日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

「自主避難」さて、どうしよう

2011-03-28 22:39:55 | 編集手帳

  3月26日 読売新聞編集手帳


  新国劇を創立した剣劇の雄、
  沢田正二郎の即興詩が残っている。
 〈斬り倒してふと考える/この人に 言い交わした女がありはせぬかと〉。
  迫真の凄(すご)みがいまも語り草の殺陣は、
  役になりきる精進の賜物(たまもの)であったろう。

  役者ならぬ身で、
  誰かになりきっての感情移入が巧みであるはずもない。
  それでもあの地震以降、
  被災者になったつもりでニュースを聴くことにしている。

  現在は屋内退避を指示されている福島第一原発から20~30キロ圏内の住民に、
  政府はきのう、
  「自主避難」を促した。
  そこに住む“私”は、
  さて、どうしよう。

  放射線量の問題ではなく、
  生活物資が圏外から届きにくくなったための措置だと、
  官房長官は説明する。
  本当かしら?
  放射能の専門家集団で、
  生活物資には門外漢であるはずの原子力安全委員会も「自主避難」を唱えているではないか。
  避難せよ、
  と指示するなら分かる。
  放射能に関する情報は政府がすべて握っているのに、
  「自主的に」(=あなたの意思と判断で)と言われても戸惑うばかりだろう。

  その言葉が住民の耳にどう響くか――
  「口にしてふと考える」姿勢が欠けている。
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「脱ゆとり教育」本格始動 公立校、授業時間増やす

2011-03-28 22:26:37 | 報道/ニュース
  3月10日 めざましテレビ


  公立学校教育の流れ
    1998年「学習指導要領」(ゆとり教育)告示
    2002年「学習指導要領」(ゆとり教育)完全実施 学校週5日制完全実施
        学力低下・ゆとり教育見直し
    2008年「学習指導要領」(脱ゆとり)告示
    2011年4月「学習指導要領」(脱ゆとり)小学校で実施
    2012年4月「学習指導要領」(脱ゆとり)中学校で実施

  新学習指導要領が小学校で来月から、中学校で来年4月から完全実施される。
  脱ゆとりの新要領により教える内容が増えることに対応した結果、
  標準と定められた時間を上回る授業時間を設定している学校は、
  小学校で5割以上、中学校で3割以上となっていることが、
  全国の校長や教員を対象とした調査でわかった。

  年間授業時間が「標準」より多い学校 
            小学2年   中学2年
    ‘02年調査  41,7%  14,3%
    ‘07年調査  51,9%  22,9%
    ‘10年調査  54,8%  33,8%
       このうち小学校で標準より71時間以上多い 23%、
           中学校で標準より71時間以上多い 11,5%
  小学校の目標は『学力の向上』と答えた校長は、
    2002年20,7%
    2010年41,8%
  心がけている授業内容については、
  公立小学校、中学校ともに教員の8割近くが基礎的な知識技術の習得に重点を置いている。

  授業時間を増やして学力UPが明らかであるが、
  一方で教員の不足や多忙化も心配されている。
  新たな学習指導要領での校長先生の不安(小学校)
    教員の多忙化の加速    87,7%
    人員の不足        71,1%
    児童間の学力格差の拡大  70,7%
    児童の疲れの増加     54,1%
    教員の指導力の不足    47,7%

  小学校の先生に最近の小学生はと聞いてみると、
    学力水準が低くなった   33,9%
    学力格差が大きくなった  60,6%
    協調性のある児童が減った 49,7%
    自己中心的な児童が増えた 69,3%

  脱ゆとりとはいえ学力だけではない部分も多くある。
  現場の教員への調査では、
  忙しさに加えて、
  対応が難しい生徒がいるという回答が少なくなかった。
 
   














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この春に愛でるものは、花、酒、ご馳走ではなく・・・

2011-03-27 22:31:51 | 編集手帳


  

  3月25日 読売新聞編集手帳


  大正期の詩人、山村暮鳥に『桜』と題する詩がある。
  〈さくらだといふ/春だといふ/一寸(ちょっと)、お待ち/
   どこかに/泣いてる人もあらうに〉

  詩人は伝道師として東北地方の町々を転任した経歴をもつ。
  今回の巨大地震で被災した福島県の地名を織り込み、
  雲に
  〈ずつと磐城(いわき)平(だいら)の方までゆくんか〉
  と呼びかけた詩(『雲』)も知られている。
  サクラの詩は、
  東北の人情と風物をこよなく愛した人が
  今日のためにあらかじめ書き残した挽歌のようでもある。

  人を悼む心が花にもあるのか、
  今年はサクラの開花は遅めというが、
  それでも四国や九州から、
  ぽつりぽつりと花便りの届く季節を迎えた。

  花に浮かれる心をたしなめて
  「泣いてる人」を思いやった暮鳥の優しさにうなずきつつ、  
  だが――とも思う。
  生き残った者の誰かしらが、
  生かされてある者の誰かが世の中の歯車を動かしていかねばならない。
  音は小さくとも、
  季節の催事も“ガッタン”と刻む歯車の一つだろう。

  この春、多くの人が愛(め)でるのは、
  花ではなく、
  酒でもご馳走でもなく、
  生きてある身のありがたさに違いない。
  宴の筵(むしろ)で、
  そういう供養もある。
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Glee  シーズン1 (9、10)

2011-03-26 11:48:13 | DVD
  第9話 「 グリー部の車いす体験記 」


  第9話の楽曲リスト

  Defying Gravity          "Wicked"
                     レイチェル&カート
  Dancing With Myself       Billy Idol
                     アーティー
  Proud Mary             Ike & Tina Turner
                     ニュー・ディレクションズ


  第10話 「 レイチェルの猛アタック 」

  第10話の楽曲リスト

  Lean on Me               Bill Withers
                       ニュー・ディレクションズ
  Endless Love              Lionel Ritchie & Diana Ross
                       ウィル・シュースター&ニューダイレクションズ
  I'll Stand By You            The Pretenders
                       フィン・ハドソン
  Young Girl                Gary Puckett...Union Gap
                        ウィル
  Don't Stand So Close to Me      The Police
                        ウィル
  [You're] Having My Baby        Paul Anka
                        ウィル
  Crush                   Jennifer Paige
                        フィン・ハドソン

                       
                                     (FOXより)
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自分の痛みに強くなろう

2011-03-26 11:44:45 | 編集手帳

 


  3月24日 読売新聞編集手帳


  「我々エゴイストは…」と、
  今は亡き英国のコラムニスト、
  ロバート・リンドは書いた。
  どこかの国に蔓延するマラリアよりも、自分の歯痛を憂える――と
  (英国コラム選『たいした問題じゃないが』、岩波文庫より。

  ひとつの洞察ではあろう。
  この地震を境に日本人の何かが変わったとすれば、
  リンド説とは逆に、
  他人の苦痛に心を寄せ、
  より小さな自分の苦痛に耐えるすべを学んだことかも知れない。

  東京23区の“水甕(みずがめ)”である浄水場から、
  乳児が飲むのに適さない濃度の放射性ヨウ素が検出された。
  ニュース速報に思わず腰を浮かせかけ、
  「待てよ」と思う。

  福島県内には、
  東京の2倍の濃度が水道水から検出された地域もある。
  大人や幼児以上の子供は飲むことができ、
  洗濯も入浴も問題ない。
  断水で空を仰ぎ、
  降る雨水で顔を洗った被災者の生活を思えば、
  まだしも恵まれた不便である。
  ミネラルウオーターの不要な買いだめをして、
  ほんとうに必要としている人を困らせるようなことはすまい。

  せめてほんの少し、
  ひとに優しくなり、
  自分の痛みに強くならねば、
  亡くなった方々に合わせる顔がない。
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結成40周年クイーン

2011-03-25 22:18:26 | 報道/ニュース
  3月3日 特ダネ


  ギター・ボーカル ブライアン・メイ
  ドラム・ボーカル ロジャー・テイラー
  ベース ジョン・ディーコン
  ボーカル・ピアノ フレディ・マーキュリー

  4人はロックの名曲を数多く世に送り出し、
  世界中の若者をとりこにした。             
  アルバムの総売り上げは現在までで4億5000万枚超。
  近年、日本では月9ドラマ「プライド」のオープニングにクイーンの曲が使われた。
  このドラマのヒットはファン以外の人たちにも彼らの曲を知らしめることになる。
  今年、クイーンは結成40周年。

  デビュー当時、イギリス国内の彼らへのまなざしは冷ややかだった。
  1975年、初来日で日本で熱狂的なファンに迎えられ、
  この人気がイギリスに伝わりやがて世界で認められた。       
  ボーカルのフレディ・マーキュリーは自身がエイズであると発表した翌日この世を去った。
  1991年11月24日のことだ。
  しかし20年たった今でも彼を慕うファンは多い。
  クイーンの影響力は現代のアーディストたちにも及んでいる。
  今をときめく歌姫レディー・ガガもそのひとり。     
  ガガという名前の由来は名曲Radio Ga Gaのガガだった。
  ボヘミアンラプソディーは、1975年に発表された彼らの代表曲である。 
  この曲が音楽シーンに名を刻まれるもうひとつの理由は、
  世界で最初にミュージックビデオになった曲といわれているからである。
  以後、多くのミュージシャンがビデオをつくるようになる。 
                             
  
  ブライアン・メイ
  「クイーンとはなれて前に進んで生きたいと思うこともあるのですが
   4人で作り上げた作品をとても誇りに思っています。」
  「(フレディへの思い)最初はとてもつらいものです。
   写真を壁に貼り、いつも一緒にいる気持ちになり、
   その人のことを毎日考えていると悲しみも癒えてくるのです。」

  ロジャー・テイラー
  「クイーンは私たちの歴史です。
   ブライアンは色々していて他のことへも興味を持っています。
   それは私も同じです。
   しかしクイーンが中心にあるんです。」
  「(フレディへの思い)フレディから学んだことは多いですね。
   ある意味まだ一緒にいる感じがします。」


  クイーンのヒット曲(一部)

  Seven Seas Of Rhye (1974)
  Bohemian Thapsody (1975)
  Somebody To Love (1976)
  We Will Rock You (1977)
  Good Old-Fashioned Love Boy (1977)
  We Are The Champion (1977)
  Fat Bottomed Girls (1978)  
  Bicycle Race (1978)
  Don't Stop Me Now (1979)
  Save Ne (1980)
  Radio Ga Ga (1984)        
  I Want To Break Free (1984)
                             
                               
                                
                               

        






 



  
  





  

















  


  

   
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言葉は浅く 意は深く

2011-03-24 22:41:55 | 編集手帳
  3月22日 読売新聞編集手帳


  堀口大学の『わが詩法』に
  〈言葉は浅く/意(こころ)は深く〉
  とある。
  宮城県石巻市の津波で倒壊した家から祖母と孫が9日ぶりに救出されたニュースに、
  その詩句が重なる。

  「将来、何をしたい?」。
  80歳の祖母を守り抜いた高校1年生の阿部任(じん)さん(16)を発見・救出したとき、
  県警の石巻署員は衰弱した任さんに尋ねたという。

  もう大丈夫だ…  
  助かったぞ…
  生きているんだ…
  がんばれ…
  もろもろを込めた「将来、何をしたい?」であったろう。
  語り口は世間話のように浅く、
  思いやりは深い。
  任さんは「芸術家になりたい」、
  そう答えたという。

  これから出動するよ――
  被曝(ひばく)の危険が待ち受ける原発事故現場の放水作業に向かうとき、
  東京消防庁の総隊長(58)は妻にメールした。
  1行の返事が来た。
  「日本の救世主になってください」。
  夫が身を捨てて救世主になることを望む妻は、
  いない。
  心配していると告げれば、
  しかし、
  夫の覚悟が鈍る。
  ドーンと背中を叩いた1行の向こうに、
  神仏に合掌してすすり泣く人の姿が透けて見える。
  意は深く…。

  「崇高」という言葉は知っていた。
  意味するところを、
  いまにして知る。
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もう我慢しなくてもいいんですよ

2011-03-24 13:38:50 | 編集手帳
  3月20日 読売新聞編集手帳


  日本には「腕時計の針を電車の到着時刻で合わせられる」ような秩序があり、
  何事も予測がつく安心感がある。
  そんな国の人々が先が読めない大混乱に直面して、
  子供の頃から教えられた道徳を守り抜こうとしている。
  我慢が大切というものだ。

  巨大地震に見舞われた日本人の姿を、
  米紙の記者はそう評した。
  英紙のコラムニストは、自分の身を守るより、
  棚から落ちる商品を必死で押しとどめようとする店員の姿に、
  「ひそかな献身」を見たと書いた。

  過労死や援助交際など日本の負のイメージを強調しがちだった欧米メディアのほめ言葉は、
  面映(おもは)ゆい。
  殊に、
  たかが“計画停電”に通勤の足を奪われただけでうろたえていた己には。

  もし我慢や献身が今も日本人の美徳だとすれば、
  それを最も失わずにきたのは、
  東北地方のお年寄りだろう。
  大津波はそんな人々の慎(つつ)ましい生活を奪い去った。

  「物言わぬ」と言われる人たちは、
  避難先でテレビのマイクを向けられても、
  救援物資の遅れに怒りやいらだちをあらわにすることはまずない。
  「もう我慢しないでください!」。
  画面に向かって、
  思わずそう告げたくなる。
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「言葉にできない。ありがとう」石原都知事、感極まり言葉詰まらせる

2011-03-22 22:07:29 | 報道/ニュース
  MSN産経ニュース 3.21



  福島第1原発事故で放水活動を行って帰京した
  東京消防庁ハイパーレスキュー隊員らの活動報告会が21日、
  東京都渋谷区の消防学校で行われた。
  石原慎太郎知事は参加した115人を前に感極まり、
  何度も言葉を詰まらせながら感謝を述べた。

  「みなさんの家族や奥さんにすまないと思う。
  ああ…、もう言葉にできません。
  本当にありがとうございました」。
  隊員からの活動報告を受けた石原知事は、
  涙を隠さず、
  深々と礼をした。

  石原知事は、被曝(ひばく)覚悟の活動を
  「まさに命がけの国運を左右する戦い、
   生命を賭して頑張っていただいたおかげで、
   大惨事になる可能性が軽減された」
  と称賛。
  さらに、
  「このすさんだ日本で、人間の連帯はありがたい、
   日本人はまだまだすてたもんじゃないということを示してくれた。
   これをふまえて、
   これにすがって、
   この国を立て直さなければいかん」
  と声を震わせた。

  活動報告会に参加した隊員の一人は
  「あの強気の知事が涙を流して礼を言ってくれた。
   上から物を言うだけの官邸と違って、
   われわれのことを理解してくれている。
   だから現場に行けるんだ」
  と話した。
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情けに触れ、涙で毎日を生きる

2011-03-19 18:59:43 | 編集手帳
  3月17日 読売新聞編集手帳


  同じ心を、昔の人は歌に詠んでいる。
  〈うらぶれて袖に涙のかかるとき人の心の奥ぞ知らるる〉。
  さして昵懇(じっこん)の間柄でもなかったあの人が、
  憎まれ口を叩き合ったこの人も…。

  失意と逆境のときに触れる他人の情けほど、
  骨身にしみてありがたいものはない。
  米国はもとより、
  中国やロシアを含む十数か国から救助隊が来日し、
  東日本巨大地震の被災地で困難な救援活動に加わってくれている。

  外電という形で届く“情け”もある。
  英紙インデペンデントは1面全面を使って「日の丸」のイラストを掲げ、
  日本語で
  〈がんばれ、日本。がんばれ、東北〉
  と書いた。

  デイリー・ミラー紙は宮城県南三陸町の被災地ルポを載せ、
  〈泣き叫ぶ声もヒステリーも怒りもない。
   日本人は、黙って威厳をもち、
   なすべき事をしている〉
  と感嘆をもって伝えている。

  イタリアでプレーしているサッカーの長友佑都選手がピッチで掲げた「日の丸」には
  〈一人じゃない みんながいる!〉とあった…。
  いま、こうして書いていて、文字がにじんでくる。
  あの地震が起きてからというもの、
  涙を燃料に毎日を生きている。
  そんな気がする。
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千夜一夜の世界

2011-03-19 09:27:07 | 報道/ニュース



  2月27日 サンデーモーニング


  なぜ中東に長期独裁政権が生まれ、
  今相次いで揺らぐ事態に発展したのか。
  背景には数千年にわたる中東の歴史がある。
  馴染み深い千夜一夜物語・アラビアンナイトの、
  魔法のランプや空飛ぶじゅうたんなどを収めた物語の中に
  栄耀栄華を誇った中東の繁栄ぶりを見てとる事が出来る。
  
  紀元前、エジプト文明、メソポタミア文明が栄えた中東。
  川沿いの肥沃な土地で農耕が始まると、
  それを束ねる王が現れ、砂漠の遊牧民など多くの部族を次々と従えた。
  中東は、アジア、ヨーロッパ、アフリカを結ぶ交通の要衝である。
  点在するオアシスを結ぶ交易が盛んに行なわれ、
  国は富み栄え、
  古代ペルシャのような王を頂点とする専制的な古代帝国が誕生する。
  この文明の十字路で、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教といった世界宗教が生まれた。
  中でも中東に圧倒的影響を及ぼしたのが、
  7世紀、預言者ムハンマドによって始まったイスラムである。
  イスラムの教えは中東全土に広がり、
  その教えに基づく帝国が築かれ、長く繁栄の時代が続いたのである。

  しかし20世紀にヨーロッパの帝国主義により植民地争奪が始まると、
  第1次世界大戦後、イスラム国家オスマン帝国が解体。
  中東は、英・仏により植民地化された。
  定規で引かれたような国境線がそれを物語る。

  第二次世界大戦後には冷戦と石油が中東に歪みをもたらした。
  1948年、イギリスが統治していたパレスチナの地にイスラエル建国。
  世界中からユダヤ人が移り住んだ。
  しかし、アラブ人が追い出される形となり、
  イスラエルと周辺アラブ諸国との対立が激化し中東戦争へと発展する。
  当時、冷戦の最中で、アメリカはイスラエルを支援、
  ソ連はアラブ諸国に兵器を供給するなど、
  米ソ代理戦争の様相を呈し紛争は泥沼化した。
  冷戦終結後、今に至るまでアラブとイスラエルの対立の構図は続いている。

  また、石油の利権が産油国がひしめく中東にさらなる歪みをもたらす。
  アメリカの支援を受けた一部の王族や軍部のリーダーなどが独裁政権を築き、
  巨額のオイルマネーをばらまくことで支持を得、
  軍隊の増強で政権の長期化を図った。
  冷戦後、イランイラク戦争で支援したサダム・フセインや、
  ソ連のアフガン侵攻の際支援したビン・ラディンが反米に転じるなど
  アメリカの中東戦略はおもわぬ誤算を招く。

  そして今立て続けに起きている中東の民主化ドミノ。
  大国の利害に翻弄され続けた中東は、
  今ようやくそのくびきを脱し、
  新たな歩みを始めようとしているかに見える。
  







  






  










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枝野官房長官から学べる10のこと:危機管理広報の視点から

2011-03-18 23:04:13 | 報道/ニュース
  the Public Returns - 続・広報の視点より



  広報の分野において重要なものの一つが、有事の際の危機管理広報。
  対応を誤れば、顧客のみならず社会全体を敵に回してしまうことになります。
  今回の枝野官房長官の対応の姿勢が、
  危機管理広報の観点から素晴らしいので、
  その理由をまとめてみました。

  1. しっかりとした口調で、ゆっくりと、文節を切りながら説明する。
  2. 原稿を読まずに自分の言葉で話す。
  3. 記者を指名する際、回答する際に目を見て答える。
  4. (放射能漏れしているなどの)可能性を否定せず「可能性はあるが」と受け止める。
  5. 専門家の判断が必要な部分については、その旨を述べつつ、自らの見解を示す。
  6. 誤解が起きそうなところを繰り返し、説明する。
  7. 最大の関心事といえる放射能の身体への影響についてきちんと説明する。
   (数値だけではなく、放射線を浴びた時間が健康に影響を与えることの説明など。
    「毎時」が省略されている場合がある)。
  8. 質問に対して回避的な答えはせずに、事実ベースでできる範囲の回答をする。
  9. スポークスマンとして常に登場する。
 10. 国民一人ひとりができることを具体的に説明する
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東電と政府の手際しだい

2011-03-15 20:09:07 | 編集手帳


  3月15日 読売新聞編集手帳


  ボクシングなどで、
  タイミングをはずして相手を惑わす動作を「フェイント」という。
  パンチが来ると思って備えを固めると、来ない。
  来ないと思えば、来る。

  東京電力のフェイントには惑わされた方が多かろう。
  地域ごとに電力の供給を停止する「計画停電」である。
  前夜に公表された計画に従い、
  停電を覚悟していると、
  当日朝になって
  「実施しない」「いや、実施するかも…」と、
  説明は二転三転した。

  節電に協力する鉄道各社が列車の運行本数を減らし、
  電力需給の見通しが狂ったための混乱というが、
  鉄道各社と事前に十分な調整をしていれば避けられたことである。

  停電するのか、しないのか、
  直前までテレビにかじりついていないと分からないというのでは「計画」の名に値しない。
  連日の悲惨な映像でずたずたの神経を、
  つまらないフェイントでいじめないでほしいものである。

  家を失い、
  肉親の安否も知れぬまま避難所生活を送る被災者を思えば、
  日に数時間の停電がもたらす不便など、
  何ほどのパンチでもない。
  従容と受け入れる人がほとんどだろう。
  要は東電の、
  政府の、手際しだいである。
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冷酷な現実

2011-03-14 22:00:19 | 編集手帳
  3月14日 読売新聞編集手帳


  「遠く離れた…」と言うとき、
  人はどのくらいの距離を思い浮かべるだろう。
  〈ほととぎす自由自在に聞く里は酒屋へ三里豆腐屋へ二里〉。
  不便と同居する風流人を詠んだ歌にもあるように、
  2~3里(1里=約4キロ)はじゅうぶんに遠い距離と誰もが思う。

  今回の東日本巨大地震では人家と樹木を根こそぎにして、
  海岸線から“遠く離れた”2~3里も先、
  10キロほど内陸に入った地域にまで津波がおよんでいる。

  身を省みて、
  津波とは堤防の釣り人や海沿いの住民が警戒するもの――
  という思いこみがなかったとはいえない。

  地震発生から津波来襲まで、
  最も早い地域ではわずか30分であったという。
  津波を伴う地震はどこで、いつ起きてもおかしくない。
  「きょう」かも知れないその時、
  限られた時間内にどう行動するか…。
  海とも陸ともつかぬ無残な光景が問うている。

  ニュースに耳をすますたび、
  何十人の単位で死者・不明者が増えていく。
  ほんとうならば教訓うんぬんはひとまず後回しにして、
  いまはただ犠牲者に瞑目(めいもく)し、
  不明者の無事を祈るときだろう。
  地震大国の冷酷な現実が、それを許してくれない。
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震災後 2

2011-03-13 21:35:53 | 報道/ニュース
  オーストラリア・メルボルンの皆様に
  寄付をお願いしています。
  メールを送らせていただいた方面の方々、
  どうぞよろしくお願いいたします。

To people in Melbourne in Australia,
We need your fundraising faces to Japan's earthquake,
and give chances to my country to be happy again.
Please hold donations to rehabilitation for Japan.



  3月13日 読売新聞編集手帳

 
  ある時計メーカーが3年ほど前、
  会社員を対象に
  「どのくらい待たされるとイライラしますか?」
  というアンケート調査をしたことがある。
  パソコンの起動1分、
  エレベーター=30秒、
  レジ3分、
  通勤電車の遅れ=5分…とある。

  では、こういう問いはどうか。
  巨大地震で放射能漏れが懸念される原子力発電所で、
  原子炉の建屋が爆発し、
  外壁が吹き飛んだとき、
  周辺の住民は必要な情報提供や説明をどのくらい待たされたらイライラするだろう。

  たとえ1秒でも待ち遠しいに違いない。
  生命にもかかわるのだから当然である。

  福島第一原発で爆発が起きたのはきのうの午後3時36分頃、
  瞬間をとらえた衝撃の映像はテレビでも流れた。
  官房長官と原子力安全・保安院の担当官が前後して記者会見し、
  爆発を公式に認めたのは同6時前である。
  2時間余りがたって、
  「何らかの爆発的事象である」はあまりにも頼りない。
  事態の把握には一定の時間がかかるとしても、
  周辺住民が不安を募らせない物の言いようがあったはずである。

  一日千秋ならぬ、
  “1秒千秋”で情報を待つ人たちがいることを忘れてはなるまい。
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