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日本・フィリピンの若者たち “被災体験を防災に生かしたい”

2015-04-03 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月22日 NHK海外ネットワーク


4年前の東日本大震災
そして一昨年 フィリピンに壊滅的な被害をもたらした台風。
2つの被災地の若者同士が交流を深め
自分たちの経験をどう防災に生かしていくか
1年かけて話し合った。

3月15日 国連防災会議の一環として開かれたイベント。
自然災害にどう立ち向かっていけばよいのか
若者たちが自分たちの考えを発表した。
(被災地出身の学生)
「震災を経験した僕がやりたかったのは
 被災地の未来やこれからの防災を考えること。」
中心になったのは東日本大震災で被災した4人とフィリピンの台風で被害にあった3人である。
7人はこの1年間 発表に向けて議論を積み重ねてきた。
メンバーの1人 西城国琳さん(22)は
宮城県南三陸町の自宅が津波で流され叔母やいとこら親せき5人を亡くした。
フィリピンの若者と話すうちに“復興にかける思いに変わりはない”と強く感じるようになった。
(西城国琳さん)
「南三陸町はすごくいい場所。
 大好き。
 その南三陸町から若者がいなくなると将来が不安。
 それをどう立て直していくか。」
フィリピンの台風被害からの復興に学べることはないか。
西城さんたちは最大の被災地タクロバンを訪れた。
死者・行方不明者が合わせて7,900人にのぼったフィリピン。
西城さんたちは被災地の住民たちからインフラ整備などが進まない現状を聞いた。
そんな厳しい状況の中でも復興の支えになっているのが大勢の若者たちだった。
西城さんの目には
自分たちの力で新しい家を建てていた若者たちの姿が強烈に焼き付いた。
(西城国琳さん)
「若者の団結力と
 若者で社会を作ろうとするパワーがすごく勉強になる。」
帰国した西城さん。
“フィリピンと比べて日本の復興は国からの手厚い支援に支えられている”と気づいた。
(西城国琳さん)
「最初はがれきもあったがかさ上げしている。
 インフラの部分はだいぶ復興していると思う。」
しかし“日本には復興に自らかかわろうとする若者が少ないのでは”と感じている。
3月 今度は西城さんが南三陸町にフィリピンの若者たちを迎えた。
向かったのは津波で流された西城さんの自宅の跡地。
思い出がたくさん詰まった家を一瞬で失った恐ろしさを訴えた。
続いて西城さんは家族が暮らす仮設住宅に案内した。
“フィリピンを訪れて初めて気づいたことがある”と伝えた。
(西城国琳さん)
「以前は自分の仮設住宅は狭いと思っていたけど
 タクロバンの仮設住宅を見た後は考えを改めた。
 私はじゅうぶん恵まれていると思った。」
フィリピンの若者も日本の状況を見て復興への思いを強くした。
(フィリピンの被災者)
「日本の復興のスピードはとても早い。
 政府が地域社会をしっかり支えている。
 圧倒されました。」
発表当日 西城さんたちは
被災したアジアの若者たちが防災を話し合う会議を定期的に開くことを提案した。
海外の災害でも決して他人事ではない
自分たちの問題だと思って防災に取り組んでいきたい
と考えたからである。
会場の参加者からは
被災した自分の経験を世界のために役立てたいという意見が相次いだ。
(参加者)
「体験を今まで語ることができなかった。
 震災から4年たってフェイスブックで投稿できてやっと気持ちの整理がつき始めたので
 これからいろんなところに行って
 外国や日本国内でもどこでもいいので自分の体験を伝えていこうと思った。」
会場の若者たちの熱意に西城さんは勇気づけられた。
(西城国琳さん)
「みんな心の中にはすごく熱いものを秘めていると改めて感じた。
 みんな頑張ろうとしているんだなというのがすごく伝わってきた。
 世界を変えていくのは若者なので世界中の若者をつなげていきたい。
 使命感と負けていられないというのは強いですね。」

 

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世界中で舌鼓“世界中料理の日” 

2015-04-02 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月22日 NHK海外ネットワーク


3月19日 世界150か国のレストランで一斉にフランス料理を楽しもうというイベントが開かれた。
グード・フランスと銘打ったこのイベント
フランス語でフランスの味覚を表す Gout de Franse と
英語の Good France からつけられた。

フランス ベルサイユ宮殿で19日に行われたグード・フランスのセレモニー。
フランスの代表的なシェフと外務省が企画した政府肝いりのプロジェクトである。
(シェフ アラン・デュカス氏)
「24時間 世界がフランス料理をたたえ続けます。」
同じ日 ニューヨークでもグード・フランスのイベントでたくさんの人たちがフランス料理を楽しんだ。
食前酒に始まり
メインディッシュ
デザートと続くフランス料理のコースを味わってもらう。
プロジェクトに賛同した150か国 1,300以上の店が
正統派のフランス料理で客を楽しませた。
来日したプロジェクトの責任者フランスのファビウス外相は
グード・フランスの目的の1つは
郷土色豊かなフランスの地方の文化に目を向けてもらうことだ
と話していた。
(フランス ファビウス外相)
「フランスの美食文化はフランスじゅうに浸透していて
 たとえ小さな町であっても素晴らしい料理に出会うことができる。
 フランスのさまざまな地方に海外からも大勢の観光客が訪れれば
 各地方の発展にもつながるのではないかと考えている。」
日本でも60を超えるレストランがグード・フランスに参加している。
一口にフランス料理と言ってもさまざまで
沿岸部と内陸部では使う食材も異なる。
フルコースもあれば気軽に食べられる1品料理もある。
銀座のフランス料理店では
美食の街と言われるリヨンの家庭料理を売りにしている。
魚は川魚。
ソースのだしは湖でとれるザリガニの殻でとる。
20を超える地方があるフランス。
そのそれぞれに伝統の味がある。
(料理店の客)
「そういう料理は知らなかった。
 発見だった。」
(フランス料理店 シェフ クリストフ・ポコさん)
「地方によって別々のスペシャリティがある。
 自分の生まれたところの味
 思い出をお客さんに伝えたい。」
地方の料理の特色を生み出しているのは地元の食材である。
ブルゴーニュ地方で180頭のヤギを飼っているミシェル・ラシャルヌさん。
ヤギの乳でつくる独特の風味があるチーズがこの地方の特産である。
(ミシェル・ラシャルヌさん)
「とても薄く切れる。
 フォアグラのようでしょう。
 とても繊細でなめらか。」
チーズの発酵にはゆっくりと時間をかける。
舌触りのよいチーズを作るため手間は惜しまない。
“地域の伝統を守っていくのは自分たちの責任だ”と言う。
(ミシェル・ラシャルヌさん)
「チーズは私たちの生活の一部で
 この地域では“食の文化遺産”のようなもの。」
地域の食材を生かして作るフランス料理。
都内にある大使公邸の厨房では腕利きのシェフが本国から食材を取り寄せて晩餐会の支度中。
ブルターニュ地方のスズキは店頭的な一本釣り漁で獲ったもの。
肉料理は風味の良さが特徴のロワール地方の合鴨。
こうした食材がその地方ならではの味付けで仕上げられていく。

このグード・フランスの取り組みを来年以降も続けていきたいということである。
グード・フランスのイベントには今回世界中で10万人が参加してフランス料理を楽しんだ。

 

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キューバ 新時代へ 個人のビジネス急増

2015-04-01 07:45:00 | 海外ネットワーク

3月15日 NHK海外ネットワーク


野球がさかんなキューバ。
子どもたちの心もアメリカへと飛んでいる。
「ヤンキースに入りたい。」
「アメリカの選手のプレーが見たい。」
時流に乗ってビジネスに取り組む人も増えている。
オープンカーに観光客を乗せるツアーで生計を立てている男性。
社会主義のキューバでは原則として労働者全員が公務員である。
男性もかつては公務員だった。
しかし政府が経済活性化のために一部の職種で個人のビジネスを認めたのを機に
思い切って仕事を変えた。
その結果 公務員試合には約3,000円足らずだった月収は
多い月は10万円を上回るまでになった。
「国交正常で観光がさらに盛んになれば仕事が増えてもっとお金を稼げる。」
個人経営のレストラン。
エビなどカリブ海の海産物をふんだんに使ったメニューで外国からの観光客をもてなす。
店では最近 客の半数以上をアメリカ人が占めるようになった。
(アメリカ人観光客)
「キューバの本場の料理を食べることができてよかった。」
今はアメリカから直接キューバに行くことはできないが
第三国を経由して入国するアメリカ人旅行客が増え続けている。
1日の売り上げは多い日には30万円以上になる。
(レストランの店主)
「まずキューバで店を大きくして
 アメリカ 世界各国に店を広げたい。」
個人でビジネスを営む人はキューバで年々増えている。
しかしその割合はまだ労働者全体の1割程度と言われている。
ビジネスには多額の資金が必要だからである。
大半の労働者は個人のビジネスとは無縁である。
アメリカとの国交正常化が実現しても
収入の上ではあまりメリットがないと見込まれている。
ハバナに住む元公務員のカルメン・カルミナールさん
国交正常化は社会主義体制に手厚く守られてきた市民生活を変えてしまいかねないと懸念している。
カルミナールさんは家事手伝いの仕事をしていて去年病気で働けなくなった。
それでも母親と娘2人となんとか暮らしてこられたのはキューバの福祉制度のおかげである。
その1つが配給制度。
主食の米・油・豆
キューバでは政府の補助ですべての国民がひと月に決められた量の食料品を割安で手に入れることができる。
しかしキューバ政府は財政難から配給を年々減らしている。
今の1か月分の配給量では10日ほどで食料が尽きてしまうと言われている。
(カルメン・カルミナールさん)
「以前よりも配給でもらえる量が減った。
 どんどん減っていって大変なことになるのではないかと心配。」
足りない分ははるかに高い市場価格で買う人もいる。
しかしカルミナーラさんはお金がなく米も配給頼みである。
配給と娘の収入でなんとか暮らしているカルミナーラさん。
アメリカとの国交正常化の実現はキューバ国民の間に
昔は無かった格差を生み出すことになるのでは。
そんな新たな懸念が持ち上がっている。
(カルメン・カルミナールさん)
「私は皆が平等なのが理想だと小さいころから教わって育ってきた。
 不平等は嫌いだが残念ながら今はそれが現実になっている。」


 

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キューバ 新時代へ 市民生活は今

2015-03-31 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月15日 NHK海外ネットワーク


キューバはアメリカが半世紀以上にわたって厳しい経済制裁を科している。
そのため車の大半は革命前のアメリカ製か
革命後に輸入された旧ソビエト製である。
キューバの車事情からもこの国の波乱に満ちた歩みがうかがえる。
1959年のキューバ革命。
親米政権が倒されカストロ政権が誕生した。
新政権はアメリカとの国交を断絶。
当時のソビエトに接近し社会主義の道を歩み始める。
しかし後ろ盾だったソビエトが崩壊したことで経済は慢性的な不振に陥った。
国民の平均的な月給は今も3千円程度と言われる。
キューバが国民の暮らしを支えてきたのが配給所である。
食料や油などを求めて人々が訪れているが
経済の低迷で品物は大幅に減っている。
長引くアメリカの制裁で物資不足が続いている。
キューバがアメリカとの国交正常化に動いたのは経済を立て直したい狙いがあるからである。
「制裁はすべての市民に悪い影響を及ぼしている。」
制裁が解除された場合とりわけ勢いがつきそうなのが観光の分野である。
超大国アメリカと対峙してきた歴史がそのまま観光資源になるとみている。
ハバナの中心にある革命広場には
キューバ革命の中心人物 チェ・ゲバラの巨大な肖像画が描かれ観光客に人気の場所となっている。
(イギリスからの観光客)
「歴史や博物館に魅力を感じる。」
(ベラルーシからの観光客)
「特別な雰囲気にひかれる。」
革命博物館もキューバ革命を売りにした施設である。
革命直後の時代に使われた武器や先王器などが展示されている。
キューバが世界に誇るラム酒の製造過程を見学してもらう施設も
連日ヨーロッパなどからの人たちでにぎわっている。
国交正常化でアメリカからの観光が自由になれば売り上げはさらに伸びると期待を募らせている。
アメリカ人の訪問が増えるのをチャンスとして生かそうと準備を進める人たちがいる。
観光に携わる人たちを育成する専門学校では
このところ英語力を磨きたいという生徒が目立つ。
社会主義のキューバではこうした授業も無料のため
必要に応じて学ぶ期間や内容を決められる。
(生徒)
「コックになる勉強をしている。
 英語は胎児なので学んでいる。」
(英語教師)
「キューバではもともと英語に興味を持っている人が多かった。
 観光の仕事に就きたい人も多く英語を話せないとだめだとわかっている。」
キューバでのビジネスを拡大しようとすでに動き始めているアメリカ人もいる。
フロリダ州で牧場を経営するジョン・ライトさん。
ハバナ市内のホテルに拠点を設け
畜産だけでなく観光業への進出にも意欲を見せている。
(ジョン・ライトさん)
「将来的には自由貿易や観光クルーズなど様々なビジネスの機会が広がる。
 観光と農業で大きなチャンスがある。」
アメリカの観光業への進出を迎え討とうとしているのが
社会主義を通じた友好国としてキューバでの実績がある中国やロシア系の企業である。
観光客の移動の足となる大手のバス会社はいずれも中国との合弁企業。
中国系の旅行会社を経営するワン・チェン社長。
キューバの国営企業と提携し観光客を受け入れてきた。
約20年にわたって市場を知り尽くした強みはアメリカ相手でも揺るがないとしている。
(中国系旅行会社 ワン・チェン社長)
「長年仕事をしてきたので有利。
 競争相手には負けない。」

社会主義のキューバでは原則すべての職業は国営で公務員が行うことになっているが
ここ数年 政府が許可すればレストランやお土産屋など個人でもできる職業が増えている。
街にはアメリカとの国交正常化を控え毎日のように新しい店がオープンしているのがみられる。




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米女性 キルトに込めた思い

2015-03-19 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月8日 NHK海外ネットワーク


アメリカ中西部カンザス州で暮らす主婦のシンディ・パリーさんは
東日本大震災のことをアメリカの人たちにもっと知ってもらおうと活動を続けている。
(シンディ・パリーさん)
「みなさんも9.11のテロの時テレビから目が離せなかったでしょう。
 3月11日の東日本大震災も私にとって同じように大きな出来事でした。」
アメリカ人の父親と日本人の母親のもと日本で生まれたシンディさん。
小中学校の2年間は東京で過ごし
いまも大勢の親せきや友人が日本にいる。
東日本大震災が起きたときシンディさんの夫マークさんは仕事で大阪にいた。
すぐに電話で夫の無事を確認したシンディさん。
被害が大きいことを知り日本の新聞を持ち帰るよう頼んだ。
(シンディ・パリーさん)
「大震災のことが頭から離れなくなってしまった。
 日本で生まれた私にとって日本は大切な場所ですから。」
想像を絶する震災が起きたことに衝撃を受けたシンディさん。
長年 続けてきたキルトで震災の恐ろしさを表現しようと考えた。
キルト1枚作るのに3か月かかるが震災後はふるさと日本への思いからキルトの創作に打ち込んだ。
「この作品では津波であらゆるものが破壊されたことを表現した。」
当時 自分が受けた衝撃の大きさを伝えようと
夫が日本から持ち帰った新聞の紙面を布にプリントした。
右下には津波に襲われた日本を見て嘆く女性。
暗く悲しい色合いで押し寄せる津波を表現した。
(シンディ・パリーさん)
「津波が来たとき人々は何を思ったのでしょうか。
 あっという間に押し寄せた大きな波。
 逃げることもできない・・・。」
キルトを作る地被災した人への思いがますます強くなっていったと言うシンディさん。
去年11月 初めて被災地を訪れた。
大きな被害を受けた陸前高田市や気仙沼市などを回った。
(シンディ・パリーさん)
「自分の目で見ないといけないと思ったのです。
 1本の松が津波に負けずに『頑張ったよ』と立っている気がしました。」
シンディさんが復興への思いを込めて作ったのが作品は
陸前高田市の奇跡の1本松の力強さと
大船渡市に植えられた桜の木の話からアイデアを得た。
のぼっていく太陽と力強く咲く日本の花 桜。
新しい命が芽生える様子を現した。
シンディさんはこれまでに作ってきたキルトを通じてアメリカの人たちに震災のことを伝える活動を始めている。
(来場者)
「日本の大震災を知らない人に伝える良いきっかけになると思うわ。」
東日本大震災をモチーフにしたキルト。
シンディさんはこのキルトがアメリカと日本の架け橋になって
被災地への思いが広がってほしいと願っている。
(シンディ・パリーさん)
「日本が東北が復興することがどんなに大変か。
 何年もかかることでしょう。
 大震災を忘れてはいけない。
 そのことをアメリカの人にもわかってもらいたいのです。」

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原油安 ベネズエラを直撃

2015-03-18 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月8日 NHK海外ネットワーク


原油生産量が世界第7位の産油国である南米のベネズエラ。
その豊富な石油資源を基にした国づくりで貧困層の支持を集め
反米左派の急進的な言動でも知られたのがチャベス前大統領である。
亡くなってから2年になり首都のカラカスでは追悼集会も開かれた。
しかしそのチャベス氏亡き今
原油安に見まわれたベネズエラは経済的に苦境に立たされている。

ベネズエラではこのところ政府に抗議するデモが相次いでいる。
時には暴徒化した人々と警官隊が衝突する事態も。
2月末には西部の町でデモ隊に向け警察官が発砲し14歳の少年が巻き込まれて死亡した。
市民がデモに訴えるのは原油安によるインフレと物不足で生活を圧迫されているからである。
物価上昇率は去年実に70%近くとなった。
信じられないような値段で物が売られている。
コロンビア産の洗剤は1個7、500円。
国産品の20倍以上の値段である。
原油安は外貨不足を招き商品の輸入が難しくなっている。
多くの輸入品は品不足である。
カップ麺は1個5,000円。
中国製のほうきは1本5万円である。
(市民)
「死活問題だ。
 手に入らない薬がたくさんある。」
「この国はめちゃくちゃよ。」
高価な輸入品に庶民は手が出ない。
そこで政府が価格を安く統制している国産品を買おうと人々が列を作る。
しかし店内の棚は空っぽである。
国産品はすぐに売り切れてしまう。
あ目当ての品を探して店を何件もまわるのは当たり前。
安い砂糖を見つけ5キロもまとめ買いをした女性。
「1時間半並んだのよ。
 何件も店を回らないと必要なものがそろわないわ。」
原油の値下がりで国の歳入の大幅な落ち込みが見込まれるとして
ベネズエラ政府は国家財政の立て直しへ方針を打ち出した。
マドゥーロ大統領は自分自身も含め政権幹部の給与を削減すると発表。 
さらに友好国のロシアや中国を訪問し経済支援を訴えるなど現状打開に向けた協力を求めた。
そして政府は財源が不足しているとして公共交通機関の料金を見直すことにした。
3月からバス運賃の値上げに着手し
夏までには40%値上げする方針を打ち出した。
しかしさっそく反発が出ている。
首都カラカスでは20人ほどの市民がプラカードを掲げてバスターミナルに立ち値上げの撤回を訴えた。
(抗議行動の参加者)
「高級車に乗っている閣僚は私たちの声に耳を傾けるべきだ。」
(市民)
「ほとんどの人たちが影響を受けるだろう。
 とりわけ貧しい人たちは困るでしょう。」
「これ以上値上げされると高い給料でももらわないとやっていけない。」
オイルマネーに頼ってきた国家運営をすぐには変えられないベネズエラ。
先の見えない原油安で混乱はさらに深まろうとしている。

 

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“反腐敗”アピールする中国指導部

2015-03-13 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月1日 NHK海外ネットワーク


習近平指導部は汚職の疑いのある党や政府の摘発をメディアを通じて大々的にアピールしている。
最近特に力を入れているのが国外逃亡をしたり資産を外国に隠したりした幹部の拘束である。
メディアに“反腐敗”という言葉が登場しない日は無い。
習近平指導部になってkら設置されたホームページには毎日のように汚職の疑いで摘発された幹部の情報などが発表されている。
2月からは有罪判決を受けて反省する元高官らの映像まで公開し始めた。
さらに政府機関の公用車の削減にも乗り出している。
幹部が個人的な目的に利用しているといった批判が絶えないためである。
政府はこの半年で公用車を3,000台余減らしたと言われ
オークションで市民への販売まで始めた。
こうした取り組みもメディアを通じて全国に伝えている。
汚職の摘発に溜飲を下げる国民も少なくないが
専門家は他にもねらいがあると指摘する。
(北京大学法学院 賀衛方教授)
「これは政治闘争の一環だと思う。
 反腐敗を口実に政治的なライバルを消すのが狙いだ。」
汚職摘発には賛同しつつも
メディアを最大限に利用する今の手法はパフォーマンスだとして批判的に見ている人たちもいる。
内陸部の市民たちは地元政府による汚職や土地の強制主用などの問題を取り上げている。
市の幹部たちが生出演する新しい形の討論番組で
自分たちの訴えを取り上げるよう市政府に要請しているが取り上げてもらえないと言う。
「番組で地方政府は問題を解決すると言うが私たちとは会ってもくれない。」
「私たちは本当の状況を言いたいのに。」
この市民たちが出演を断られ続けている討論番組。
この日は市政府の幹部が日ごろのぜいたくを反省する姿勢が強調された。
市政府の建物に保管される高級な酒やたばこの数々。
番組のキャスターから「事務所というより高級品の倉庫では?」と揶揄される。
「高級品が事務室に置いてあるがあなたの部下は特殊な収集の趣味がある。
 どう思います?」
(地元政府の幹部)
「責任は私にある。
 厳しく調査して処理したい。」
しかしこうした番組ン大部分は地元政府とテレビ局が一緒に脚本を練り上げているとみられる。
政府が書く脚本に沿わない人たちは番組に出演できず
土地の強制主用といった身近な社会問題は置き去りにされていると感じている。
(張人強さん)
「困難な問題を持ってくる人は出演させてもらえず
 これでは本当の問題は解決できない。
 政府が市民の問題を一番にとらえてこそ市民の信頼を得ることが出来る。」

 

 

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ギリシャ 政権の対応に反発の声も

2015-03-12 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月1日 NHK海外ネットワーク


一時は財政破たんも指摘されていたギリシャ。
EUによる支援の延長で市場にも安堵感が広がった。
その一方で支援延長と引き換えにチプラス政権が示した構造改革案の内容について
ギリシャ国内では反発の声も上がっている。

2月26日にギリシャの議会前で行われたチプラス政権に抗議するデモ。
(デモ参加者)
「チプラス政権に投票したのに後悔している。
 裏切られた。」
「選挙前の約束は守られなかった。
 信用できないから訴えている。」
一部は暴徒化し警察の機動部隊が出動した。
ギリシャの新聞はチプラス首相を鼻が伸びたピノキオになぞらえ“うそつきだ”と揶揄した。
チプラス政権はEUなどとの間で合意にこぎつけた金融支援の延長
その前提としてEU側に示した構造改革案の内容が首相の選挙公約と矛盾する内容になっているというのである。
構造改革案では財政再建を推進することを約束
選挙公約だった低所得者対策も財政に悪影響を与えない範囲でのみ行うと説明している。
事実上EU側が求めていた緊縮路線を踏襲する内容である。
緊縮策の見直しを掲げ誕生したチプラス政権。
それだけに改革案には与党の議員からも“公約違反だ”との批判が出ている。
これに対しチプラス首相は強気の姿勢を崩していない。
(ギリシャ チプラス首相)
「緊縮策は名実ともに終わった。
 政府は着実に公約を実行していく。」
専門家はこのままでは党内の亀裂が深まり
新政権は再び選挙で信を問う状況に追い込まれかねないと指摘する。
(アテネ大学 コンドヨルギス教授)
「新政権が経済危機を脱するのは容易なことではない。
 早急に対策をとらねば各地でデモが起きるだろう。」
一方で国民の中には新政権に期待を抱き続ける人もいる。
エフロシ二・アルヴァニタキさん(65)は2月の選挙でチプラス政権に初めて投票した。
夫と離婚し今では息子と婚約者の借りている月4万円の部屋に同居させてもらっている。
緊縮策のあおりを受け
一昨年 役所での清掃員の仕事を解雇された。
苦しい生活が続いている。
(エフロシニ・アルヴァニタキさん)
「とても憂鬱だ。
 子どもたちのお荷物になるとは思いもしなかった。」
アルヴァニタキさんは復職を求め役所の前で座り込みを続ける。
チプラス政権なら何とかしてくれるだろうと望みを託している。
(エフロシニ・アルヴァニタキさん)
「選挙のあとは前向きな気持ちになった。
 これからはうまくいくと信じている。」


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イギリス王室支える“イメージ戦略”

2015-03-11 07:30:00 | 海外ネットワーク

3月1日 NHK海外ネットワーク

一昨年 ロイヤルベビーが誕生し
世界中の関心がウイリアム王子と妻のキャサリンさんに集まった。
行き先々に人だかりができ
イギリス王室の顔となっている。
注目はキャサリンさんのファッションにも。
庶民的なブランドを着こなす気取らない姿が共感を呼んでいる。
(市民)
「王室に親しみを感じる。」
「若い世代は一般の人の感覚に近い。
 王室の一員としても自覚も十分。」
多くの人をひきつけるウイリアム王子夫妻。
この人気を支えるのがイギリス王室の優れたイメージ戦略である。
王室はツイッターやフェイスブックなどのメディアを駆使し
女王や王族の日常を発信。
“親しみやすさ”の演出に力を入れている。
イメージ戦略を強化するきっかけとなったのは18年前。
国民に人気が高かったダイアナ元皇太子妃が交通事故で亡くなった。
その後 国民の王室の支持率は過去最低の約30%まで落ち込んだ。
さらに国の財政状況が厳しいことを理由に年間66億円の王室費も廃止された。
危機を乗り越えようと王室はエリザベス女王のもと“開かれた王室”を掲げイメージ戦略に取り組んでいる。
かつてバッキンガム宮殿で報道官を務めたディッキー・アービターさんは
王室のウェブサイトを立ち上げるなどイメージアップに努めてきた1人である。
(バッキンガム宮殿 元報道官 ディッキー・アービターさん)
「女王陛下はすっかり変わった。
 服装もカラフル。
 王室は誰からも親しんでもらえるよう努力している。」
経済的な自立も求められた王室。
所有する土地を利用したビジネスにも力を入れている。
ロンドン中心部 世界のブランド店が軒を連ねるリージェントストリート。
この通りのほとんどが王室の土地である。
テナントからの賃料など都市部の不動産収入は年間450億円を超えている。
洋上でもビジネスを展開。
イギリスの海岸線の50%以上を保有していて
風力発電事業を行う企業に用地を貸出し収入を得ている。
さらに王室はブランド力の強化にも余念がない。
王室のメンバーがデザインした雑貨などを販売する店。
売り上げは年間数億円にのぼるが収益はすべて環境保護や教育などに取り組む慈善団体に寄付される。
(日本人観光客)
「チャリティーになっているそうで非常にいいと思う。」
今では60%以上にまで回復した王室の支持率。
王室のビジネスにも追い風となっている。
イギリス南部のパウンドベリー。
王室所有の土地に住宅やオフィスが建ち並んでいる。
チャールズ皇太子が20年前から開発を手掛けてきた。
最近町に移り住む人が相次いでいる。
開発前と比べ地価は10倍以上も上昇。
周辺の地域も合わせた土地の賃料は年間53億円にのぼる。
王室のブランドに魅かれ企業も続々と進出。
有機栽培の原料でシリアルを製造販売する会社も町の発展を歓迎している。
(シリアルメーカー マーケティング責任者)
「王室とつながりの深いこの町に居られてとてもうれしい。」
存続の危機をもくぐり抜けてきたイギリス王室。
新しい世代も誕生しそのブランド力はますます高まりそうである。
(バッキンガム宮殿 元報道官 ディッキー・アービターさん)
「上の世代が築き上げてきたものを引きつぎ
 新しい世代が様々な取り組みを行っている。
 国民は王室のことを好意的に見ている。」

 

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“本土の買い物客”香港で反発も

2015-03-03 07:45:00 | 海外ネットワーク

2月22日 NHK海外ネットワーク


中国の春節の時期 香港にも中国本土から大勢の買い物客が詰めかけている。
しかし歓迎ムードとは程遠い動きも出ている。
「香港を荒らすのはやめろ!」
2月15日 中国本土との境界に近い町で行われたデモ。
ショッピングセンターを占拠したデモ隊が本土からやってきた買い物客を取り囲み激しく抗議した。
「香港はあなたたちを歓迎しない。
 中国本土に帰れ!」
警察が出動し逮捕者が出る騒ぎに。
本土から大勢の買い物客が押し寄せることに香港市民の間で反発が広がっている。
(デモ参加者)
「本土からどんどん人が入ってきて香港の文化と価値観が損なわれている。」
世界の有名ブランド店が軒を連ねる香港。
2003年に中国本土からの個人旅行が解禁になり訪れる人は年々増加。
去年1年間の訪問者数は4,700万人と香港の人口の6倍以上にものぼった。
化粧品や粉ミルク、食品などを大量に本土に持ち帰る。
(本土からの買い物客)
「粉ミルクが無くなると香港に買いに来る。」
「本土のものは質が悪い。
 香港に来て買うのは当然。」
これに対し香港市民からは様々な不満の声があがるようになった。
(香港市民)
「本土の客が買ったものを広げるので通路が狭くなりうんざり。」
「本土からの買い物客が香港の物価を引き上げている。」
ここ数年 物価上昇率が年間4~5%と高い水準が続く香港。
本土からの買い物客の急速な増加が物価上昇の一因になっているとの見方も出ている。
香港の人たちが中国本土に抱く不信感は去年表面化した。
香港の学生らが中国の決定に反発し抗議活動を展開。
座り込みは2か月余にも及んだ。
くすぶり続ける本土への不満はいま買い物客に向けられている。
香港の人たちが快く思っていないのが転売目的で商品を買い占める人たちの存在である。
中国本土のシンセンでは香港からの列車が到着すると
あちらこちらで香港で買ってきた品を売る光景が見られる。
組織的な買占めも横行している。
香港の街角で男たちが袋に詰めているのは購入した大量のiPad。
中国本土に持ち込めば1~2割以上高く売ることが出来る。
大勢の運び屋を雇い手分けして本土まで運ぶ。
通常の買い物客を装って本土の税関の目をくぐり抜けるためである。
こうした運び屋は1万3,000人以上いるとされる。
買占めを取り締まろうと香港当局は対策を強化した。
本土に向かう人たちが出発する香港側の駅の入口では
買い物客の荷物の重さなどのチェックが行われている。
列車に持ち込める荷物は一昨年から1人23キロまでに制限された。
基準を満たさなければ列車に持ち込むことはできない。
商品によっては持ち出せる数にまで制限が設けられている。
増え続ける本土からの買い物客。
香港市民からはもっと踏み込んだ対策を求める声も上がっている。
(香港市民)
「香港当局は本土から来る人の数をコントロールすべきだ。」
中国本土とともに経済発展を遂げてきた香港。
本土との距離が急速に近づく中で新たに生じた摩擦をどう解消していくのか問われている。




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アメリカで注目 人種差別扱った映画 

2015-03-02 07:30:00 | 海外ネットワーク

2月22日 NHK海外ネットワーク


去年 アカデミー賞作品賞に輝いたのは19世紀アメリカの黒人奴隷の悲劇を描いた映画だったが
今年も人種差別の問題を扱った「セルマ」がノミネートされた。
1960年代 キング牧師と共に差別撤廃を求める公民権運動に取り組んだ黒人たちの姿を描いた作品である。
あれから半世紀。
なぜ今この映画がアメリカで注目を集めているのか。

アメリカで公開中の映画「セルマ」。
1965年 公民権運動の指導者 マーチン・ルーサー・キング牧師に率いられた住民たちが
人種差別の撤廃を求めて立ちあがる。
警察の激しい暴力に会いながらも運動を続ける様子が描かれている。
(映画を見た人)
「心を揺さぶられた。
 自分も何かしなくてはという気持ちにさせられた。」
「住民たちは驚くべきことを達成した。
 キング牧師の理想と精神は素晴らしい。」
映画の舞台となった南部アラバマ州の町 セルマ。
50年前に自由と平等を求めて多くの人が渡った橋はアメリカの公民権運動を象徴する場所として知られている。
50年前 投票権を求める黒人の住民600人が約85キロ離れた州都モンゴメリーに向けて歩き始めた。
(警察官)
「更新を続けると身に危険が及ぶぞ。
 速やかに解散し家に帰れ。」
参加者たちが橋を渡ったとき行く手には警官隊が立ちはだかった。
激しい暴力の様子は全米に放送され人種差別撤廃を求める大きな流れにつながった。 
行進の参加者は最終的には2万5,000人に膨らみ
この年 投票権法が成立。
2月 当時デモ行進に参加した人たちが出発点となった教会に集まった。
公民権運動での功績をたたえられ連邦議会から表彰を受けたのである。
その1人 ジョアン・ブランドさん(61)は11歳の時に姉とともに更新した。
セルマで育ったジョアンさんは人種差別を肌身で感じてきた。
幼い頃病気になった母親をなくしていた。
運ばれた病院で“黒人用の血液は無い”と言われ
輸血による治療が間に合わなかったのである。
(ジョアン・ブランドさん)
「不当に扱われていることはずっとわかっていた。
 改善されているが完全に白人と同じ条件ではない。
 だから私たちは今でも苦労している。」
ジョアンさんにとって去年 人種を巡る問題をあらためて痛感させられる出来事があった。
ミズーリ州ファーガソンで18歳の黒人の少年が白人の警察官に射殺され
11月に警察官が不起訴になったのである。
この決定に抗議する動きは全米中に広がった。
(ジョアン・ブランドさん)
「ファーガソンの事件は長年の問題が注目されたきっかけにすぎない。
 誰でも犠牲者になり得る。」
いまも残る差別をなくしていきたい。
ジョアンさんは50年前のことを伝えようと若者たちに語る活動に長年取り組んできた。
やってきたのはキング牧師の功績をたたえる石碑の前。
キング牧師が残した“I habe a dream”という有名なスピーチ。
キング牧師が亡くなった後に建てられたこの石碑には
“I had a dream(わたしには夢があった)”と過去形で刻まれていた。
しかし「平等な社会を目指したキング牧師の夢はまだかなっていない」と憤るジョアンさん。
若者たちにはキング牧師の夢を引き継ぎ
社会を変えていってほしいと考えている。
「あなたならなんて書く?」
「今も夢がある」
「それは私たちの夢」
「あなたたちが変えていかなければならない。
 きっとできる。」
さらに公民権運動の象徴となった橋を若者たちに渡ってもらった。
(参加した高校生)
「自分が何かを変えることが出来るきがしてきた。
 ここで学んだことをみんなに伝えたい。」
(ジョアン・ブランドさん)
「若者たちがしっかりと受け止めてどうあるべきかを考えてくれるでしょう。
 彼らが次の世代のためにより良い世界を作ってくれることを望む。」
多くのアメリカ人が求めた自由で平等な社会の実現。
アメリカはそこにたどり着けたのか。
50年という節目にあらためて問われている。

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ブラジル サンバカーニバル

2015-02-24 07:30:00 | 海外ネットワーク

2月15日 NHK海外ネットワーク


13日 サンパウロでカーニバルが始まった。
もっとも有名なのはリオデジャネイロのカーニバルだがサンパウロもそれに次ぐ規模と注目度を誇る。
今年は14チーム4万人以上が参加。
宝石やアフリカなどをテーマにした山車と共に華やかなパレードを披露した。
(観客)
「とても楽しんでるよ。
 11年連続で来てるんだ。」
「サンパウロのカーニバルも進化しているわ。」
パレードでひときわ異彩を放っていたのは日本からやってきた山車だった。
立佞武多(たちねぶた)である。
青森を代表する佞武多のひとつで五所川原市から参加した。
この立佞武多は
地震を起こすとされるナマズを巨大な石を掲げた大明神が押さえつけるという構図になっている。
東日本大震災からの復興を願って作られた。
立佞武多の参加を要請したのはサンバチーム会長 シジネイ・カリオウロさん。
カーニバル1週間前 カリオウロさんのチームは本番の会場を使ってリハーサルを行った。
チームのテーマは“日本とブラジル 120年の絆”。
日本とブラジルが外交関係を結んで今年で120年になることからこのテーマを選んだ。
パレードには650人の日本人や日系人が参加し花形のダンサーには日本人を抜擢した。
衣装にも日本の要素が取り入れられている。
そんな日本びいきのカリオウロさん。
東日本大震災の翌年 サンバチームのメンバーと被災地を訪れサンバ教室を開いて被災者を励ました。
そして今回 震災復興をテーマとする立佞武多に参加してもらうことで日本に応援のメッセージを伝えたいと考えた。
(サンバチーム会長 シジネイ・カリオウロさん)
「立佞武多が震災復興を意味するものと知り
 私たちは一生鶏鳴踊って被災した方に連帯の気持ちを伝えたい。」
2月初め 五所川原市の13人の職人がサンパウロに入った。
職人たちは日本から届いたコンテナ15個分のパーツを使い高さ15メートルの山車を組み立てる。
組み立ての時間はわずか3日。
しかし初日から予期していなかった問題にぶつかった。
組み立てに欠かせないクレーンが用意されていなかったのである。
慣れない海外での作業に職人たちの不安はつのる。
今年 カリオウロさんのチームには親善大使としてジーコさんが参加することになった。
ブラジルの英雄で元サッカー日本代表監督のジーコさん。
(元サッカー日本代表監督 ジーコさん)
「日本が復興していく姿を見ることが出来るのはうれしい。
 親善大使として誘ってくれたことは光栄。
 断る理由なんてないよ。」
組み立てを始めて3日目 作業は最終段階に入った。
立佞武多の頂上 大明神の上に大きな石を取り付ける。
クレーンはどうにか間に合った。
クレーンが予定通り届かなかったり大雨で作業が長時間中断したりしたがなんとか3日間で完成にこぎつけた。
(立佞武多製作者 福士裕朗さん)
「注目度は一番だと思うので
 必ずブラジルや日系人の方々が目に焼き付けてくれると確信している。」
13日 迎えたカーニバルの当日。
立佞武多は4番目の山車として登場した。
(観客)
「こんなの今まで見たことがない。
 素晴らしい作品ね。」
(サンバチーム会長 シジネイ・カリオウロさん)
「日本の方々も参加して満足してもらえたのではないか。
 復興への願いは伝えられたと思う。」
外国の山車としてカーニバルに初めて参加した立佞武多。
華やかな会場の中でひときわ存在感を示した。

 

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アメリカ サイバー攻撃対策 “情報の共有”がカギ

2015-02-23 07:30:00 | 海外ネットワーク

2月15日 NHK海外ネットワーク


サイバー攻撃の脅威が増すなかアメリカ政府は新たな対策を打ち出した。
(13日 アメリカ オバマ大統領)
「アメリカをサイバー高家木から守る方法は1つしかない。
 政府と民間が協力し情報を共有することだ。
 YES WE CAN!」
オバマ大統領は対策会議を開き
民間企業の幹部らにサイバー攻撃の被害について積極的に政府に報告し情報を共有するよう呼びかけた。
多くの企業は顧客のプライバシーを理由にこうした報告を控えてきた。
しかし企業の被害件数がこの6年で5倍と急増していることに政府も危機感をつのらせている。
サイバー攻撃に関する情報を共有することの重要性を専門家たちも認識し始めている。
サイバー攻撃から企業のネットワークを守るコンピューターセキュリティー会社の担当者が
ワシントン市内に集まり最新の情報を交換した。
サイバー攻撃に使われる有害なソフトウェアの情報を集めて駆除する技術の開発につなげるためである。
この情報交換会に参加したコンピューターセキュリティー会社は
顧客の企業のネットワークにサイバー攻撃が行われていないか24時間監視している。
責任者の1人 ブライアン・バーソロミューさんは
去年ふだんはライバル関係にあるセキュリティー会社10社が連携し
サイバー攻撃に対抗しようというアメリカで初めての試みに参加した。
サイバー攻撃に使われる有害なソフトウェアを次々に開発するハッカー集団に対抗するには
こうした連携が欠かせないと言う。
(コンピューターセキュリティー会社 ブライアン・バーソロミューさん)
「攻撃を仕掛ける集団は洗練された技術を持っている。
 影響は広範囲に及び毎日のように被害者が出ている。」
バーソロミューさんたちの最大の敵はきわめて高度な技術を持つ謎のハッカー集団“アクシオム”と呼ばれている。
アメリカ政府は“アクシオム”は中国政府の支援を受けていると分析している。
“アクシオム”は有害なソフトウェアを開発し密かに企業のネットワークに送りつける。
これまでに確認できた有害ソフトは9種類。
セキュリティー会社の防已をすり抜けネットワークkに侵入していく。
それぞれに企業が単独で対応しようにも対抗策には限りがある。
製品の機密情報などが盗み取られることもある。
そこでバーソロミューさんの会社を始め各社が連携。
情報を共有し対策ソフトを開発した。
その結果 効率よく有害ソフトを駆除できるようになり4万3,000件の被害を未然に防ぐことが出来た。
(コンピューターセキュリティー会社 ブライアン・バーソロミューさん)
「セキュリティー会社が協力し持っている情報共有すれば“アクシオム”に打撃を与えられると思った。」
情報を共有してのサイバー攻撃対策が効果をあげ始めているなか
オバマ大統領は13日の対策会議の場で民間と政府の協力を促す大統領令に署名した。
(アメリカ オバマ大統領)
「対策は政府単独ではできないが
 民間だけでは不可能なのも事実。
 脅威についての最新の情報は政府が持っているからだ。」
大統領令を発令し一定の強制力を持って企業の被害情報を集め対策を強化しようというオバマ大統領。
新たな取り組みは具体的な成果に結びつくのか注目される。

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中国で多発 子どもの誘拐

2015-02-17 08:00:00 | 海外ネットワーク

2月8日 NHK海外ネットワーク


中国では子供の誘拐が大きな社会問題となっている。
中国では年間に20万人の子どもの行方が分からなくなると言われるが
中には誘拐されて農村部などに売られるケースが数多くあると指摘される。

小学校の下校時間。
校門の前には子どもを迎えに来た親たちが詰めかけている。
最近 全国どこの小学校でも見られる光景である。
「今は悪い人が多いから心配。」
「最近 子どもが誘拐されるニュースが多い。
 1人で帰らせるわけにはいかない。」
中国では警察などが子どもの誘拐にかかわった犯罪組織の大規模な摘発をたびたび行っている。
警官が組織の拠点に踏み込み誘拐された多くの子どもたちを救い出す。
しかし売買などを目的とした子どもの誘拐は後を絶たないのが実情である。
何故誘拐が無くならないのか。
専門家は人々の意識に問題があると言う。
(誘拐の問題を調査している 飛さん)
「中国の多くの農村の人たちが年老いたときに自分を養ってくれる男の子を必要としている。
 子どもを買い求める市場は巨大化し利潤を生んでいる。」
大通りでペダルをこぐ伍興虎さん(35)。
6年余り前 1歳になる息子が誘拐された。
一人息子の嘉誠ちゃんは深夜に伍さんの自宅に侵入した何者かにさらわれた。
伍さん夫婦は睡眠薬で眠らされその隙に嘉誠ちゃんが連れ去られたと言う。
(伍興虎さん)
「気が付いたら息子がいなくなっていた。
 何が起きたかわからず外に出て大声で叫んだ。」
警察に捜索を養成したものの取り合ってもらえず自力で我が子を探し続けている。
伍さんは子どもを誘拐された親などを集め街頭に立った。
親たちは行方が分からなくなった我が子の写真を掲げ少しでも手がかりを得ようと必死に情報の提供を呼びかけた。
息子が5歳の時に誘拐されたという女性。
「一目でいいから会わせてください。
 あまりにも残酷。
 17年も探している。」
またなかには幼いころ自分自身が誘拐され農家に売り渡されたという男性もいた。
実の母親を探していると言う。
「母を探し出して一緒に暮らしたい。
 一目でいいから会いたい。」 
(伍興虎さん)
「わたしたちが活動することで多くの人がこの問題を知り関心を持ってくれれば息子が戻ってくるかもしれない。」
一方 子どもを奪われ苦しむ伍さんたちの気持ちを踏みにじるようなことも起きている。 
子どもを見つけてくれた人に報償金を支払うと呼び掛けたところ
金目当てに接触してくる人が後を絶たないと言う。
伍さんのもとに送られてきた息子の嘉誠ちゃんだという写真は
伍さんが公開している写真を反転して重ね合成したものである。
ワラにすがる思いで子どもを探す親心につけ込み金をだまし取ろうとしたとみられる。
(伍興虎さん)
「連絡を受けて兄を一緒に東北部に行ったことがある。
 指定された口座に金を振り込んだが
 その後連絡が取れなくなりだまされたのだとわかった。」
伍さんは男の子を働き手として求める傾向が強い農村部をできるだけ訪問することにしている。
(農村の男性)
「農村部なら子どもがいない家庭は誘拐された子どもでも少しお金を出せば戸籍に登録することが出来る。」
「農村は畑仕事で肉体労働だから
 私は違うけど年寄りは皆そういう考え方。
 そう簡単には変わらない。」
こうした考え方を変えていくのは容易ではない。
しかし伍さんはお金で子どもを買ってはいけないと訴えていることが
いずれは息子との再会につながると考えている。
(伍興虎さん)
「同じ苦しみを味わう人を二度と見たくない。
 皆がこの問題を自分のことと考えてくれれば私の息子の居場所も明らかになるはず。」
専門家も人々の意識自体を変えることの大切さを強調する。
(誘拐の問題を調査している 飛さん)
「子どもを買う人がいなくなればこんなつらい思いをしなくて済む。
 人身売買を無くすには買う側にも厳しい罰則を設け
 意識を変えることが必要。」


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原油安の影響 アジアでも

2015-02-16 08:00:00 | 海外ネットワーク

2月8日 NHK海外ネットワーク


原油の値下がりで資源を輸出する国々の経済や財政に対する懸念が広がった結果
これらの国の通貨が軒並みドルに対して値下がりしている。
ロシアの通貨ルーブルがこの半年で40%以上下落したほか
ノルウェーのクローネやメキシコのペソといった通貨もそれぞれ下がっている。
アジアはマレーシアのリンギットやインドネシアのルピアなどの通貨の下落が目立っている。

シンガポールからマレーシアに向かう国境の橋はシンガポール人の車で大渋滞。
マレーシアの通貨が下落したことで安く買い物ができるとシンガポールから人々が国境を越えて押し寄せている。
マレーシアのショッピングモールでは同じ衣料品でもシンガポール国内の半値以下で売られているものもある。
この店の売り上げは去年より15%増。
(シンガポールからの買い物客)
「たくさん買えてうれしいわ。」
「毎週欠かさず来ていますよ。」
一方 通貨安はマレーシアの人たちの生活に深刻な影響を及ぼしている。
輸入に頼る魚やコメなどが値上がりしている。
庶民に人気の屋台の朝食。
輸入食材の値上がりで1皿の値段をこれまで通りに抑えるのはひと苦労である。
ご飯の盛りはこれまでより2割ほど軽くした。
さらに肉なども減らして価格の維持に努める。
(店主)
「通貨が下がり続ければ経営は成り立ちません。
 食材の値上がりは本当に不安です。」
通貨安の原因となった原油価格の下落は国家財政にも深刻な影響を与えている。
(1月20日 マレーシア ナジブ首相 )
「原油価格の下落は政府の歳入減に直結する。」
マレーシア政府は新年度の国家予算を日本円で約1,800億円削減することにした。
(大手シンクタンク エコノミスト)
「世界的に原油の需要が低いままです。
 各国政府とさまざまな機関が産油国に生産量調整をと圧力をかけるでしょう。」 

インドネシアでは通貨安が国の経済を支える産業にダメージを与えている。
通貨安はインドネシアの伝統の衣装にも影響を与えている。
普段着として親しまれている衣装 バティック。
市内には1800余の工房がある。
そのひとつを営むアリス・リアディさん。
バティックは綿や染料の原料の9割をを輸入に頼っていて通偉安で大きな打撃を受けている。
「この染料は去年1キロ500円ほどでしたが今は1000円にまで値上がりしました。」
給料の支払いも滞り半月前には20人雇っていた従業員も今はわずか2人である。
(工房を経営 ハリス・リアディさん)
「通貨安は輸入品に頼る我々のようなメーカーにとって極めて影響が大きい。
 このままで生き残ることは難しい。」
影響はさらに現地の日本企業にも及んでいる。
日本から進出している企業は約1700社。
その半数以上が自動車や電気機械などの製造業。
通貨ルピア安によって国外からの資材調達はこれまでより割高になっている。
しかし親会社に製品を納入する際に値上がり分を転嫁できず
特に中小企業にとって大きな損失となっている。
(インドネシアの日本人商工会議所 吉田晋事務局長)
「部品を製造している偉業は親会社との関係で価格転嫁はなかなか難しい。
 ルピア安の影響をもろに受けがちになる。
 それを価格に転嫁する手法がない。
 特に中小企業には大きく影響している。」

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