1月19日 BIZ+SUNDAY
今後ASEANで日本企業が存在感を高めていくためには急増している中間層を取り込めるかどうかがカギとなる。
タイ バンコクで暮らす人たちの2015年の世帯所得予想では
年間所得が日本円で50万円 5000ドルを超える中間層(ローワー)が来年には70%に達する見通しである。
5年前には40%ほどだったのでその急増ぶりは際立っている。
特に日本円で年収150万円~350万円という中間層(アッパー)が増えている。
バンコク郊外のマンションの20階に住むタンさん(33)とティックさん(31)夫妻。
去年このマンションを480万バーツ(約1500万円)で購入した。
家の中には多数の日本製品。
料理が趣味だというティックさんは炊飯器は日立の製品を愛用している。
「このメーカーはいろいろな機能がついていて気に入っている。」
部屋の間取りはリビングに寝室、キッチン 合わせて30㎡。
「プライベートな空間もできてすごく快適。」
タンさんは国営の石油会社 妻のティックさんは日系の衣料品メーカーに勤めている。
2人合わせた年収は120万バーツ(約380万円)。
来月には大好きな日本への旅行も計画している。
「雪や桜も見たいし東京や富士山などの観光スポットも行ってみたい。」
買い物はトヨタの車。
行き先はマンションから車で5分のスーパーマーケット。
高級な輸入食材を数多く取り揃えている。
「明治のミルクはあるかしら。」
ふたりが買い物をするときに必ずチェックするのが産地を示す国旗である。
「日本の食品は品質が良くて信頼できる。
値段は気にせず好きなメーカーの物は買ってしまう。」
この日の買い物は牛乳や卵など343バーツ(約1100円)。
「ふだんは2000バーツ(約6400円)くらい。
2800バーツ(約8900円)使ったこともある。」
こうしたタイの中間層に今人気のスポットがある。
日本の風景を再現し週末には多くの買い物客でにぎわっている。
ここは日本のスーパーやドラッグストアなど20店舗以上を集めた大型のショッピングセンターである。
中間層に人気の日本を前面に打ち出したその名もJパーク。
「今までにない日本風の雰囲気でとてもいいですね。」
このショッピングセンターを経営しているのがタイ最大の流通グループのサハグループである。
このグループを率いるのがブンヤチット・チョックワタナー会長(77)。
若いころ大阪でタイ向けの商品の買い付けにあたり日本で暮らした代の日本通である。
(ブンヤチット・チョックワタナーさん)
「18歳から24歳まで大阪に住んでいた。
当時は人生の3分の1が日本だった。
敗戦後の回復は全部見た。
当時 日本は貧乏で厳しくみんな働く。
そういう精神を学んだ。」
ブンヤチットさんは帰国後日系企業と次々と合弁会社を設立。
今では医療、食品など約300社の流通グループを築き上げた。
グループ全体の売上高は約6500億円にのぼる。
Q.アメリカや中国の企業と組む選択肢もあるが日本企業と組むメリットは?
(ブンヤチット・クワタナーさん)
「日本企業は柔軟性がある。
アメリカの企業はアメリカが指揮をする。
『これやりなさい』とか。
日本の企業はタイの状況を見てからやることが多い。
日本は同じ東洋人なので気持ちがよくわかる。
だから組みやすい。」
Q.“陸のASEAN”のポテンシャル 可能性は?
「ポテンシャルは人口
ミャンマー・タイ・ラオス・ベトナムが一緒になると約2億人。
いっぺんですぐ2億人の市場になってくる。
交通さえあればすぐ物は流れる。
もう1つはタイバーツを使うことができる。
ミャンマーやカンボジアではタイバーツ タイの紙幣をみんなが知っている。
“陸のASEAN”はみんなタイバーツの値打ちが頭に入っている。
そういう点が有利だと思う。」
ブンヤチットさんは日本が“陸のASEAN”を攻略するにはタイを軸にした戦略を立てるべきだとしている。
「日本企業のASEANの考え方はミャンマーはミャンマー カンボジア ベトナム。
日本企業の考えはミャンマーに投資とかベトナムにも投資とかそれはいいことだが
実際はタイに投資した会社で一緒にやっていくことが一番いいと思う。
地理的に見たらタイは中心。
ベトナムのハノイからホーチミンまでの距離よりバンコクからのほうが近い。
みんなタイが中心。
タイは地理的にハブ。」
Q.ASEAN経済共同体が反映するための日本企業の役割は?
「日本人の商売は生産だけでなくサービス精神が非常に強い。
日本のサービスモデルや商売のモデルを紹介すればもっと売れる。
今がチャンスだと思う。」
今後ASEANで日本企業が存在感を高めていくためには急増している中間層を取り込めるかどうかがカギとなる。
タイ バンコクで暮らす人たちの2015年の世帯所得予想では
年間所得が日本円で50万円 5000ドルを超える中間層(ローワー)が来年には70%に達する見通しである。
5年前には40%ほどだったのでその急増ぶりは際立っている。
特に日本円で年収150万円~350万円という中間層(アッパー)が増えている。
バンコク郊外のマンションの20階に住むタンさん(33)とティックさん(31)夫妻。
去年このマンションを480万バーツ(約1500万円)で購入した。
家の中には多数の日本製品。
料理が趣味だというティックさんは炊飯器は日立の製品を愛用している。
「このメーカーはいろいろな機能がついていて気に入っている。」
部屋の間取りはリビングに寝室、キッチン 合わせて30㎡。
「プライベートな空間もできてすごく快適。」
タンさんは国営の石油会社 妻のティックさんは日系の衣料品メーカーに勤めている。
2人合わせた年収は120万バーツ(約380万円)。
来月には大好きな日本への旅行も計画している。
「雪や桜も見たいし東京や富士山などの観光スポットも行ってみたい。」
買い物はトヨタの車。
行き先はマンションから車で5分のスーパーマーケット。
高級な輸入食材を数多く取り揃えている。
「明治のミルクはあるかしら。」
ふたりが買い物をするときに必ずチェックするのが産地を示す国旗である。
「日本の食品は品質が良くて信頼できる。
値段は気にせず好きなメーカーの物は買ってしまう。」
この日の買い物は牛乳や卵など343バーツ(約1100円)。
「ふだんは2000バーツ(約6400円)くらい。
2800バーツ(約8900円)使ったこともある。」
こうしたタイの中間層に今人気のスポットがある。
日本の風景を再現し週末には多くの買い物客でにぎわっている。
ここは日本のスーパーやドラッグストアなど20店舗以上を集めた大型のショッピングセンターである。
中間層に人気の日本を前面に打ち出したその名もJパーク。
「今までにない日本風の雰囲気でとてもいいですね。」
このショッピングセンターを経営しているのがタイ最大の流通グループのサハグループである。
このグループを率いるのがブンヤチット・チョックワタナー会長(77)。
若いころ大阪でタイ向けの商品の買い付けにあたり日本で暮らした代の日本通である。
(ブンヤチット・チョックワタナーさん)
「18歳から24歳まで大阪に住んでいた。
当時は人生の3分の1が日本だった。
敗戦後の回復は全部見た。
当時 日本は貧乏で厳しくみんな働く。
そういう精神を学んだ。」
ブンヤチットさんは帰国後日系企業と次々と合弁会社を設立。
今では医療、食品など約300社の流通グループを築き上げた。
グループ全体の売上高は約6500億円にのぼる。
Q.アメリカや中国の企業と組む選択肢もあるが日本企業と組むメリットは?
(ブンヤチット・クワタナーさん)
「日本企業は柔軟性がある。
アメリカの企業はアメリカが指揮をする。
『これやりなさい』とか。
日本の企業はタイの状況を見てからやることが多い。
日本は同じ東洋人なので気持ちがよくわかる。
だから組みやすい。」
Q.“陸のASEAN”のポテンシャル 可能性は?
「ポテンシャルは人口
ミャンマー・タイ・ラオス・ベトナムが一緒になると約2億人。
いっぺんですぐ2億人の市場になってくる。
交通さえあればすぐ物は流れる。
もう1つはタイバーツを使うことができる。
ミャンマーやカンボジアではタイバーツ タイの紙幣をみんなが知っている。
“陸のASEAN”はみんなタイバーツの値打ちが頭に入っている。
そういう点が有利だと思う。」
ブンヤチットさんは日本が“陸のASEAN”を攻略するにはタイを軸にした戦略を立てるべきだとしている。
「日本企業のASEANの考え方はミャンマーはミャンマー カンボジア ベトナム。
日本企業の考えはミャンマーに投資とかベトナムにも投資とかそれはいいことだが
実際はタイに投資した会社で一緒にやっていくことが一番いいと思う。
地理的に見たらタイは中心。
ベトナムのハノイからホーチミンまでの距離よりバンコクからのほうが近い。
みんなタイが中心。
タイは地理的にハブ。」
Q.ASEAN経済共同体が反映するための日本企業の役割は?
「日本人の商売は生産だけでなくサービス精神が非常に強い。
日本のサービスモデルや商売のモデルを紹介すればもっと売れる。
今がチャンスだと思う。」