11月14日 経済フロントライン
スマートフォンでいま人気を集めているサイト。
消費者と消費者が直接ものを売り買いする個人間取引のサイトである。
「スマートフォンで簡単にできる
少しでもお金になればいい。」
「急なお金がほしい時に自分の物を売る効率の良さがある。」
consumer(消費者)の頭文字を取り C to C と言われている。
民間の調査によるとネットを介した個人間取引の規模は
2年前の2,3兆円から
今年度は3,4兆円まで拡大すると見込まれている。
一方こうした取引はその実態を把握することが困難で
経済にどのような影響を及ぼしているのかはっきりとわからないのが実情である。
国内総生産の成長率昨年度は実質-0,9%
ところがこの数値には個人間取引を含めたネットの取引の多くが反映されていない。
証券会社の試算ではこうした取引を含めると+0,6%になっていたのではないかとしている。
個人間で物の売買を頻繁に行っている長谷部さん。
この日は暖房器具を売りたいという女性のもとを訪れた。
長谷部さんが利用しているのは家電や家具など売りたい人と買いたい人をつなぐサイト「ジモティー」。
売りたい物がある人が商品を無料で登録。
買いたい人が売り主に連絡できるようになっていて
交渉がまとまれば原則直接会って取引を行う仕組みである。
現在サイトへのアクセス数は月400万以上にのぼる。
(戸田真紀さん)
「留学することになって一人暮らしの家具を処分しないといけなくなった。
すぐ受け取りに来ていただいてお金のやり取りをさせていただく。
本当にサクッと終わるのでうれしい。」
(長谷部誠さん)
「直接会うことでちゃんとしたものかどうかその場で確認できる。
お会いして相手の人柄がわかるので安心して取引ができる。」
長谷部さんはこれまでこのサイトを通じて
布団やこどものおもちゃなど9品を買い取った。
おもちゃ4点 1000円
カーテン 1500円
布団 4000円
暖房器具 3000円
暖房器具 6000円
棚 1500円
リサイクルショップなどの買うよりも安く手に入れることができたと言う。
(長谷部誠さん)
「中古で済ませられる物は中古で構わないという考え方。
今はたくさんの人が売りたいものをサイトにアップしてくれているので
毎日のぞくと必ず何か新しいものがある。
それを見て必要な物をさがすのが楽しい。」
消費者の中には売ることを前提にして物を購入する人も出てきている。
主婦の渡辺さんが利用しているのはブランドの子ども服を専門に扱うサイト「キャリーオン」。
その仕組みは
服を売りたい人はこのサイトの運営会社に服を送るとポイントがもらえる。
運営会社はサイトに載せる商品の写真撮影から購入者への配送までをすべて代行してくれる。
さらに売った人はこのポイントを使って商品と交換することが出来る。
渡辺さんは今月
2人の子どものために有名ブランドの新品の洋服を買った。
子どもが成長し着られなくなっても簡単に売ることができるようになったので
多少高くても購入するようになったと言う。
渡辺さんは少しでも高く買ってもらうための工夫をしている。
「子どもの名前を上のタグに書いてしまうとブランド名も隠れてしまう。
なるべく横のタグに名前を書くようにしている。
割と安いものを着倒すスタイルだった。
今は少し良いものを買う。
小さくなったら売りに出すことが出来る。
今は後々どのように売れるかを見越して買い物をするようになった。」
こうした個人間の取引が増えている背景には
消費者のコスト意識の高まりがあると専門家は言う。
(ニッセイ基礎研究所 生活研究部 井上智紀さん)
「経済的なところで行くと所得が伸び悩んだ時代が続いていたので
限られた収入の中でどれだけ自分に取って価値の高い物やサービスを購入するのか。
中古品を含めコストパフォーマンスのいい商品を選ぶ意識が強くなってきている。」
さらに消費者の中には
自ら商品の作り手となり売り出す人も出てきている。
主婦の早川さんと妹の山本さん。
趣味で作った雑貨や小物をサイトを通じて販売し人気を集めている。
2人が利用しているのが手作りの商品を売買できるサイト「minnne」。
2人が作った悪せありー収納棚(1、300円)。
市販のフォトフレームを加工して作った。
月に150個ほど売れる。
欲しいという人の要望を取り入れたセミオーダーの商品も作っている。
花の髪飾り(1,800円)は色やデザインなどの色やデザインなどの希望を客から聞き完成させた。
(姉 早川博子さん)
「企業の姉をしてうちが同じ商品を作っても絶対にかなわない。
『こうですか ちがいますか』と繰り返しやりとりして
お客さんが本当に『よし』というまで何度もやり取りできることが強み。」
このサイトの運営会社では
売り手から販売額の10%を手数料として得ている。
少しでも利用者を増やすため
商品の写真の撮り方の講習会を開いた。
3年前にサービスを開始したこのサイト。
今では15万人が商品を売りたいと登録している。
(サイトを運営する GMOパペポ 岡野佳世さん)
「オーダーが細分化しているというか消費者の希望が細かいものになってきている。
それに対応できるというのはハンドメイドの魅力。」
うるものがあれば個人間で取引できるのでもっと増えていく。」
11月27日 編集手帳
最近まで存命だった人は呼び捨てにしない。
「さん」を付けることにしている。
例外もある。
生きながら伝説になり、
現(うつ)し身のまま幻影となった人に「さん」は似合うまい。
原節子が95歳で亡くなった。
その人を〈焼け跡に舞い降りた天使〉と呼んだのは写真家の秋山庄太郎さんである。
たとえ戦争に敗れても、
人は気高く、
優しく、
誇り高く生きることができる。
『東京物語』や『青い山脈』を通して原節子は、
自信を喪失した日本人に語 りかけた。
行き届いた言葉遣いに、
美しい身のこなしに、
敗戦後の生き惑う身を励まされた人は多かろう。
扉を閉ざすように42歳で銀幕を去ったのは高度成長のさなか、
昭和30年代の終わりである。
世間と一切の交渉を絶った理由は臆測を交えてさまざまに語られた。
あるいは戦後の復興に目鼻がついたのを見届けて、
“焼け跡の天使”は人々を慰め励ます使命を終えたのかも知れない。
〈うつくしきひとみを持てる原節子映画にてわれいくたび見けん〉(佐藤佐太郎)。
書棚から秋山さんの写真集を手に取る。
体内に光源があるように身の内側から光り輝いて、
その人がいる。
11月22日 編集手帳
21歳の史上最年少横綱は初日から黒星を喫した。
〈怪童にも『新横綱』の重荷〉。
翌日の本紙に付いた見出しである。
その相手、
前頭筆頭だった金剛には次の場所でも敗れた。
三振を繰り返した長嶋茂雄さんのデビューに重ならなくもない。
北の湖敏満さんである。
3場所目で金剛を下し、
横綱としての初優勝も飾る。
栄光を極めたその後の土俵人生に説明の要はなかろうが、
ファンからの愛され方は、
長嶋さんとは少しちがった。
盤石の取り口をたたえつつも、
強すぎて逆にあきたらず、
負ける姿も見たくなる。
「憎らしいほど強い」の賛詞にファンの気持ちが表れていた。
横綱昇進の1974年は、
日本経済が戦後初のマイナス成長を記録した年である。
前年に石油危機が起きた。
日本中が元気満々だった〈巨人・大鵬・卵焼き〉の時代が過ぎ、
国民もちょっと引いた目でヒーローを見るようになっていたのだろうか。
長嶋さんはこの年、
大鵬はその3年前に 引退している。
双葉山、栃錦、若乃花、大鵬…昭和の名横綱という“称号”は同じでも、
北の湖の昭和は、
そう昔ではない。
早すぎる訃報に言葉を失う。
11月13日 キャッチ!
9月末 インド ニューデリーに近いウッタル・プラディッシュで
牛肉を食べたイスラム教徒の男性が
ヒンズー教徒の集団により自宅を襲撃され殺害された。
イスラム教徒の間では抗議の声が広がっていて宗教対立の再燃も懸念されている。
そのインドでは8割近くの人がヒンズー教を進行している。
そのヒンズー教で雌牛は神聖な存在とされていて大半の州で殺生は禁止されている。
その一方で雄牛や水牛は広く流通が認められていて
イスラム教徒の間で消費されてきた。
しかしヒンズー至上主義団体を母体とするインド人民党のモディ政権が発足して以降
すべての牛について命を奪うことを禁止する動きが相次いでいる。
今年3月にムンバイがあるマハラシュトラ州では「動物保全法」が改正され
雌牛に加えて雄牛も食肉処理や汎愛を禁じる対象となった。
違反すれば最高で禁固10年が課せられる。
また日本をはじめ外国の企業が多く進出するニューデリー近郊のハリヤナ州もこれに追随。
以前から食肉処理は禁じられていたが輸入牛肉の所持・販売も新たに禁止され
レストランでの提供ができなくなった。
イスラム教徒のムハンマドさんは50年間ヒンズー教徒とも友好的に暮らし
長男をインド空軍の軍人に育て上げた。
しかし襲撃の前では何の役にも立たなかった。
月曜日の夜 大勢のヒンズー教徒がムハンマドさんの自宅に押し寄せ
家族の目の前で彼を殺害した。
牛肉を食べ保管しているといううわさが原因である。
噂の発端はムハンマドさんの家の近くで牛の肉の塊が見つかったという地元の寺院の発表だった。
消息筋によると自宅で見つかった肉の塊は
検査の結果牛肉ではなかったということである。
「牛が殺されたという事実はありませんでした。」
隣人たちはショックを受け恐怖を感じて何があったのか語りたがらない。
この村の多くはヒンズー教徒だが
イスラム教徒も70家族が住んでいる。
住民の間に対立は無かったが襲撃は計画的だった可能性がある。
数日後に地方選挙が行われる予定で
それが襲撃の動機かもしれない。
事件の襲撃をあおるような言葉が飛び交っていたということである。
「ソーシャルメディアに流れる噂を信じてはいけません。
今回の事件はうわさが原因です。」
さらに懸念されるのが住人同士の対立である。
加害者の家族は事件を正当化している。
「今回の事を教訓とすべきです。
牛を殺したらこういうことになるのです。」
逮捕者の中には中間層の出身で教師やエンジニアの教育を受けた若者がいた。
若者たちはムハンマドさんの家の近くに住み友好的に接していたそうである。
牛肉を全面的に禁止する政策を進めてきたインド人民党のモディ首相は
事件が大きな騒動に発展しても長く沈黙を続けて
事件から10日後の10月8日になってようやく
「我々が戦うべき敵は異教徒ではなく貧困だ。」
と述べて宗教間での融和を呼び掛けた。
こうした政権の対応のまずさが結果として現れたのが
人口1億人の都市であるビハール州で行われた議会選挙である。
8日に開票が行われ
与党インド人民党は議席を40%以上減らし大敗した。
(国際政治学者 堀本武功さん)
「与党のインド人民党が今年2月のデリーの州議会選挙で負けた。
今度 ビハール州議会選挙でも負けると連敗になる。
人口が3番目に多い大きな州なので負けるわけにはいかない。
有権者の大多数を占めるヒンズー教徒の感情をあおって自分たちが有利になる流れにしようと。
ヒンズー教徒に取って牛は聖牛ですから
聖牛を食べたなんてことを非難する運動を起こすことによって
インド人民党に有利になる選挙の環境を作っていこうとした。
今回 失敗したわけです。
ヒンズーカードで選挙を勝つ戦略が
ビハール州の有権者にとって
それよりもっといい政治を統治をしてくれと。
物価の安定や犯罪を無くす
道路などインフラ整備を進めてくれる方がいいよと。
有権者がインド人民党モディ首相にノーのメッセージを送ったと思う。
インド人民党と支持母体の民族義勇団が同じ手を使うのは考えにくい。
結果的に暴動の再発やより発展するとは考えにくい。
牛肉問題については必要以上に触れないという戦略を取るだろう。
元に戻って経済改革や経済成長など
モディ首相が去年 首相になったことやインド人民党が政権を取った理由を考え
いわば原点に立ち返って政策を進めていくことになるだろう。」
11月12日 おはよう日本
静岡空港は東京と大阪の中間という立地の良さ。
さらに世界遺産となった富士山を目当てにいま中国人観光客が急増している。
今年の国際線の利用者は去年の2倍以上の約31万人。
空港や周辺のホテルは連日大勢の観光客でにぎわいを見せている。
しかしその経済的な恩恵が必ずしも及んでいないのが観光バス業者である。
「ドライバー同士で話をしていると
1日1万円くらいで12時間働いて
コンビニのアルバイトより安い。」
観光客の増加がなぜバス業者の利益につながらないのか。
社長の有賀重裕さんは
従業員6人を雇い
中国人観光客を乗せる観光バスを運行している。
この会社がバスを運行したツアーは富士山や東京などをまわるが
1日当たり受け取る料金は70,000円。
人件費や燃料代を差し引くとほとんど利益は出ないという。
(バス会社 有賀重裕社長)
「運賃の設定が非常に低いレベルで設定してある。
相当回転させないと利益出せない。」
受け取る料金が安く抑えられている理由
有賀さんが指摘するのがランドオペレーターという業者の存在である。
ランドオペレーターは日本にいながら中国の旅行代理店から仕事を受注する。
日本に事務所を持たない旅行代理店に代わって業務を行う仲介業者の役割を担う。。
指定された予算で宿泊先やバスの手配を行うのである。
バス業者への支払いを安く抑えれば抑えるほど
ランドオペレーターの利益は増える仕組みになっている。
現在急増している中国からのツアーの多くにこのランドオペレーターがかかわっているという。
中国から来日し年間300件もの仕事をこなすというランドオペレーターの女性。
全国各地から少しでも安い価格で仕事を受ける業者を探すことが欠かせないという。
(ランドオペレーター)
「安い業者が多いのは千葉県 三重県 愛知県
山の奥の県のバス業者はある程度料金に応じてくれる。
バス代を安く抑えなきゃいけない。
抑えないとランドオペレーターは全く利益が出ない。
赤字になるだけ。」
日本人ツアー客が伸び悩むなか
バス業界にとり中国人観光客は今後も増加が見込める数少ないビジネスチャンスである。
有賀さんの会社も生き残りをかけて料金を低く抑えられても仕事を受け続けた。
少しでも利益を出すために営業の範囲を超えてバスを走らせることが増えていったという。
その結果今年8月
この事実が発覚し
バスの運航を100日間止められる行政処分を言い渡された。
(バス会社 有賀重裕社長)
「運転手の給料が最低を割ることはやっぱり不可能。
仕事薄いならまだいいが
なかった時があったのでやらざるをえない。」
いまこの会社のように利益を出そうとするあまり法令違反を犯すバス業者は少なくない。
去年全国の運輸局が空港などで観光バスを対象に抜き打ちで監査をした結果
約4割のバスが何らかの法令違反を犯していたことが明らかになった。
こうした違反が事故につながるケースも出始めている。
今年4月に中国人観光客15人にけがを負わせた事故は
車体の安全検査をする時間を削りバスを走らせ続けた結果
ブレーキが利きにくくなっていた。
その理由についてバス会社の社長は
仕事を断れば依頼が来なくなると思った
と話している。
こうした事故は全国各地で相次ぎ
観光客の安全を脅かす事態となっている。
危機感を持った国は対策に動いた。
去年4月新たな制度を起ち上げ
ランドオペレーターからバス業者に支払われる料金は高くなるようにした。
しかし新たな制度が守られていない事実が明らかになった。
20代のバスを保有するバス業者は
ランドオペレーターから毎月40件ほどの依頼が来るというが
新しい料金を提示されたことは1件もないと言う。
(バス業者)
「いま“新料金でやってくれ”というランドオペレーターはいない。
ランドオペレーターだって出したくない
いくらかでも抑えたい。」
新しい制度ではバス業者の料金は
静岡空港→富士山→東京の場合
これまで1日7万円ほどだったのが13万円ほに引き上げられるはずだった。
しかしこの業者のもとにランドオペレーターから送られてきた依頼書の料金の欄は空欄となっている。
料金の交渉はすべて電話で行われ
そこで示される額は新たな料金の水準を大きく下回ると言う。
それでも業者の立場上その要求をのまざるを得ないのが実情である。
(バス業者)
「ランドオペレーターにまともに新料金ぶつけたら
この仕事はなくなる。
安い料金でもやるところがあるからそっちに行ってしまう。
仕事がない業者はそれ以下でも欲しいっていうか
自分で自分の首を絞めているところが多い。」
11月12日 キャッチ!
9月 アメリカ東部ボルティモアで開かれた自然食品の見本市。
多くの食品が展示されるなか注目を集めていたのは
一見ただのプロテインバー。
実は材料に1本あたり約40匹のコオロギが使われている。
(客)
「すごくおいしいよ!
コオロギが入っているとは気が付かなかったよ。
本当に入っているの?」
この健康食品の製造・販売を行っているグレッグ・セウィッツさん。
セウィッツさんは去年友人と会社を起ち上げた。
今はニューヨーク中心部にある起業化が集まる共用オフィスに事務所を構えている。
昆虫食ビジネスを始めたきっかけは
FAO=国連食糧農業機関 報告書(2013年)である。
報告書では2050年までに世界の人口は90億人に達し
深刻な食糧不足に陥る恐れがあるとして
食料としての昆虫の重要性を強調している。
(健康食品会社 CEO グレッグ・セウィッツ氏)
「報告書を読んで
大学の友人と昆虫食ビジネスを始めようと決めたんだ。」
とはいうものの昆虫を食べる習慣は基本的に無いアメリカ。
ほとんどの人に取って虫を食べるというのは抵抗が大きいもの。
そこで2人が注目したのがコオロギを粉にしたもの。
コオロギの粉にカカオやココナッツを加えて
4種類の風味のプロティンバーを作った。
見た目からは昆虫が入っているとはわからず
味も違和感は無い。
タンパク質や鉄分が豊富で栄養価が高く健康にも良いと
コオロギの特徴を前面に出している。
インターネットを通じて1本約400円で販売を始めたところ
もの珍しさも評判になっている。
(健康食品会社CEO グレッグ・セウィッツ氏)
「抵抗を無くすために見た目で昆虫入りとはわからなくしました。
食べてもらえれば昆虫が入っていてもおいしいと分かっていただけます。」
そうすればさらに試してもらえると期待しています。」
昆虫食が注目されるなか
いま原料の大量生産に乗り出す人たちも出てきている。
ケビン・バヒュバーさんは
勤めていたカリフォルニアの金融関係の会社を辞めて
コオロギの生産を始めるために去年中西部オハイオ州に移り住んだ。
いまは約500㎡の飼育施設で食用コオロギを育てている。
約1か月半で出荷できる大きさまで育つコオロギ。
同じ量の家畜の牛や豚などを育てるのに比べて
手間もかからず
エサ代などのコストも低く済む。
食用コオロギの生産を始めてから1年
売り上げは順調で
伸び続ける需要に生産が追い付かない状態だと言う。
(食用コオロギ生産者 ケビン・バヒュバー氏)
「予想外の状況です。
最初の3年ぐらいは厳しい状況が続くと思っていました。
ここまで評判になり上手くいくとは思いませんでした。」
スーパーマーケットで昆虫を取り扱うところも出てきた。
昆虫を材料に使った健康食品や
家庭用の調理用のコオロギの粉末まで
この店では取り扱いを始めたばかりだが環境にやさしい健康食品として
今後売り上げが伸びていくことに期待を示している。
(食品店担当者)
「売り上げは徐々にですが伸びています。
新しい商品なので環境にやさしいことや栄養価などまだ知られていません。
皆がまだどんなものか学んでいる段階です。」
アメリカで広がる昆虫食ビジネス。
新たな食文化として定着していくのか
注目されている。
11月10日 キャッチ!
太平洋に面したアメリカ西海岸のロサンゼルス。
海にそそぐ川で環境保護団体が定期的にマイクロプラウチックの調査を行っている。
代表のマーカス・エリクソンさんは
15年間
世界各地の海や河川で活動を続けてきた。
(環境保護団体代表 マーカス・エリクソンさん)
「これもこれもプラスチックです。
この川からは何百万ものプラスチック破片が海に流出します。
世界では何十億という数です。」
処理されずに投棄され海に流れ出るプラスチックごみは
世界で1,300万トンにのぼるとされている。
それが太陽光線などによって劣化し
波や風で細かく砕けたものがマイクロプラスチックである。
大きさは5ミリ以下。
目に見えないほど細かくなったものもある。
大きな問題は生態系への影響である。
マイクロプラスチックは海中にある有害物質を付着させ
最大100万倍に濃縮させることが実験で明らかになっている。
小魚などが食べ
食物連鎖の中で有害物質がさらに濃縮される懸念が高まっている。
最新の研究では海洋生物の生殖機能や肝臓機能に障害が出る例が報告されている。
世界の海で汚染の実態を調べてきたエリクソンさん。
海流などの影響で5つの場所で大量のマイクロプラスチックが溜まっていることを突き止めた。
(環境保護団体代表 マーカス・エリクソンさん)
「プラスチックの有害物質が生態系に影響を与えています。
有害物質は海洋生物の寿命に影響するので
マイクロプラスチックが死因となるのです。」
さらにアメリカなど先進国でマイクロプラスチックをめぐる新たな問題が明らかになっている。
洗顔料などに使われるマイクロビーズと呼ばれる大きさ0,1ミリ以下のプラスチック。
(観光保護団体代表 マーカス・エリクソンさん)
「マイクロプラスチックよりも細かく
洗顔のあと排水溝に流れます。」
普及が進むなかで都市部の周辺で深刻な問題を引き起こしている。
(環境保護団体代表 マーカス・エリクソンさん)
「五大湖のプラスチック粒子の数はどの海よりも多かったです。
マイクロビーズは処理施設をすり抜けます。
それを魚が食べ
その魚を人が食べるのです。」
マイクロプラスチックの汚染に対する科学者の危機感はいま行政を動かし始めている。
去年9月 カリフォルニア州は
ゴミとして出されるプラスチックの量を減らすため
スーパーなどでのレジ袋の提供を禁止する法律を成立させた。
さらに10月
マイクロビーズの製造・販売を5年後に全面的に禁止することを決めた。
(カリフォルニア州議員 リチャード・ブルーム氏)
「これは市民が知るべき重要な問題です。
この州法は全米に影響を及ぼすでしょう。
世界にも。」
プラスチックに対する消費者の意識も変わり始めている。
会計士のベス・テリーさんはマイクロプラスチックの弊害を知り
できるだけプラスチックを使わない生活を心がけるようになった。
(ベス・テリーさん)
「冷蔵庫の中にプラスチック容器はないです。
ほとんどがステンレスかガラス製の容器です。」
ラップフィルムで食べ物を包むことはない。
さらに歯ブラシなども木製のものを使い
石鹸も量り売りのものを使っている。
買い物は商品が包装されていない店を選ぶ。
買う種類ごとに布製のバッグを用意。
しかし完全にプラスチックを排除することは難しいのが現状である。
(ベス・テリーさん)
「ここにプラスチックが使われています。
完全にプラスチックを排除することはできません。」
ベス・テリーさんのライフスタイルにアメリカの若者にも反響が広がっている。
地元の大学生が発起人となりベス・テリーさんの講演会が開かれた。
(ベス・テリーさん)
「プラスチックで小分けしている商品は避けてください。」
まず自分ができることから行動し
プラスチックを減らす大きな動きを作ろうと呼び掛けた。
(学生)
「生活の中で役立つ情報がわかりやすくて有益でした。」
「多くのプラスチックごみを出していることに気づかされました。」
(ベス・テリーさん)
「プラスチック問題が世界に知られ
より多くの人に賛同してほしいです。」
新たな環境問題として注目されるマイクロプラスチック。
私たちの大量消費社会のあり方に疑問を投げかけている。
11月9日 おはよう日本
全国のデパートやスーパーなどに入っている資生堂の化粧品売り場。
一番のかき入れ時は
仕事帰りの客などでにぎわう午後5時以降と
土曜日と日曜日。
その売り場をまかされているのが全国に1万人いる「美容部員」と呼ばれる女性社員である。
1人あたりの営業ノルマは
1日18人以上接客すること。
資生堂ではより多くの客と接点を持つことが売り上げにつながると考えている。
美容部員の勤務体系はおおむね2種類。
10時から午後6時45分まで働く早番と
11時15分から午後8時まで働く遅番がある。
短時間勤務制度は早番の終わりの時間を最大2時間短縮できるものである。
その時間を子育てに充ててもらう。
この制度を利用している木内枝里佳さんは入社14年目に長男を出産し
去年11月に職場復帰した。
(美容部員 木内枝里佳さん)
「資生堂は女性に対して優しい会社というイメージがあった。」
木内さんのように短時間勤務を利用している美容部員は現在約1,100人いる。
これまで会社は女性社員が働きやすい環境づくりに力を注いできた。
短時間勤務制度は1991年に導入したが
店頭に立つ美容部員はなかなか利用しなかった。
2007年に当時の社長が美容部員にも制度の利用をすすめたところ
利用者は一気に増えた。
ところが同じ時期
会社全体で国内の売り上げが約1,000億円減少する。
会社では競争の激化やインターネット販売への対応が遅れたなど様々な要因があるなかで
美容部員がかき入れ時に店頭にいないことも原因の1つと考えるようになった。
(資生堂ジャパン 永劫統括部 新岡浩三永劫部長)
「過去の習慣的に短時間勤務取得者は早番と暗黙のルールがあった。
一番忙しい時間に1人足りないということが発生していた。
そういう時間にいないことが販売の機会喪失につながっていたのではないか。
そこについては悩んでいた。」
販売の現場では子育てをしていない美容部員に遅番と土日勤務が集中。
こうした社員からは
「不公平だ」「プライベートの時間がない」などの声が続出するようになった。
経営陣は制度運用の見直しを迫られたのである。
そして一昨年
資生堂の人事部は子育て中の美容部員にあるDVDを配布した。
冒頭に役員が制度に甘えるなと警告した。
(資生堂が製作したビデオ)
仕事と育児の両立
新たなステージへの進化
(執行役員 美容統括部長 関根近子)
「月日を重ねるごとに育児時間を取るのが当たり前になってきた。
甘えが出てきたりとか
取るという権利だけ主張したり。」
さらに短時間勤務の利用者でも
公平に土日勤務や遅番をこなしてほしいという厳しい内容も伝えられた。
ひと月の土日8日のうち2日は勤務することを基本とし
遅番10日を基本とし
会社が決定する
(資生堂 人事部 ビジネスパートナー室 本多由紀室長)
「育児期の社員は常に支えられる側で本人たちのキャリアアップも図れない。
なんとか会社を支える側に回ってもらいたいという強い思いがあった。
働くことに対する意識
ここに対してメスを入れていこうと。」
美容部員の木内さんは職場復帰の前にこのDVDを受け取った。
短時間勤務で子育てというプランが揺らぐことになったのである。
(美容部員 木内枝里佳さん)
「正直『え!?』と思った。
本当にこれで大丈夫かという不安は大きかった。」
木内さんは復帰後
短時間勤務を利用しながら月3回の遅番と4回の土日勤務をこなすことになった。
また営業ノルマは1日18人の接客を行うこと。
これはフルタイムの場合と同じである。
会社側は改革を実現するため
夫や家族の協力は得られるかなどを聞きとってシフトを決めることにした。
木内さんの場合
夫や親に協力してもらい遅番や土日勤務をこなしてもらうことにした。
協力者がいない場合はベビーシッターの補助を出すほか
子育てサービスを活用するようアドバイスしている。
「月に3回遅番をやってもらったり
土日も半分勤務してもらってるけどお子さん大丈夫でしたか。」
(木内さん)
「うちの場合は主人が比較的協力的で子供に関しては今のところ大丈夫です。」
午後8時
この日遅番勤務だった木内さんは閉店まで働いた。
帰宅すると迎えてくれたのは夫の昌志さんと息子の想士くん。
この日は夫が先に帰って保育園のお迎えに行ってくれていた。
木内さんはノルマを果たしながら子育てをすることでキャリアアップも考えるようになった。
(美容部員 木内枝里佳さん)
「時短者だから無理
やる気がない
そうは思われたくない。
今後は一つ上のステップで店を統括できるチーフマネージャーの立場を目指せればと思う。」
資生堂は今回の改革によって
育児中の女性社員も会社の戦力にしていきたいと考えている。
(資生堂 人事部 ビジネスパートナー室 本多由紀室長)
「短時間勤務を取っている人は
悪い評価でも文句を言えないから我慢してもらおうではなく
ちゃんとそこは客観的に評価をしていく。
厳しい部分はあったかもしれないが
会社も社員もどちらも成長していく意義のある大事な取り組み。」
11月21日 編集手帳
秋が深まりゆく。
シャンソンの『枯葉』が似合う季節である。
第2次世界大戦直後のフランス映画に使われ、
後にジュリエット・グレコの名唱を得て、
世界の心をつかんだ。
物憂い曲調に加えて、
過ぎ去った恋への追想を描く歌詞の魅力があるのだろう。
日本でも様々に訳して歌われるが、
少女の絵で知られる画家、中原淳一の訳詞が忘れがたい。
〈風の中のともしび
消えていった倖(しあわ)せを
底知らぬ闇の中
はかなくも呼び返す…〉。
胸に響く言葉がこの秋はいつもと違って聞こえる。
パリに倒れ、
呼び返しても決して戻ってこない家族や親友を思う人たちの悲嘆と無念が重なるからである。
過激派組織「イスラム国」による同時テロから1週間がたつ。
「戦争状態」に陥ったパリは厳戒態勢がつづく。
更なる蛮行の阻止へと国際社会も連帯を強め、
包囲網が形成されつつある。
〈君たちに憎しみという贈り物は与えない〉。
同時テロで妻を失ったジャーナリストのメッセージをかみしめている。
憎悪でなく理性を力として不条理に立ち向かう意思表示だろう。
底知れぬ闇の中にあってほの見える、
一筋の光である。
(食べログ)
東京メトロ銀座駅 C8・C9出口から徒歩3分
東京メトロ 銀座一丁目5番出口から徒歩1分
JR有楽町駅中央口から徒歩4分
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11月15日 編集手帳
血で血を洗う。
この慣用句の起こりは古い。
多くの辞典が、
中国の歴史書『旧唐書』を出典に挙げる。
こんな話が書いてあるらしい。
唐からの使者が西域に赴いたが、
その国の王は会わずにこう伝えた。
「国の者はみな唐の使者を殺せというが、
私はそうしない。
私が使者を殺せば血で血を洗うようなもので、
ますます汚れてしまうからだ」(『明鏡ことわざ成句使い方辞典』)
週末を控えた夜のパリが惨劇の舞台になった。
世界の長い歴史を通じ、
先に血を流したのは自分たちだという独りよがりな思いが、
テロリストにはあるのかもしれない。
中国の故事がいう通り、
いつの世も、
血で血を洗おうとする行為からは不毛な結果しか生 まれぬだろう、
元警視総監の土田国保さんの言葉を思う。
「君らは卑(ひ)怯(きょう)だ」。
自宅を狙われた爆弾テロで妻を失い、
記者会見で犯人にそう訴えた。
被害に遭う理由のない無抵抗な人を巻き込む残虐行為の卑怯であることにも、
世の別はあるまい。
まして無差別テロである。
思えば、
その不毛や卑劣が何度語られてきたことだろう。
胸に怒りを覚えつつ絶えない愚行に暗然とする。
11月7日 おはよう日本
ロサンゼルス郊外に暮らす弁護士のミンイー・リンさんと婚約者のジェイソン・ダグラスさん。
毎日忙しく働くふたりにとって家でゆっくり過ごす週末は貴重な時間である。
その時間を大切にしたい
買い物に出かける時間を節約しようと
ふたりは最近
代わりに買い物に行ってもらえるというシェアリング・エコノミーのサービスを使っている。
この日はビールを買ってくるようお願いした。
このサービスに登録し買い物をしてくれるのは
主婦や学生など比較的自由な時間がある人たち。
リンさんたちが商品を注文すると
今近くにいて買い物に行く時間がある人たちが5人表示された。
待つこと45分。
近所のスーパーなどで商品を買ってきてくれるので
インターネットで購入するよりも早く届くのが魅力である。
全く知らない人とのやり取りだが
相手の個人情報が登録されているほか
毎回の評判が星の数で表示されていて見ることができるようになっている。
(今回の評価)
とても感じのいい人だ
5つ星
料金は買い物にかかった実費とその9%に当たるサービス料
それに距離に応じた千円前後の配達料である。
それでも駐車場代が高いアメリカでは割安だと言う。
(ダグラスさん)
「駐車場代を払わなくていいしこっちの方が安いこともあるんだ。」
(リンさん)
「これまで使ってみようと思ったことがなかったけれど
すごく便利だわ。」
こうしたシェアリング・エコノミーのサービスはスマートフォンの拡大とともに急速に拡大し
利用したことがある人は全米で延べ8,000万人にのぼるともいわれている。
「洗濯のサービスを使っているし
買い物もほとんどそうしているよ。」
「無駄なものや空き時間はたくさんあるから
そういうものをシェアするのが一番さ。」
さらにユニークなサービスも登場している。
ビジネス街を疾走するカイズラー・ヌーネズさん。
9か月前からあるサービスに登録して働いている。
ヌーネズさんは近くに停まった車に突然乗り込み走り出した。
代わりに駐車場を探し車を止めてくれるサービスである。
持ち主は好きな場所で車を渡し
登録者が空いている駐車場に駐車する。
帰るときにはスマートフォンで連絡すれば指定した場所まで運転してきてもらえる仕組みである。
駐車場問題が社会問題にもなっているサンフランシスコでいま大人気となっている。
今回サービスを依頼した男性は
これまでは渋滞のなか駐車場を探して出勤するまでに40分もかかっていたが
今では車を乗り捨てて職場に直行。
大幅に出勤時間が短縮したと言う。
(利用者の男性)
「駐車場を探さなくていいし
特別なことは何もしなくていいからずいぶん楽だよ。」
一方 これまで定職に就かず安定した収入がなかったヌーネズさんは
いまでは空き時間の多くをこの仕事に充てることで
多い時には月に30万円以上の収入を得られるようになった。
(ヌーネズさん)
「最初は吸う時間だけだったけれど
今は週40時間は働いているよ。
家族との時間や趣味の時間も持てるんだ。」
このサービスを提供する会社への登録者は1,000人超。
設立からわずか2年でニューヨークやシカゴなど全米8都市へ進出。
さらなる業務拡大を目指している。
(駐車代行サービス企業 グーティス・リーCEO)
「登録するメンバーが多ければもっと充実したサービスを提供できます。
そうすることで他社との差別化を図っていくつもりです。」
11月6日 おはよう日本
今や音楽性を表現しプロモーションに欠かせないミュージックビデオ。
実はこれを最初に作ったのはビートルズと言われている。
誕生から50年
ミュージックビデオは時代とともにどのように移り変わっていったのか。
11月6日午前0時
東京渋谷のCDショップで
ビートルズ初のミュージックビデオ集が世界で最も早く発売された。
当時のフィルムを最新の技術で修復した映像が収められている。
ビートルズが他のアーティストに先駆けミュージックビデオを製作した理由は
当時の過密なスケジュールにあった。
コンサートツアーに行けなくても
映像を送って全世界で歌う姿を見てもらおうとしたのである。
(購入した客)
「早く見たいです。」
「たぶん寝られない。」
ビートルズが生み出したミュージックビデオの文化。
1980年代に入り大きく花開く。
その中でもミュージックビデオを大きく変えたのがマイケル・ジャクソンである。
まるで映画のような大掛かりな舞台装置と特殊メークを駆使した映像は
当時の若者たちの目をくぎ付けにした。
このころから新たな表現の場として趣向を凝らしたビデオが次々に登場した。
しかしこうした動きは思わぬ影響を与えた。
(国内外の音楽に詳しいピーター・バラカンさん)
「豪華なビデオを作ろうという競争がすごく激しくなり
レコード会社としてもそれだけの投資をするなら
最初から売れる可能性を秘めたアーティストでないと契約しない。
レコード業界がすごく保守的になり
アーティスト間の経済格差がものすごく広がった。」
そんな状況にも2000年代に入ると変化が見られるようになってきた。
インターネットやスマートフォンなど新たな技術が普及したことで
誰でも手軽にビデオを撮影し一般に公開することができるようになった。
最近はそうした中から新たなアーテイストが生まれている。
人気シンガーソングライターのMACOさん。
MACOさんが知られるようになったのはインターネットの動画投稿サイトだった。
無名時代に洋楽のヒット曲を歌う姿を自分で撮影し
自作のミュージックビデオとして投稿した。
動画はツイッターやフェイスブックなどを通じ若者たちの間でまたたく間に広がった。
これまでの再正解数は4500万回を超えている。
その人気が大手レコード会社の目に留まり
去年メジャーデビューを果たした。
(シンガーソングライター MACOさん)
「みんなが無料で見られるツール。
いいPRになる。
チャンスはすごく増えている。
いろいろな人にスポットが当たる。」
バラカンさんはミュージックビデをの進化は今後も続くと考えている。
(国内がいの音楽に詳しい ピーター・バラカンさん)
「やっぱり優れた音楽があってそれに合わせた面白い映像。
これは時代が変わってもあまり変わらない。
5年後には全く想像できない展開もあるかもしれないが
楽しみにするしかない。」
ビートルズのミュージックビデオから50年。
時代とともにその姿を変えながらも
私たちに魅力あふれる音楽を届けてくれている。
11月6日 おはよう日本
70ページにわたって一部が切り取られた小説。
この推理小説はページをめくると犯人を示す落書き。
石川県の図書館ではこうした利用者の心ない行為が後を絶たないと言う。
能美市立辰口図書館では読書週間に合わせ
利用者が液体をこぼしたりページを破いたりして貸し出せなくなった本を展示。
本を借りる際のマナーについて考えてもらうためである。
(利用者)
「本を大切にしない人がいるのは残念だと思う。」
「悲しいと思う。」
この図書館では
返却された本に傷みがないか職員が点検しているが
すべてをチェックするのは難しいという。
(能美市立辰口図書館 柿原真由美主査)
「切り取られていても中身を1ページ1ページチェックできないので
まだたくさんあるのではないかと思う。」
こうしたなか金沢市立玉川図書館では
利用者たちが図書館の呼び掛けに応じて
ボランティアで傷んだ本の修繕に取り組んでいる。
専門の人から指導を受け
本の表示を外して糊を削ったりして製本し直している。
「これはページが剥がれている。
抜けている。
こういう場合は糊をつけて糊を入れるようにくっつける。」
こうして毎月100冊程度の本がボランティアの手でよみがえると言う。
(ボランティア)
「治せるものはなるべく直して
本の好きな人たちにできるだけ良い読書をしてほしいと思い修理している。」
切り刻まれたりひどい落書きをされた本は
廃棄せざるを得ないのが現状だということである。
さらに深刻なのが本の紛失である。
金沢市立の4つの図書館では
昨年度1,200冊余が手続きせずに外に持ち出されるなどして無くなった。
どうしたら本の紛失を防ぐことが出来るのか。
金沢市が4年前に建てた金沢海みらい図書館。
年間利用者は県内最大で約70万人。
しかし昨年度紛失したのはわずか27冊にとどまっている。
その秘密は本に取りつけられたICチップである。
貸し出し手続きをしないで図書館を出ようとすると音声で警告する。
さらに出入り口を1か所に市絵職員の目が行き届きやすいようにした。
(金沢市立金沢海みらい図書館 木村英司主任主事)
「図書館の本は税金で購入しているものなので
市民の共有の財産
大切に使ってほしい。
これからもたくさんの利用者に来ていただいて
新しい本に出合える図書館にしていきたい。」
大勢の人が利用する図書館の本。
公共の財産を守ることが出来るのか。
利用者のマナーが問われている。