎日。
体重は25キロも増えた。
しかし4年前
何気なく見ていたテレビに佐藤選手の目はくぎ付けになる。
画面の中では
2012年のロンドンパラリンピックで車いすの選手たちが
大声援が鳴り響くトラックを疾走していた。
(佐藤友祈選手)
「ここ出たいっていう感じで
 次のパラリンピックに出たいと思って。」
以来 持ち前の体力を生かし猛練習に励んできた佐藤選手。
しかし金メダルには高い壁が立ちふさがっている。
アメリカのレイモンド・マーティン選手である。
佐藤選手が引きこもり生活から抜け出すきっかけとなったロンドンパラリンピックでは
初出場にして4つの金メダルを獲得。
くしくも憧れのヒーローが最大のライバルとなった。
「打倒マーティン」を目指して特訓が始まった。
持ちタイムでマーティン選手に及ばない佐藤選手は
障害の程度が軽い別のクラスの選手を仮想マーティンに見立て
そのスピードについていく練習を繰り返す。
ライバルを超えるトップスピードを身に付けることで
マーティンとの持ち込めれば勝機が広がると考えている。
(佐藤友祈選手)
「最高の舞台 ステージだと思っているので
 ベストな走りをした上で結果としてメダルが伴ってきたら
 僕としてはすごく満足いくかなというふうに思う。」


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NY 人気の料理セットで本格クッキング!

2016-05-29 07:15:00 | 報道/ニュース

5月14日 キャッチ!


ブルックリン在住のアーティスト レイチェルさんは週に1度近所のワインショップを訪ねる。
でもお目当てはワインではない。
今話題の料理を作るための食材セットを受け取るためである。
中に入っているのは新鮮な野菜や魚など
値段は約4,500円で6食分の材料が入っている。
珍しい食材も入っている。
シイタケやランプと呼ばれる春にとれる野生のネギ。
ファロと呼ばれる小麦のなかま。
この材料を使ったレシピが入っているので
初めてのメニューでも大丈夫。
この日のメインディッシュは“タラのバター炒め”。
これまでほとんど家で料理を作らなかったレイチェルさん。
本格的に料理を始めたのはこのセットを使うようになってからである。
この1年で食生活が大きく変わったと言う。
(レイチェルさん)
「このサービスがなければ毎日同じつまらないものばかり食べてた。
 私みたいに料理が下手でも家でおいしい料理が食べられる。」
食材セットを販売している会社。
ニューヨークで食材セットを売るビジネスがヒットし始めたのは3年前。
オーナーのマイケル・ロビノフさんはその波に乗って去年起業した。
マイケルさんは料理をしない人を引きつけるために
オーガニック野菜や家庭料理ではあまり使わないような食材もあえて入れている。
(マイケル・ロビノフさん)
「おいしいだけではなく
 食卓の話題になるようなユニークで珍しい食材を提供することを目指している。」
マイケルさんはメニューのバラエティを広げるため常に新しい食材を探している。
この日は手作りチーズを作っている小さな会社を訪ねた。
こうした地元の良心的なメーカーを見つけ出して
ローカルの食材であることもアピールしている。
「高級な食材はなかなか消費者の手に届かない。
 食材セットに入れてお羅得ればとてもいい宣伝になります。」
レイチェルさんが料理にかけた時間は約40分。
ファロという小麦を炊き上げ
そこに炒めたケールと野生のネギ、シイタケを加える。
今日のディナーはルームメイトと一緒。
この1年でレイチェルさんは食事をすることが以前より楽しくなり
食卓での会話も増えた。
「バターの焦がし方もレシピ通り?」
「もちろん!
 自分の感覚は信用できないもの。」
(レイチェルさん)
「昔は決まり切った食材ばかりでつまらなかったわ。
 料理の腕も上がったし
 食生活がとても豊かになったわ。」

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結婚賛歌

2016-05-28 07:15:00 | 編集手帳

5月25日 編集手帳

 

 夫人が存命のうちに、
墓石に彫る言葉を考えたご亭主がいる。
17世紀英国の詩人ジョン・ドライデンである。
〈ここに葬られしはわが妻。
 安らかに妻を眠ら せたまえ! 
 今ようやく妻は心安らぐ、
 私もまたしかり〉
(大修館書店『〈さようなら〉の事典』)

末尾の1行が読む人をニヤリとさせる。
この墓碑銘もそう だが古今東西、
結婚にまつわる警句や格言に醒(さ)めたまなざしが多いのはなぜだろう。
結婚賛歌の名言が欲しい時代かも知れない。

昨年の婚姻件数は63万5096組と、
戦後で最少になったという。
人口そのも のが減っているのだから当然とはいえ、
何となく元気の出ない統計ではある。

結婚賛歌の都々逸がある。
〈目から火の出る所帯を持てど
 火事さえ出さなきゃ水入らず〉。
そうは言っても、
血走った目から火の出そうな“火の車”の所帯を好きこのんで持とうとする人はいまい。
つまるところ待ち遠しきは、
家計の潤う経済成長に結論は行き着くようである。

余談ながら、
妻の墓碑銘を用意したドライデン氏は先に逝き、
夫人のほうが14年も長生きしたという。
いつの世も、
未来は見通しがたい。

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茶道に向き合う中国の学生

2016-05-27 07:15:00 | 報道/ニュース

5月14日 おはよう日本

中国の広東外国外貿大学。
外国語や貿易実務のスペシャリストを大勢輩出してきた名門である。
お茶をたてているのは茶道部の学生たち。
部が作られたのは7年前
日本語学科に力を入れているこの大学に
日本政府が茶室を無償で設置したのがきっかけだった。
稽古は週に1回
日本語学科の学生にとどまらず50人が参加している。
(茶道部の学生)
「茶道はとても奥深くて魅力的です。」
顧問の岩間宗恭さん。
大学側の要請で日本の裏千家から派遣されてきた。
稽古ではお茶をたてる作法だけでなく
相手への細やかな心遣いなど
茶道の精神を教えている。
茶室の掃除は大切な稽古のひとつである。
お客さんに気持ちよくお茶を飲んでもらうため隅々にまで気を配る。
お茶をたてる前には3分間黙想する。
心を穏やかに保つためである。
(広東外語外貿大学 茶道部顧問 岩間宗恭さん)
「お茶って特別だと思いがちですけど
 日常生活と結びついているところがたくさんあって
 そういうのを私が言わなくても感じてほしいと思いながら稽古しています。」
日本語学科3年の林璐さん。
活動をしていくうちに茶道の奥深さに惹かれていったという学生の1人である。
(広東外語外貿大学 日本語学科3年 林璐さん)
「道具を清めるとかお菓子をつくるとか
 自分の手で作ることがいっぱいあるところが一番好きです。」
林さんが茶道に惹かれる背景には中国の学生がおかれている機微いしい環境がある。
急速な変化を続ける中国の社会の中で
年々熾烈になる受験
就職での競争
日本語の同時通訳を目指して猛勉強を続けている林さんにとって
茶道は心のよりどころになっている。
(広東外語外貿大学 日本語学科3年 林璐さん)
「いつもプレッシャーを感じて生きてきました。
 でも茶室に入ると心が落ち着くんです。」
就職活動に備えるため
部活動は3年生の春で全員が引退する。
林さんたちはお世話になった人たちを招いて最後の茶会を開くことにした。
喜んでもらうためにどんな茶菓子を出すのがよいかを皆で考えた。
「おまんじゅうは中国人のお客さんには珍しいから喜ばれるんじゃない?」
「たしかにふだん食べられないからね。」
茶会の当日
茶室の掛け軸も自分たちで思いを込めて選んだ。
「きょうの卒業茶会のテーマは掛け軸に書いてある“一期一会”です。
 きょうは卒業する私たちにとって本当に一生に一度だけの茶会です。」
茶菓子は日本のまんじゅうを自分たちで作った。
中国で手に入る材料を使い
試行錯誤を重ねて一つ一つ仕上げた。
(招待された学生)
「茶室は静かで心が落ち着き
 すばらしかったです。」
茶会の最後に林さんは岩間さんに感謝の気持ちを伝えた。
(林璐さん)
「きょうは卒業茶会ですが茶道の修業は終わらないと思います。
 その気持ちをちゃんと大切にして
 これからも頑張っていきたいと思います。」
心を静めて
相手をもてなし
思いやる。
茶道の精神は中国の若者の心にしっかり届いていた。



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ふるさとの姿 鳥観図で残す

2016-05-26 07:15:00 | 報道/ニュース

5月14日 おはよう日本


人の目線の高さから見える建物ではなく
鳥の目線から見ると
建物の全体像だけではなく奥に隠れていた山や湖まで見えてくる。
周辺の地形も一目で理解できる鳥観図である。
日本では古くから屏風絵や絵巻物にこの鳥観図が取り入れられてきた。
祖父から3代続く鳥観図作家の延木由起子さん(56)。
これまで30年以上
寺院や観光施設などを描いてきた。
京都にある寺のパンフレットには延木さんの作品が案内図として使われている。
子どものころから親の仕事ぶりを見ていたので
鳥観図を描き始めた頃には
地面の高さから見ただけで上空からの風景を自然と描くことができていた。
滋賀県内にある道の駅を描いた作品
「道の駅 あいとうマーガレットステーション」。
延木さんの作品は鉛筆による手描きである。
強調したい建物は濃く強く
背景の田園風景は淡い線で描かれている。
影に隠れていて見えないはずの噴水も位置を移動させている。
手描きのこだわりは
描く線や見せたいものを自在に調整できることにあるという。
(延木由起子さん)
「多少デフォルメもできるし
 すごく楽しい絵にしていくことができる。」
この春 延木さんは新たな試みを始めた。
これまで建て物を中心に描いてきたが
10年前に「長浜曳山まつり」を観たのをきっかけに
鳥観図の中に人々の熱気やにぎわいを描くことに挑戦したいと思ったのである。
お祭りを様々な角度からスケッチしていく。
(延木由起子さん)
「活気とか熱気とか
 この雰囲気が伝わればいいなと思う。」
街をすみずみまで歩きまわり
通りや建物の写真を100枚以上も撮った。
(延木由起子さん)
「絵は向こうから描くと思うのでこういう側面が必要になる。」
その高さからや方向から祭りの盛り上がりを表現すればいいのか。
下書きを繰り返す。
(延木由起子さん)
「神社もかなり大きく描ける。
 山車であるか木であるかが判別できるくらいこの下図を使おうと思って。」
街を歩いて撮影した写真を見ながら
空から見たイメージを想像して描いていく。
(延木由起子さん)
「出会った人の顔とか起こった楽しいことを思い出しつつ
 描くといいような気がします。」
鉛筆を使い分けて0,1ミリにも満たない細い線で
松の葉も実際の木とそっくりに描く。
細かい作業は10日間続いた。
そして完成した作品は
曳山を囲む人々の熱気が伝わってくる。
それでも延木さんは思うように人の動きが描けなかったと言う。
(延木由起子さん)
「もっと山車とか大きく描くつもりだった。
 あっちこっち欲が出ていろいろ入れたばかりに
 肝心のお祭りがちょっと小さくなってしまったなと。」
延木さんが写真を撮っていた建物は鳥観図の中では街並みのほんの一部だが
木に囲まれた建物の特徴がきちんと再現されている。
(延木由起子さん)
「絵を見て記憶をたどってもらう。
 10年前は僕はここに出ていたよとか
 40年前はこの木も小さかったねって
 そういうなんでもない思い出し方をしていただきたいなと思う。」
観る人の思い出となる一瞬一瞬の光景を残したい。
これからも人々のいとなみや息遣いが伝わる作品を描いていく。

 

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「アフリカの奇跡」 IT立国ルワンダ

2016-05-25 07:15:00 | 報道/ニュース

5月13日 キャッチ!


アフリカ中部の高原に位置し
「千の丘の国」と呼ばれるルワンダ。
1500万人が暮らしている。
ビルが立ち並ぶ首都キガリ。
年率約8%の経済成長を続けている。
とりわけ政府が力を入れているのがIT産業。
海外から企業の進出が相次いでいる。
南米の企業が去年建設したパソコン工場。
100人の従業員を雇用し製造を行っている。
(パソコン工場責任者)
「ルワンダを拠点に
 アフリカ大陸全体へIT事業を広げていきたいです。」
日本からもIT分野での連携を図る動きが進んでいる。
5月 神戸市の久本喜造市長は視察団を率いて現地を訪問。
協力関係を結ぶ調印式を行った。
すでに進出を決めた起業家もいる。
ソフトウェア会社を経営する田中秀和さん。
2年前 ルワンダに新たに会社を設立し
日本などのクライアントから委託を受けたソフトウェアの開発を行っている。
(ソフトウェア開発会社 社長 田中秀和さん)
「実際に来てみると
 まだ誰も来ていない。
 人材も育ってきているし国としてもても発展している。
 成功してこうした事業を出来るということに幸せを感じている。」
ITに欠かせない人材を育成する動きも広がっている。
アメリカのマサチューセッツ工科大学は
3Dプリンターなどを活用したデジタル工房を設置。
学生たちに最先端の技術を教えている。
日本のJICA国際協力機構も
kLab(ケーラボ)と呼ばれる起業家支援施設を全面的に応援している。
無料の高速ネットやオフィスを提供し
企業のアドバイスを行う。
優秀で意欲ある若者たちが集まり
次々と新たなIT企業を生み出している。
(JICAルワンダ事務所次長 室谷龍太郎さん)
「多くの若者がITで自分たちの会社を起こしたい
 それを通して国の復興を支えたいという思いを強く持っている。
 そういった若者が集まることでまた新しいアイデアが生まれていく。
 相乗効果を考えている。」
ケーラボを利用しているジェーン・ニヨトゥワジラさん(30)。
理工系の大学を卒業し
新たなアプリのアイデアを持っていたもののなかなか実現できないでいるときに
ケーラボの指導を受け
3年前に念願の会社を起ち上げた。
ジェーンさんが開発したのは
商品の在庫を管理し入金から出金までを一括して管理する企業向けのソフトである。
送金用の携帯端末などに導入されている。
(ジェーン・ニヨトゥワジラさん)
「ここまで来られたのはケーラボのおかげです。
 ありがたいです。」
1994年にルワンダで起きた大虐殺。
当時8歳だったジェーンさんの自宅も襲撃され
一緒にいた叔父が目の前で殺害された。
その時のトラウマを抱えていたジェーンさんが立ち直るきっかけとなったのが
14歳のときに両親がプレゼントしてくれた中古のパソコンだった。
それ以来コンピューターに夢中になり
ついに自分でIT企業を起ち上げることに成功したのである。
(ジェーン・ニヨトゥワジラさん)
「ぜひ国の発展の雨に力を尽くしたいと思います。
 大虐殺の悲劇を再び起こすことなく
 前進していかなくてはなりません。」

ルワンダ政府は2000年にIT強化策を国として打ち出した。
光ファイバーなどインフラの整備も進めてきた。
内陸国で資源もないルワンダにとって
ITに将来をかけたということである。
インフラも整い
人材育成も進むなかで
今後の課題はITで成果を出していくことである。
ルワンダは人口の70%が農業に従事する農業国でもある。
ITを活用して農業の生産性を高めたり
温暖化の防止をITで進めることも期待されている。
IT起業家を目指す若者たちは
ルワンダが抱える社会的な課題を
自分たちの能力や技術で乗り越えていきたいと話している。




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フランス料理でソース論争 

2016-05-24 16:45:00 | 報道/ニュース

5月12日 キャッチ!


パリの行列の絶えないレストラン。
客のお目当ては名物の“肩ロースのステーキ フライドポテト添え”。
その理由は
「ソースです。」
「ソースですよ。」
「やっぱりソースが最高。」
「フランスのソースがこんなにおいしいなんて!」
3世代にわたって受け継がれてきた秘伝のレシピ。
それがおいしさの秘密である。
卵のソースや魚のソース。
フランス料理の名声を高めてきたのはソースである。
しかし70年代からソースは重いとされ
料理から少しずつ姿を消していった。
ヘルシー志向の新たなフランス料理が流行したのである。
その後ソースへの評価はなかなか復活せず
代わりにブイヨンを使うレストランが増えた。
主に野菜料理を出すレストラン。
(レストラン「ルモ二」 イブ・アンスレールさん)
「調理した野菜がソースに埋もれてしまうと
 大切な風味が損なわれます。
 ソースはあくまでも素材の味を引き立てるものであるべきです。
 良くできた料理ならソースを使う必要はありません。
 全く不要です。」
ここではサラダの味付けには野菜のブイヨンとレモン。
温かい料理には煮汁だけを使う。
忙しく働く人たちにも合う軽食である。
(客)
「体調を管理したいんです。
 ソースを摂りすぎると疲れやすくなります。」
「油っぽいソースより
 素材の味がわかる軽いソースが好きです。」
体調管理のためソースを避けるべきなのか。
それはソースの加熱方法によると言われる。
(栄養士 フロランス・フーコーさん)
「例えばベシャメルソースのレシピですが
 小麦粉を牛乳で伸ばしてから最後にバターを加えて作ります。
 そうすることでバターに火が通らず
 ソースをとてもヘルシーに仕上げることができます。」
有名シェフの中にはソースの復権に取り組んでいるシェフもいる。
三ツ星シェフのヤニック・アレノさんもその1人である。
(レストラン「パヴィヨン・ルドワイヤン」 ヤニック・アレノさん)
「フランス料理を文章とするなら
 ソースは食材の主張を可能にする動詞です。
 ソースなしでは文は完結しないのです。」
時には健康志向から離れることも必要です。
(レストラン「パヴィヨン・ルドワイヤン」 ヤニック・アレノさん)
「例えばソースに少しバターを加えるだけで味が安定します。
 脂肪を安易に悪ものにしてはいけません。」
アレノさんはソースにただ脂肪分を加えるだけではない。
ソースを軽くするために
冷却・凝縮という手法を使う。
その結果
脂肪分は無くなり
素材のエッセンスのみが生かされる。
伝統と革新を両立させるアイデアこそ
ソースをめぐる議論に終止符を打つカギになるのかもしれない。
 


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大人の塗り絵 人気の秘密は・・・

2016-05-24 07:15:00 | 報道/ニュース

5月9日 おはよう日本


書店の特設コーナーにずらりと並んだ大人向けの塗り絵。
そのタイトルは130タイトルを超える。
4月に開催された塗り絵の講習会は
募集開始まもなく定員に達する人気である。
いま流行りは細かな模様のような斬新なデザイン。
お手本もなく
自分なりの自由な色付けで楽しめることも人気の秘密。
「頭使って細かい作業して集中して
 どれくらい時間がたったのか分かってない感じ。
 楽しいです。」
「子どもにやらせようかなと思ったら
 自分もはまっちゃって。」
塗り初めて30分ほどで変化が訪れる。
雑念が消えて塗ることだけに意識を集中するようになる。
(THUTAYA 塗り絵担当 佐藤百恵さん)
「ずっと塗り絵をやっていると
 禅だったり写経だったりという心境になる。
 無の境地ですね。」
気が付けばあっという間に2時間が経っていた。
「好きな色を塗っているだけでーティスティックなものができる達成感。
 その満足感がはまるんです。」
この塗り絵は過去にも何度がブームがあり
それぞれに時代の一面を映し出してきた。
東京荒川区にあるぬりえ美術館
昭和20年代に訪れた塗り絵ブーム。
その中心となったのか画家の蔦谷喜一が描いた「きいちのぬりえ」。
アクセサリー、髪型、洋服
塗り絵に描かれていたのは
まさしく当時の女の子のあこがれの世界だった。
(ぬりえ美術館 金子マサ館長)
「戦争があってきれいなものとか無かったですから
 飢えていたから
 女の子たちも“きれい”と。」
続いて訪れた塗り絵ブームは昭和50年代。
今度の主役は
カラーテレビの普及とともに人気となったアニメのヒーローだった。
塗り絵は子どもの遊びとして広がっていった。
この流れに変化が生まれたのは
いまから10年ほど前に訪れた塗り絵ブームである。
中心となったのは高齢者たち。
手先を動かす塗り絵は脳を活性化させると言われ
介護施設などで積極的に取り入れられた。
ブームに火をつけた河出書房新社 竹下純子さん。
介護施設に勤める友人の話をきっかけに
子ども向けではない塗り絵を思いついた。
(河出書房新社 竹下純子さん)
「子ども用のキャラクターのものでは
 “こんなのこの歳になって塗りたくない”と怒られたというので
 確かにそのとおりだと思った。
 花とか風景とか
 大人にふさわしい塗り絵があってもいい。」
それから10年
いま再び盛り上がる塗り絵ブームはどんな時代を映し出しているのか。
横浜市で1人暮らしをしている間瀬さつきさん。
アロマやリラクゼーションのセラピストとして働く間瀬さん。
塗り絵と出会ったのは去年のことだった。
(間瀬さつきさん)
「本当に気軽で気楽で
 時間も自分で作れるし
 持ち運びもできるし
 場所も時間も制限がないからすごくいい。」
この日はカフェで塗り絵を楽しむ間瀬さん。
塗り絵のもう1つの楽しみは
同じ趣味を持つ人との交流だという。
4時間かけて完成させた塗り絵。
間瀬さんはスマートフォンで撮影しSNSのサイトに投稿する。
作品を見た人たちからは
「ナチュラルで優しいですね」
「可愛らしい図柄ですね」
などなど多くの反応が帰ってくる。
間瀬さんも知り合いの作品を見て感想を送る。
(間瀬さつきさん)
「全然違う塗り方をしていておもしろい。
 お互いの情報交換したり共有したり
 つながりも増えて非常におもしろいです。」
ひとりの時間を大切にしながらも多くの人と同じ趣味を楽しみたい。
いま塗り絵は人々をつなげるきっかけになっていた。


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NYで大人気!“独房エクササイズ”

2016-05-23 07:15:00 | 報道/ニュース

5月7日 キャッチ!


まるで刑務所のような雰囲気のジムで行われているのは独房エクササイズ
このエクササイズを生み出したコス・マルテスさんがビシビシとしごく。
独房のような狭いスペースで
自分の体重だけを利用して体を鍛え上げることができる。
それがこのエクササイズの特徴である。
こうしたハードなエクササイズが評判を呼び
オープンからわずか4か月で会員の数は400を超えた。
「終わりだなんて誰が言った?
 戻って位置につけ!」
(会員)
「とても厳しかった。
 怒鳴られたりして刑務所にいる気分。
 でもだからこそ頑張る気になれるんだと思う。」
「多くのクラブを体験したけどここのは素早く効果的に痩せられる。
 本当にいいエクササイズだよ。」
コスさんのエクササイズは実は自分の体験から生まれたものである。
貧しさと犯罪がまん延するニューヨークの下町で育ったコスさんは
10代のころからドラッグの売買に手を染めるようになった。
(コス・マルテスさん)
「あたりはドラッグだけだったし
 簡単に金が稼げる手段だった。
 アパートに住んでたんだけど屋上ではドラッグを売ってたよ。」
ついに23歳で7年の懲役を受けた。
そのとき何よりつらかったのが息子と離れ離れになることだった。
(コス・マルテスさん)
「更生したいと思ってたけど出来なかった。
 でも息子が刑務所を訪れたとき
 帰ってきてほしいと泣かれた。
 それを見て心が痛んだ。
 2度とここに戻りたくないと思うようになったんだ。」
当時太り気味だったコスさんは健康を取り戻そうと独自のエクササイズを始めた。
そして半年で30キロの減量に成功。
刑務所仲間に教えるほど評判になった。
それが独房エクササイズが生まれたきっかけである。
ようやく出所して息子のカサ二エル君と再会したコスさん。
公園でエクササイズ教室を開き
少しずつ会員が集まり始めた。
せっかく集まった会員を失う不安から
最初は自分が受刑者だったことを言わなかった。
しかし意を決して過去をオープンにすると意外にも好反応。
エクササイズを広めることにつながった。
(コス・マルテスさん)
「過去を認める覚悟をしたらとても自由になれたんだ。
 真実を知って会員が離れるならそれも仕方がないってね。」
成功をつかんだコスさんは
出所後の社会復帰に苦しむ元受刑者を積極的に雇用するようになった。
現在10人のスタッフのうち8人が刑務所に入った経験のある人たちである。
コスさんの成功を知り
出所を控えた受刑者たちから就職を希望する多くの手紙が届いている。
(コス・マルテスさん)
「昔は出来るだけ多く稼ごうとし
 確かにそれで成功していた。
 でも今は他の人を助けたいと思うようになりました。
 金は使ってしまえばそれで終わり。
 でもそうやって与えた影響はずうっと後まで残ると思うんです。」

 

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三菱自動車 狐狸顔負けの悪だくみ

2016-05-22 07:15:00 | 編集手帳

5月14日 編集手帳

 

 家に家紋があるように、
神社には神紋(しんもん)がある。
いただいたお守り袋に「スリーダイヤ」入りの神紋が描かれていたのを覚えている。
大阪市西区に土佐稲荷神社を訪ねたのは十数年前である。
三菱グルー プの守護神社として知られる。

1993年(平成5年)の春にはちょっとした話題になった。
グループ企業の首脳45人が打ち揃(そろ)って参詣し、
新社殿の完成を祝うとともに景気の回復を祈願したときである。
これほど結束の固い企業集団はほかにない。

その誇り高き「スリーダイヤ」の絆をもってしても、
グループ内の助力だけでは支えきれぬ深い傷なのだろう。

日産自動車の救済を仰ぎ、
事実上その傘下に入って再建を図るという。
軽自動車の燃費偽装で経営の悪化した三菱自動車である。
ウソと隠し事が持病のようになった会社の作るクルマに、
消費者が安心して大切な命を預けてくれるのはいつの日だろ う。
前途には悪路が待っている。

お稲荷さんの使いは神聖なキツネである。
加護を授けてきた企業が“狐狸(こり)”顔負けの悪だくみで世間を化かすとは、
守り神も思わなかったろう。
キツネ様の憂い顔が目に浮かぶ。


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人間の呪わしい知恵 よみがえるなはばたくな

2016-05-21 07:15:00 | 編集手帳

 

5月12日 編集手帳

 

 誰の考案か、
そういう言葉があるらしい。
北原保雄編著『辞書に載らない日本語』(大修館書店)で知った。
【ちいげさ=小袈裟】(深刻な出来事をささいな ことであるかのように語ること)

どれほど大袈裟に語ろうとも語りすぎることのない事柄が、
このところ愚かにも“小袈裟”に語られている。
「核」である。

米大統領選の暴言候補は日本の核保有を容認すると言う。
核兵器はお手軽な防犯装置ではない。
北朝鮮の三代目は核で国際社会を威嚇する。
核兵器はチンピラの刺青(いれずみ)ではない。
“小袈裟”の誤りを正す場所があるとすれば被爆地の広島であり、
長崎だろう。

米国の現職大統領として初めて、
オバマ氏が広島を訪問する。
多くの被爆者が望むのは謝罪の言葉ではあるまい。
見て、
聴いて、
同じ惨禍が地球上で繰り返されることのないよう、
悲しみを共有してくれることだろう。

田村節子さんに『原爆資料館』という詩がある。
〈原爆資料館――ここは鳥籠
 人類の呪わしい知恵を
 閉じこめておくここは鳥籠
 よみがえるなはばたくな〉。
大統領の訪問が、
傷みの目立つ鳥籠の補修につながるといい。



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生後間もないわが子を写真に

2016-05-20 07:15:00 | 報道/ニュース

5月7日 おはよう日本


生まれてから半月ほどで撮影された赤ちゃんの姿。
やさしく見守る両親とも一緒に。
生まれたときの感動を写真に残す“新生児フォト”である。
撮影した寺坂大地さんは
徳島市で30年続く写真館の2代目である。
地元の人たちの人生の節目に立ち会う
街の写真館。
寺坂さんは新しい命を授かった特別な節目を記録したいと
新生児フォトを始めた。
ひと月に10組ほどの家族が訪れる。
自然な表情やしぐさを逃さないよう
しかもできるだけ短い時間で撮りきる。
無理な撮影は決してしない。
(寺坂大地さん)
「あまり無茶もできない。
 安全第一でやっている。
 その中でかわいい感じで撮れたら
 人とは違う形で残せたらなとテーマにしてやっている。」
スタジオには植物やアンティークの雑貨が数多く置かれている。
あたたかみを演出することで生まれた幸せを表現する狙いである。
また新生児に特有の体の皺も強調して今しか取れない姿にこだわる。
父親が起こした写真館で働き始めて1年。
写る人の気持ちまで伝わるような写真を目指している。
(寺坂大地さん)
「その時の感動をいつまでも残せるような感じ。
 10年後20年後見ても
 そのときにすぐ戻れるような写真にできたらいい。」
この日訪れたのは南谷和生さんと妻の朋実さん。
長男 和空(わく)くん誕生の記念撮影である。
和生さんからはさっそくお願いが。
初めての赤ちゃんだけに
より稲別な写真を撮影してほしいというのである。
ところが生後2週間御赤ちゃんにとっては無理な姿勢だった。
赤ちゃんの祖父母の世代にあたる寺坂さんの両親がサポート。
撮影を依頼する若い親たちの思いを尊重しながら
赤ちゃんに負担がかからないよう充分に注意して進める。
和空くんの両親にとっても満足できる写真が撮れた。
(寺坂大地さん)
「飾ってほしいですね。
 写真って。
 赤ちゃんの生まれたときの感動を形に残しておいて
 写真って見たら
 こんな問いにこんなことがあったと思い出せる。
 それが写真の良さだと思う。」
写真ができ上がった日
南谷さんはすぐに飾った。
いつも目にする場所でふたりの結婚写真とも一緒である。
(南谷和生さん)
「いちばん感動した時やけん。
 特別ですよね。」
(妻 朋実さん)
「産んだ時のことをずっと覚えていられたらと。
 大変な時も写真を見たら思い出すかなと飾りました。」
赤ちゃんが生まれた思い出を写真に込めて
家族の感動が詰まった新生児フォトである。

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農業に女性の力を

2016-05-19 07:15:01 | 報道/ニュース

5月6日 おはよう日本


女性の農業への参入を促すため
大型連休に合わせて国が開いたイベント。
ショウガやキャベツ
すべて女性の農業者が作ったものである。
女性の農家が育てた野菜を自ら販売して
訪れた人たちに農業の魅力をアピールした。
(イベント参加者)
「農家は男らしい感じがしていたけど
 なんかいいなと思いました。
 こんなオシャレだとは思わなかった。」
(農林水産省 就農・女性課 佐藤一絵課長)
「一番は女性農業者の魅力を広く多くの方に知ってもらうという狙いがあります。
 農業ってすてきだなとか
 私も農業やりたいなとか
 そういう女性を増やしたいと思う。」
農業に関心を持つ女性は着実に増えているという。
その1人 横浜市に住む高橋久美子さん。
メーカーの営業職を辞めて
一昨年農業を始めた。
自然にかかわる仕事がしたいというのが理由だった。
新たに農業を始めた人のうち女性の割合は
1年前は20%だったが
今年は25%と4人に1人となっている。
(高橋久美子さん)
「お客さんにこれ私が作ったんですと言ったら買ってもらったり
 楽しいことの積み重ねです。」
女性には担い手としてだけでなく
売り上げや収益力アップにも期待が集まる。
政府系機関が融資した農家や農業法人を対象に
融資後3年間で売り上げがどのくらい増えたかを調査した。
女性の役員や管理職がいる農業者はいない農業者に比べて
売り上げの増加率は平均して2倍以上になっている。
女性が農業経営に携わると何が変わるのか。
宮城県でトマトの生産・加工を手掛ける農業法人。
30人の従業員のうち25人が女性である。
最も力を入れているのは高い糖度で人気の“玉光デリシャス”という品種。
しかし形が崩れやすく
そのままでは2割が売り物にならない。
そこで経営にかかわる女性の提案で
自前の加工施設を作ることにした。
売り物にならないトマトをジャムやジュースにして販売を始めた。
洋食だけでなく和食にも使いやすい酔う味付けしたソースは
1本でいろんな料理に使いたいという主婦の発想から生まれ
ヒット商品となった。
さらにトマトを使った創作料理を提供するカフェも運営している。
加工部門の売り上げは毎年3割のペースで増え続け
今では年間3千万円を超えている。
(デリシャスファーム株式会社 今野栄子専務)
「女性ですときめ細やかなところから従業員から話をもらえる。
 女性ならではの発想もすごく多い。」
今後 日本の農業は厳しい国際競争にもさらされることが予想される。
農業を稼げる体質に変えていくことが一段と重要になるなか
女性の参入は大きなカギを握りそうである。

農業に携わる人のうち5割は女性だが
どの作物を収穫するかなど
意思決定にはなかなかかかわれないなど不満の声がある。
こうした声を受け
国は平成32年までに
農協の役員に占める女性の割合を15%に増やす具体的な目標を掲げるなど
いわば男性社会だった農業の変革を目指している。

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世界市場へ 有田焼の挑戦

2016-05-18 07:15:00 | 経済フロントライン

4月30日 経済フロントライン


最新のインテリアのトレンドを発信するイタリア ミラノの国際展示会。
4月に開かれた世界最大規模のインテリア見本市ミラノサローネ。
中でも注目を集めていたのが食器である。
高級ブランドが近年相次いでこの分野に進出するなど
いまヨーロッパではデザイン性の高い食器が人気となっている。
この追い風に乗ろうと
佐賀県や有田焼の窯元などが協力し
同じミラノの中心部で有田焼の作品展を開いた。
展示されたのは伝統的な有田焼とは異なる斬新なデザインの作品。
たとえば
有田焼の特徴とされる透明感のある白ではなく
全体を灰色でまとめた。
さらにタブーとされてきた色のムラをあえて出したという。
(アメリカ プロモーター)
「これらの作品はアメリカでも人気を集めるでしょう。」
(スウェーデン インテリア会社)
「とても美しく
 すばらしいです。
 どれも高い品質と職人の技が見てとれます。
 コラボレーションを是非やらせてもらいたいです。」
実はこれらの作品は
ヨーロッパ各国のインテリアデザイナーが中心となってデザインを手掛けた。
オランダ人デザイナーのステファン・ショルテンさんとキャロル・バーイングスさんは
今回有田焼のデザイナーのメンバーとして参加した。
ショルテンさんたちが目指したのは
有田焼の伝統の技術を生かしつつ
現代の食卓にもなじむ新たな食器である。
例えば古い有田焼の器に描かれていた藤の絵。
花びらを表した細かな白い点のみを抜き出し
皿の中央に描き入れることでモダンな作品にした。
(デザイナー ステファン・ショルテンさん)
「手書きであること
 色合いや皿の輪郭もすべて変えていません。
 いわば伝統を再構築しているんです。」
新たなデザインを取り入れた有田焼はヨーロッパ各国でも注目され始めている。
オランダのアムステルダム国立美術館。
有田焼は17世紀にオランダに持ち込まれ
ヨーロッパに広く知られるきっかけとなった。
この美術館では4月から
有田焼400年の歴史を紹介する特別展が始まった。
17世紀に作られた有田焼の由緒ある作品の隣に
ショルテンさんたちの作品も。
有田焼の新たな可能性を広げるものとして展示された。
(デザイナー ステファン・ショルテンさん)
「私たちが目指したのは有田焼の
 過去 現在 未来を融合させることです。
 次の1歩を踏み出すことがとても大切なんです。」
創業から400年
ヨーロッパの地から有田焼の新たな挑戦が始まっている。

 

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