9月29日 NHK海外ネットワーク
1990年代に起きたボスニア紛争。
「イン・ザ・ランド・オブ・ブラッド・アンド・ハニー」
民族紛争で人生を狂わされたカップルを描いた映画。
アフリカの難民の生きざまを描いた作品の数々。
紛争や迫害などに苦しむ人々の実態を描いた難民映画祭が開幕した。
主催はUNHCR国連難民高等弁務官事務所。
世界の映画祭などで評判になった難民をテーマとしたドラマや
ドキュメンタリーが上映される。
難民の支援活動を続けているハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが
初めて監督を務めた
「In the Land of Blood and Honey 」。
舞台は1990年代のボスニア・ヘルツェゴビナ。
セルビア人の男性とイスラム教徒のボスニア人女性のカップルが
民族紛争で引き裂かれる。
女性は収容所に捕虜として連行され
そこで男性と再会するが
男性は収容所の責任者となっていた。
敵同士となりながらも愛し合う二人の結末はいかに・・・。
実話をもとにしたドラマは戦争の残酷さを訴えている。
今年は
アラブの春や深刻な干ばつと紛争が続くアフリカ を舞台とした作品が目立つ。
「Toumasut-Guitars and Kalashinijkovs」
アフリカ西部のマリとニジェールの国境地帯で
独立闘争を続ける砂漠の民の元兵士は
いまはミュージシャンとして活躍している。
音楽に出会い銃をギターに持ちかえた若者が苦悩を乗り越え
希望を抱くまでの生き生きとした表情をとらえている。
映画祭ではこうした作品が15本上映される。
「イン・ザ・ランド・オブ・ブラッド・アンド・ハニー」
「トゥーマストーギターとカラシニコフの狭間で」
「大陸」
「スペシャル・フライト」
「ル・アーヴルの靴みがき」
「オロ」
「未来を生きる君たちへ」
「Play for Japan ~心をひとつに~」
「カラー・オブ・」
「ウォー・ウィッチ」
「わが愛・スーダン」
「ラン フォーライフ~セルビアのエチオピア人ランナー~」
「カラー・オブ・オーシャン」
「ぼくたちは見たーガザ・サムニ家の子どもたち」
「市民?それとも よそ者?」
紛争・迫害で済む家を追われた人は約4,300万人。
去年新たに80万人となっていてこの10年で最も多い数字である。
今もシリアやスーダンなどでは紛争が続いていて
大勢の人たちが故郷を離れて保護を求めている。
こうしている間にも1分間に8人が住む家を追われている。
この映画祭は難民だけでなく自然災害の被災者にも焦点を当てている。
家や大切な人、物を失った人たちも苦しみを経験し
支援を必要としている。
「Play for Japan ~心をひとつに~」
東日本大震災直後の宮城県石巻市を舞台としたドキュメンタリー。
アメリカ人監督の作品で
被災地で出会った人たちの前向きに生きようとする姿に感銘を受けたと
いうことである。
学校と家族、ボランティア、避難所の4つの角度から
証言をもとに描いている。
映画祭は10月8日まで都内の6か所で上映される。
そのあとも映画祭で取り上げられた作品など3本が
10月13日から全国20か所で上映される。
UNHCR難民映画祭(都内6か所)
http://unhcr.refugeefilm.rog
ヒューマン・シネマ・フェスティバル(全国20か所)
http://humancinemafestival/org